自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

トラを征服したスワミの話(上)

2014年08月27日 | 健康と”悟り”・スピリチュアリズム

ジャングルのトラの征服者は心のトラをもとらえた・・・ 2014・8・27

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先日 早朝7時、 アメリカ ロスアンジェルスのSRF

(Self Realization Fellowship)

から 40年の間 修道女としてヨガナンダ師の教えを学ぶ、キャサリン師から

あることでお電話をいただいた。


SRFとはSelf Realization Fellowshipの略名で、 印度の不滅のヨギ

マハ・アヴァター・ババジ(このブログでもたびたび取り上げている)

の曾孫弟子にあたる ヨガナンダ師が アメリカに渡り、ババジの意思を

受け継いで設立された。


この協会は特定の宗教集団とは趣を異にしている。 

目的は、ヨガ=神との合一 の手法を科学的技法として紹介。

そのヨガはヴァカバッド・ギータでクリシュナが述べているところの

”あらゆる真の宗教に共通した科学的真理”が根本になっている。


それを瞑想の中で個人の心の中に打ち立てて、”肉体的病気”

”心の不調和”、 ”魂の無知” から解放させること。

 

”すべての人は皆 神性を宿している”ことを前提に、同胞愛に目覚め

互いに奉仕しあうこと。

 

科学と宗教とは同じ原理に立つ ”一つの体系” であると知り、

東洋と西洋のそれぞれの”文化的””霊的知識”の相互理解の交流を

計ることなどが挙げられている。

 

”あるヨギの自叙伝”は ヨガナンダ師の半生をつづった、回顧書だが、

20年前に初めて読んだ時に、最初に興味を持った内容は、

ヨガナンダ師が 実際会って見聞した不思議なヨギ達の生態だった。


当時、私自身が、インドに住み始めたころ。インドの地の不思議な

パワーに圧倒されながら、今も生きて存在している、ヒマラヤのヨギの

存在の確信できる、説得力ある体験談に、興味をそそられた。


何度、読んでも、体験に裏付けされた盛りだくさんのエピソード

に、常に霊的インスピレーションを受けることのできる内容だ。

私のの愛読諸の一冊になっている。


話しは前後するが、小一時間ほどの SRFの教導者キャサリン女史との

電話の最後に、私はある了承を得ようと、切り出した。

それは、”あるヨギの自叙伝”の中から、いくつかの感銘したエピソードを

拙協会のブログでご紹介したい~という許可だった。


キャサリン女史は、それは良いことです。発表して下さい。 何らかの

啓発が読者に与えられるのなら・・。” と 快く承諾してくださった。

 

若いヨガナンダ師が興味を持ち、自ら訪ね歩いて、面談を申込み 

体験に、感銘をうけたように、奇蹟を日常的に起こすヨギ達の存在は、

きっと、日本の方達にも関心を持って読んでいただけるかもしれない。


ヨガナンダ師は自ら、名だたるヨギや聖者のもとを訪ねてその眼で

実際 見聞したことを著書に現わしている。

少し そのあたりから、いくつか、ご紹介したい。

 

初めのエピソードは タイガースワミと呼ばれ名声を博した、僧侶の

極めて、インドらしいエピソードだ。


インドでは昔からベンガルトラで有名で、また、トラは女神[ドルガ]の

乗り物としても庶民から親しまれている動物でもある。

ソーホン・スワミという名前の僧侶は、別名 タイガースワミとして

知られていた。 


タイガースワミと呼ばれる理由は、この僧侶(スワミ)はトラとの試合で

まるで飼い猫のようにトラを意のままに操ることができるということで

有名だったからだ。

ヨガナンダ師は当時まだ高校生。

友人のチャンディが、タイガースワミの家を探り当て、ヨガナンダ師に

一緒に訪問しようと誘うところから始まる。

 

ヨガナンダ師は、スワミの容姿をこう書いている:

’その巨大な体に目を見張ってしまった。

そして、暫く声は出なかった。

こんなに分厚い胸板やフットボールのような腕の筋肉は見たことも

なかった。

とてつもなく太い頸(くび)の上には獰猛のようでしかも静かに

落ち着いた顔が、ふさふさとした髪と長いひげに縁どられ、その

黒く輝いた瞳は鳩のような優しさと 同時にトラのような精悍さを

ほのめかせていた。”

 

ヨガナンダ師はこのスワミに会うと、開口一番こう質問する。

スワミジ、ジャングルの怪獣の中でも、特に凶暴なあのベンガルの

王者たちを、どうして素手でやっつけることができたのですか?”


その質問を皮切りにスワミは過去を語り始めた:

”私が子供のころ、真っ先に抱いた野心はトラと闘うことだった。

その頃の私は、強い意志は持っていたが、体はひ弱だった。”

”私がこの弱点を克服したのは、不屈の粘り強さをもって、自分の

望む健康と力を、心の中に描き続けたからだ。


私は精神力の偉大さを証明するあらゆる事実を、自分で経験してきた。

ベンガルの王者どもの真の征服者は実に、この精神力だったのだ。”

そして 付け加えた:

”虎にもいろいろの種類がある。 

在るトラは人間の欲望というジャングルの中をうろついている。

外にいるトラを、いくら倒しても、霊的には何も得るところはない。

それよりも、人間は心の中をうろつきまわっているトラの征服者

になるべきだ。”

 

そう 語るスワミが 単なるジャングルのトラを、素手で倒す力を

誇示するために戦うことに興味を失い、自らの心に潜むトラを征服

しようと霊的な道に進み始めるきっかけを話し始めた。


きっかけは、タイガースワミの父親の言葉だった。

 ”私の名声が絶頂に達したころ、私はそれに酔って、すっかり得意に

なってしまった。 

そこで今度は、トラと闘うだけではなく、そのトラに、いろいろな芸

をさせて見世物にしようと考えた。

つまり、野生のトラに飼いならされたトラと同じような芸をさせたのだ。”

この見世物も人々の心をとらえ、成功を収める。


ところがそうした折、スワミの父が、物思いに沈んだ面持ちで

こう切り出した:

”息子よ、私はお前に警告したいことがある。”

その警告とは、このままの生活を続けていけば、因果 の法則

(カルマの法則)によって、禍(わざわい)が来るだろうと、父は

語った。


その理由は、ジャングルのトラたちは、スワミの行為に少なからず

恨みをいだき、その恨みの念が飽和点に達すると、禍いのもとになる

と父は言う。


そして付け加えた。

”息子よ、私はある聖者から聞かされた、不吉な予言をお前に

話さなければならない。

実はきのう、私がいつものように、ベランダで瞑想していると、

その人が近づいてきた。


’親しい友よ、私はあなたの好戦的な息子さんのために、神の

お告げを伝えにやってきました。

今すぐ、息子さんの野蛮な行為をやめさせなさい。

さもないと、この次のトラとの試合で彼はひどい怪我をして、

6か月の間、瀕死の苦しみを味会わなければなりません。

そして、彼は結局、、これまでの生活を捨て、僧侶になるでしょう。’”

 

その話を父から聞いたスワミはそれでも、何の感銘も受けず、

むしろ、”残忍きわまるトラに、まともな心を叩き込んで、

エチケットを教える、森の学校の教師、トラの飼育者である

自分のどこが悪い”と、反省の余地は全く持ち合わせがなかった。


そして ベンガル州の王子の要請が来て、世紀のトラとの対決

が迫っていることは、このとき、まだ知る由もなかった。

 

 

~続く

 

 

 

 

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