局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

パン屋難民

2007-02-20 20:35:20 | 日々の生活
今日仕事帰りに職場の近くのパン屋さんに寄っていつものように、ホテルパンといくつかの調理パンを包んでもらった。
ジャムおじさんを女性にしたような ふっくらした優しそうなそこの女主人が
「いつもご贔屓にしていただいて・・・ 実はこの店ね、今月いっぱいで閉めるんですよ」と言った。
私は、一瞬息がとまりそうなほどショックだった。
某私鉄の駅からも遠く 決してしゃれた造りの店じゃなかったけど、本当にここのパンはおいしく、それでいて良心的な値段だったから。
特に食パン系は、こねるのだけは機械らしいが 丸めたり成形したりするのは 全部手作りだった。季節的にちょっと味の変化があったりはしたが、本当に素朴で、だけどおいしかった。
調理パンも、おばさんが気まぐれに作っているようなところがあり、いつ行っても同じものはなく、種類毎の数は少なくてすぐに売り切れてしまうようなことはあったが、今日はどんなパンにめぐりあうかの運試しのようなところが楽しかった。
私もパンは焼くし、好きなので、暇な時は 色んなパンの作り方や、有名所のパン屋の噂話(おばさんも研究熱心だった)が弾んでいたのに・・・

お姑さんの介護が忙しくなったこと 息子さんがその場所でレストランをやることになったことで 思い切って26年間続いた店を閉める決心をしたらしい。

「皆さんが残念がってくださるのが申し訳ないけどとても嬉しいんですよ、遠くからも買いに来てくださったんですけどね、でも色々考えると閉め時なのよ。調理パンはコンビニにも押されてしまっているしね・・・」
「コンビニのパンなんかと比べ物にならないくらいにおいしいのに」
「これから息子のレストランもご贔屓にお願いしますね」

と言われて がっかりして店を出たのだけど・・・

気がついてみるとパン屋さんだけでなくて、町中から個人の店っていうのがホントに少なくなった。

気難しそうな顔してレジに座って時々商品にはたきをかけにくるオヤジさんのいる本屋も K文堂とかのチェーン店にとって変わられた。他の大型書店の支店もあれば便利だけど、みんなベストセラーと雑誌ばかりのありきたりの品揃え。

白衣を着た薬剤師のおばちゃんが 風邪薬を売りながら玉子酒の作り方なんか教えてくれるような薬局も マツOヨとか セイOョーにとって変わられた。

どこの駅前も どこの街も同じような品揃えの同じような店。そこで働くのは短期で回転するアルバイトの店員。そういう風潮が現代の町を無機質にしているような気がする。

なじみのパン屋の閉店でかなり落ち込む私も気楽といえば気楽だけど、これから家族のパンはどうしようっていうのはかなり深刻である。家の近くのパン屋は最悪だし。当分パン屋難民になりそうな気配である。
いっそまた自分で焼くことにしようかな。。。


コメント (4)
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