自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

人間不在の医学の改良~池見博士の真意

2013年04月18日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

心身弐分の医学から心身一元の心療内科の設立  

平成25年4月18日

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昨日お話しした、カレル博士の著書の中に、文明の進歩によって、

物質面の利便さや利益の追求が過度になり、人間の幸福に

寄与する反面、人間の精神性をそこない、結果、人間の存在と

自然の調和すら奪うことであることが、警告されていた。

 

とはいうものの、物質文明を否定したり、精神文明のみを語る

ことも現実的ではない。 

この両面がバランス良く、相互に歩み寄ることが理想的である

のだろう。

肉体に置いてバランスが必要なように、肉体と精神のバランスが

大事なように、西洋文化と東洋文化の調和も、こうした、

相互の歩み寄りと理解から可能になる。

 

肉体は小宇宙である と、東洋医療ではみなしてきた。

宇宙にある、統一された法則性 と 秩序と調和 こそ、

肉体に備わる、それと同一だからだ。こうした、観方が

今までの、今日の科学界や物理学者にも”東洋の神秘”的理性 

として、受け入れられてきつつあることも事実なようだ。

 

私は、医療の専門家ではないのでこのようなことを書く

資質がないことを承知の上で 自分の闘病生活を振り返って、

自己の体験として述べさせていただくことを

お許しいただきたい。


私ほど、薬 に抵抗感を持ち、病院や医師に対して、

一種のアレルギー的拒否反応を 本能的に持つ人間も

少ないかと思う。


以前、自分が、一刻の猶予も無い腫瘍撤去 と診察され、

即、手術したことがあった。 

手術後、主人に病室の外で、手術後担当医師が

”今後、奥さんには、6か月間の治療が必要だ” と話したとき、

すでに、私は、病院を出る決意をしていたことはブログに

書いた。 (平成25年1月30日ブログ

 

それほど、現代西洋医学に対しての恐れ?を感じているのは

何故なのだろう?


たぶん、無意識に、昔から、心身2分に分ける近代医学に、

不信を持っていたからだと思う。

病んだ臓器を取り出し データを集め、機械の部品を治すがごとく

肉体をとり扱われることへの抵抗でもあったかもしれない。


人の生理の完全性、統合された生命、病人の心の不在医療、

病める人への非尊厳的扱い一言でいえば、”人間不在” 

現代高度医療の実情に、生命が反発しているという感じかも

しれない。

 

ドイツでは、その弊害を早くから社会的に注目して、当時の、

ハイネマン大統領の決断もあり、現在では、すべての医科大学で、

心身医学のカリキュラムが法定化されていると聞いた。


日本では、ドイツに30年遅れて、心身医学が入ってきた。

生命医療のブログでも述べたように、心身は切り離せないこと、

相互に影響を与えあってていること、いいかえれば、

心身一如(しんしんいちにょ)であり、その人間観をもって、

医療のみならず、教育や社会の価値観へも、物質偏重主義 

の歪みを治すことができると思う。

 

池見酉次郎博士は、心身医療の第一人者である。博士は、

”セルフ・コントロールの医学” という提唱をして、

”科学に矛盾することのない真に宗教的な考え方” をもとに、

自分の体と心をコントロールする方法を述べられている。


そのことに関して、すでに、ブログで取り上げて、

お話しさせていただいた。

 

著書の序章に書かれている言葉を引用する。

”私が本書で述べる人間観は、私の日常生活を通しての人生体験、

過去20年間にめぐりあった数多くの 病める人たちの

身体症状の背後にあった、人生問題にじかに取り組んできた

生の体験を中核に、構成されたもの”

として、

東洋の伝統としての’身心一如の中道を行く人間観’は、

心身医学の基本的理念ともなじみやすい”としている。


著書を通して、

”脳を中心とした、心身の営みが、各人にとって、最も望ましい

バランスを取り戻し、それによって、生まれつき備わった、

自然治癒力、全体世界との調和のもとに、各人固有な自己実現

の可能性をフルに発見する”

ための瞑想法などの効用や、それに対する理解を深めたいと

池見博士は語っている。

 

自己意識の持ち方で、自分自身を、そのような理想的な自己実現

持っていくプロセスがわかりやすく、解説されている。 

そのプロセスが CAP であらわされる心の統御であり、

セルフの発見でもあったことはいうまでもない。

(4月8日のブログ参照)

 

 

池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)博士について:、

大正4年(1915年)612 - 平成11年(1999年)625日)

日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。

旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。

戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。

昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のに留学し、

帰国後、日野原重明、三浦岱栄らと共に昭和35年(1960年)

日本心身医学会を設立し、初代理事長になる。

翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された

精神身体医学研究施設(現在の心療内科に当たる)教授に就任し、

内科疾患を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法

を体系化、実用化に尽力した。

九州大学医学部名誉教授、自律訓練法国際委員会名誉委員長、

日本心身医学会名誉理事長、

国際心身医学会理事長、 日本交流分析学会名誉理事長などを歴任。

書に「心療内科」、「セルフコントロールの医学」などがある。

平成11年(1999年)625日肺炎のため、福岡市内の病院で死去。84歳。

 

参考文献)

”セルフ・コントロールの医学” s・57年9月1日 日本放送出版協会

 

 

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