この冬は、ついに薪飢饉、お隣さんから分けてもらってどうにかしのいだ。が、今年は絶対大丈夫!注文の薪材も例年より多く5立米持って来てもらったし、河川敷支障木もリダイヤル作戦諦めずに貫徹して、軽トラ1台分ゲット!これだけありゃね、と一安心していたら、薪材はいらんかねぇ、のお声がかかった。
高畠町内屋代地区、リンゴとラフランスを切り倒して、45センチ程度に裁断してあるという。おうおう、それはいただきますとも!話しを仲介してくれた田んぼ仲間のTさんと、軽トラ2台連ねて出かけた。
これはなんと!旧家だぜ。総2階建ての母屋なんてここらじゃ珍しい。蔵も立派、そちこちの植木たちも見事な枝ぶりだ。聞けば11代目だって。そうだろう、この豪壮さだ。でも、どこか投げやりな様子も見て取れる。手が回らなくなって、いつの間にか何もかも放ったらかしになってしまった、って徒労感がじわっと漂っている。ご主人は78歳、今年で果樹はすべて止めた、と言う。跡取りは、同じ敷地内に別に新宅を建てて別居。夫婦2人じゃ屋敷も農地も手余して、邪魔なばかりだって。そうだろうな、部屋の掃除だって丸一日かかるだろう。こんな見事な庭、雪囲いだけだって、頼めば50万円かかるもの、とTさん。人生の晩年に思い通りに歳月を重ねられない悔いと諦めが、丸めた背中からにじみ出ている。
先に声を掛けた米沢の人は、ちよっとしか持ってかねかった、ぜーんぶ、持ってってくれるとありがたい、と案内してくれた園地は、屋敷内。1反部ほどか。そちこちに切った幹や枝がまとめてある。こりゃ、かなりあるは!軽トラだと何往復すりゃいいんだ?そのままストーブに放り込めそうな大きさのものが多いが、中には一抱え直径4,50センチもある巨塊もある。田植え前日ってこともあったので、その日は軽トラ2台に満載して、持ち帰り、終了。残りはまた、田植えが終わってからってことで。
たった2台分運んだところでまだまだある。往復1時間弱の移動を考えると、2,3日かけて気長に運搬するか。田植えが終わり、後始末も一段落したところで、2回目の搬出作業。今度もTさんが手伝ってくれる。悪いなぁ、農作業でもなく、たかだか我が家の暖房のためなのに、まったくのボランティア奉仕。きつい仕事だぜ。俺なら絶対手伝ったりしねえもの。設定した時間がまずく、2回目の往復が終わったのは2時前。昼飯抜きで頑張らせちまった。すまん。あんまり申し訳なかったので、Tさんにはここまでにしてもらい、昼食後、最後の1台は自分だけで出かけた。
運び込んだ薪材は、取りあえず薪置き場の軒下に放り込む。片付けは後だ、後。チェーンソーで切らなきゃならないものは手前、なんて区別もいつの間にか面倒になって、がむしゃらに積み上げた。
見事じゃないか!豊かだせぇ!これだけありゃ一冬しのげる?とんでもない、せいぜい2か月分だね。だが、幸せだ。少なくとも薪を使い果たして物乞いする必要はなくなった。ただし、薪割大変だけどなぁ。