自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

宣告余命を超えたK氏

2013年04月25日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

癌だから、人生本気に・・平成25年4月25日

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今年の、3月は 死ぬ ということ中心に、キュ―プラ博士や

ムーア博士の意見を 参考にして 書かせていただいた。


池見博士も 死 ということに、生前どの程度の関心をいだき、

死を受け入れる 準備をしていたかが、

患者の最後の精神状態、安楽に迎えられるかどうかと

いうことに、関連していると 著作に述べている。

それに関しては、臨床的に例をあげている。

癌患者の心理研究として以下の実例をご紹介したい。

 

最近、動物に植え付けた癌への免疫抵抗を保つうえで、

大脳皮質の活発で柔軟な働きが重要な意味をもつことが

わかってきている。


米国のコールという癌学者は、癌の進行が自然にとまり(自然退縮) 

死線を越えて生き延びている実例を 500以上集めて

その理由を探っている。

 

その結果、退縮が起こる、一つの原因として、

精神的環境の好転、本人の人生観の ’実存的展開‘ 

などが関係する場合もあると報告している。

 

またヘルシンキ大学の中央病院で、100例のがん患者について、

癌と診断されてからの生存期間を、癌そのものの悪性度と、

精神的諸条件との二方面から調査した。


その結果生存期間の長さを予知するうえでは、癌の悪性度より、

患者の精神的条件の悪さの方が、より密接に関係していたという

報告もある。“

 

 

人は何かの躓き(つまずき)がっかけとなって、

本当の自分を探し出すことがある。

癌の宣告もその例にもれない。


宣告を受けて、真剣に、人は、生と死の実在感を感じながら、

向き合うことを余儀なくされる。

癌になって、初めて、自分本来のセルフの確立をめざす人も多い。

 

次の例は、宗教家K氏の話である。

九大耳鼻咽喉科で喉頭がんと診断され、余命数か月の宣告を受けた。

しかし、実際その後14年間生きられて、宗教家としての本分

を尽くされた。 

後日、子息が訪れ、その14年間の歳月を与えられたことへの

感慨を述べられている。

 

“私どもも、長くて短くて3か月、長くて半年と、

先生に宣告されていましたから、覚悟はできていました。


父の意思のままにさせてやりたい、父が、生きている限り、

神様にお仕えしたいというなら、手術をしないで、声の出る限り、

説法のできる日々を送りたいということに同意しました。

 

出ない声を振り絞って 説教する父の姿には迫力があり、

信者の心を打ったようです。

といっても、本人は、力むわけでもなく、いつもニコニコとして、

時には冗談も言い、病気の前とちっとも変りはありませんでした。

 

宗教を信じるという個とは、助かりたいから神にすがりつく

ということではないのです。


むしろ、生への執着を離れて、自分に与えられた残りの日々を

一日一日大切にして、有り難く押し頂いてい生きるという、

人間として一番真実な生き方に 近づくことができたという

喜びが父にありました。 

そして、父の信仰を深めていきました“

 

この話を聞いて、池見博士は、

“K氏が このような心境になったことが、癌の進行を

ストップさせたことに関係がありそうだ”

と感想を述べている。

 

 

癌を乗り越えた人たちは、“生きながら死ぬ” という現実の体験

をしているわけで、その過酷な体験はK氏の言葉に、

真実を滲み出させているのだろう。

 

このブログにたびたび 登場する、吉田 法夫氏の場合も

そうであった。

妹さんとは、今でも 40年近くの旧交を、いただいているが、

彼女は 兄上に関して先日、このようにお話しされた。

 

”兄が癌と宣告され、さらに余命がわずかであると知らされて、

私たちは、兄が気落ちして いなければと一時は心配したものです。 


ところが、意に反して、兄は、いかに余生を楽しく有意義にそして、

皆様のお役にたてるように生きるか~ということを考え、

溌剌とさえしていました。

 

亡くなるまで自分の手記をまとめて、癌患者でもこうして希望を

もって、明るく感謝して生きられるということを、皆様に

お知らせしたいということで自費出版を計画しました。

 

私も手伝いましたが、原稿をまとめながら、兄が、それまで以上に

元気に、張り切っている様子がわかり、だれが病人か? 

と 不思議に思うぐらい、病人らしくない、しかも癌患者でした。

 

大きな声で明るく笑う という習慣の大切さを孫たちに教え、

癌とも闘わずに共存するという心持で、主治医が予測した

死をはるかに遅らせることができたのです。


家族とも調和がとれ、旅へ出かけたり、深い感謝で悔いのない

人生だったと 兄は、亡くなる直前、自らの人生を述懐して

おりました。” 

 

兄上が、癌を宣告されてから、その生活方針や、

生活態度のより良い変化に、彼女は嬉しい発見を重ねてきた。

ブログで兄上の様子のことを紹介している。

興味のあるかたはぜひご覧いただきたい。


ブログ 

「 末期ガン(余命3ヶ月) 

”われ ガンと闘わず、ボウフラ人生さようなら” 」

http://plaza.rakuten.co.jp/sunbrilliant/

 

 

 

池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)博士について:、

大正4年(1915年)612 - 平成11年(1999年)625日)

日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。

旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。

戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。

昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のに留学し、帰国後、日野原重明、

三浦岱栄らと共に昭和35年(1960年)日本心身医学会を設立し、初代理事長になる。

翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体医学研究施設

(現在の心療内科に当たる)教授に就任し、内科疾患を中心に、心と体の相関関係に注目した診療方法

を体系化、実用化に尽力した。

九州大学医学部名誉教授、自律訓練法国際委員会名誉委員長、日本心身医学会名誉理事長、

国際心身医学会理事長、 日本交流分析学会名誉理事長などを歴任。著

書に「心療内科」、「セルフコントロールの医学」などがある。

平成11年(1999年)625日肺炎のため、福岡市内の病院で死去。84歳。

 

参考)

”セルフ・コントロールの医学” s・57年9月1日 日本放送出版協会

 

 

 

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