置賜2市2町に無料配布される地域誌『あずま~る』さんが菜の花座を取材してくれた。ありがたいねぇ、公演1か月前発行の6月号に載せてくれるんだぜ。せいぜいサービスしなくっちゃ。
事前に撮影現場をチェックしたいから、1時間前に入りたい、ってそんな大げさな?!って驚いてたら、本格的なプロカメラマンが撮影担当だった。幾つもの機材を持ち込み、舞台設定も細かく指示。なるほど、『あずま~る』のきれいな写真は、この周到な専門家の仕事だからこそだったんだ。
初めに、インタビュー。座長、つまり僕から始めて劇団の花形女優、最長老、最若手、それに男優一人と5人の取材にたっぷり1時間半もかけてくれた。内容の組み立ても整然としている。この地の演劇の問題点や劇団経営の難しさなど、こちらが伝えたい事柄をほぼ網羅して聞いてくれた。聞き方もとても巧みで、知らず知らずのうちに話し手の思いが引き出されていく気持ちのよい聞き取りだった。
周到なインタビューとともに驚いたのが、カメラ!ほとんど数秒おきにシャッターが切られる。瞬くフラッシュの中で、話しに集中するのに苦労するほど。多分、一人の取材に100枚は超えたはずだ。せっかく撮ってくれてんだ、じっと前向いてるだけじゃ詰まらないだろうから、なんて、余計なお節介かもしれないが、普段はしない、身振り手振りなんかを交えて熱演しちまったよ。
インタビュ―の後は、稽古風景の撮影。ほぼ全員が舞台衣装に着替えてお出迎え。特に女優陣は気合い入ってる。早めに衣装の選定を済ませておいてよかった。着物に半襟が付いてないとか、着けた衣装がも一つ合わないとか、幾つか問題はあったが、まず、雑誌のページを飾るには華やかな稽古シーンとなった。
せっかく衣装を着けたんだから、全員を撮ってもらおう、と、様々なシーンをとびとびに稽古することでサービス、サービス。ここでもシャッターは矢継ぎ早に押され続けた。あっちに動き、こっちで屈み、演ずる役者を狙い、出番待ちの人たちも接写する。舞台ミニチュアも撮れば、小道具類もありとあらゆる方向から撮影しまくっていた。スタッフも含めて全員がカメラに収まったところで、9時、終了のお約束時間。
最後は全員の集合写真。吟味された背景の前に、17人が3列に並ぶ。細かく立ち位置の補正が続く。全員顔が見えてれりゃいい、なんて素人の記念写真とは違う。なんせ、表紙を飾る大事な1枚だ。念には念を入れて、何十枚と撮影。笑顔がこびり付いて強張っちまった、なんて言っちゃおられない、劇団なんだから、役者なんだから。
インタビューされた役者の普段着姿も撮影して、
すべて終了は9時半近く。びっしりと取材、撮影してくれた。ここまで力入れてくれれば、きっといいページが仕上がるに違いない。菜の花座の存在も置賜一円、広く伝わるんじゃないかな。昨年からの新団員の加入ラッシュ、って言っても3人だが、と言い、何か上昇気流が菜の花座を押し上げつつあるようだ。そうだ、この風に乗んなくっちゃ!