やっとできた!7月公演のポスター、チラシ。遅いよなぁ、残り2か月からの宣伝活動って。最初のつもりじゃ、1か月前に仕上がる予定だったのに。ここらあたりも、菜の花座が客足伸ばせない原因の一つでもあるよなぁ。担当者も仕事と稽古とさらに、制作業務、大変なこととはわかるんだが。
今回も、原画はあすむ君にお願いした。
どうだい、色調といい、文字のスタイルといい、レトロだぜ!ピンと跳ねた文字、カイゼル髭にダービーハットの紳士を思わせるね。あしらわれたランプに椅子・テーブルに蓄音機、どれもこれも懐かしいぃ!古き良き昭和初期、いや、大正かな、ムードとしては。そうだなぁ、こんな吊り灯やテーブル、舞台でも使いたいところだが、貧乏アマチュアの悲哀、あるもので我慢するしかない。
ただ、蓄音機はこんなラッパ型のものじゃないが、昭和っぽいものを道具さんが作ってくれた。シーンの取っ掛かりで何度も使われる大切なものなので、とてもありがたい。近い内に、苦心の道具類、大公開するのでお楽しみに。
このポスター、チラシが気に入っている理由。それは、やっぱり時代の雰囲気が醸し出されてるってことだろう。芝居が目指してるところでもあるんでね。もちろん、時代風潮に屈せぬ記者魂とか、死を美化し戦争を待望することへの拒否であるとか、女性たちの引き受けた苦難とか、見て欲しい、聞いてもらいたい主張はたくさんあるんだが、当時の風俗画とかポンチ絵のように、時代の光景を覗いて欲しいって願いもあるんだよなぁ。昭和初期を感じて欲しい。シーン転換には当時の流行歌を使うし、流行りの食べ物やら、社会的事件などもできるだけ盛り込んでいる。
大陸では軍部が暴走し、国内では5/15事件なんかの暗殺、クーデター未遂も発生していて、現代から振り返ると、庶民の暮らしもさぞかし息苦しかったんだろう、なんて同情しがちだが、実は、そんな切羽詰まった状況なんて、太平洋戦争に突入してからの数年間の話しでしかない。巷じゃ、長閑な日常生活が繰り広げられていたんだ。その二元性?を知ってもらいたいってのも、この舞台の大きな目的の一つなんだ。
そう、戦争や強権社会は、何気ない暮らしの中で静かに着実に作られていく、ってことだよ。だから、気付いた時にゃ、もう手遅れ、否応なく流されていくしか道がなくなっている。って、ことは、今の時代だって、戦前でないとは言い切れない。その辺を歴史から学びたいと思っているんだ。
だから、全体のレトロで洒落た雰囲気と、中央の「予兆」の文字の禍々しさとの対比!これ、この公演を的確に表現してるって言っていいと思う。台本、深く読み込んで、鋭く本質を抉り出してくれた。
さ、あとは、団員の努力だな。ポスター張りに回ろう!チラシ配りに歩こう!そして、一枚でも多くチケット売ろう!!
そ