局の道楽日記

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生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

パフィームを見る~再度バルト9にて

2007-03-22 21:59:01 | 見る(映画 劇場 美術館など)
今日は前々から見たかった映画、パフィームを見てきた。

yahoo映画サイトの紹介文から抜粋する↓

世界45か国で発売され、1500万部の売上げを記録したパトリック・ジュースキントのベストセラー小説を映画化。『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァが監督を務め、美しい女性の香りを手に入れるため、恐怖の連続殺人鬼と化していく男の物語を描く。驚異的な嗅覚を持ち、一切の体臭を持たない主人公を演じるのは『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』のベン・ウィショー。目を疑ってしまうような、驚きの結末に注目したい。

ジュースキントの原作は20年ほど前に読んだ。いわゆる良書ではないと思うし、人に元気や慰めを与える作品ではないけど、ストーリー展開の面白さや、人間ってこういう部分をもちあわせているのかもね と考えさせる点など、ページをめくるのがもどかしいほどの作品だった。面白さとして限定すれば 私の中ではこの20年のベスト5に入る本だったと思う。

だけど映画になるとはね。
抜粋したとおり、主人公は天才的な嗅覚を持つ調香師で 自分の一番愛する香り 処女の芳香を香水に封じ込めるのを目的に美しい娘を次々に殺害し、その香りをコレクションしていくいわば変態くん、そしてこの物語の主題は彼が経験した香り、彼が求める究極の香りを作りあげるということで 香りも立派な主人公だから。
映画という映像の中でその香りという目に見えないものをどのように表すのか?その点にもとても興味があった。

でも よくできてたと思う。フランスの小説がアメリカ映画になるっていうのもどう?とも思ったけど、せりふも少なく 映像と音楽(これがよかった)に助けられて違和感なかったし、フランス映画だったらもっと暗くてグロテスクだったんじゃないかなとも思えるからちょうどよかったかもしれない。

終局で主人公グルヌイユが捕らえられ殺人の罪で殴打の末に絞首刑にされるはずの城内広場で、彼がくゆらせた処女のエキスを調合した香水に処刑を見物にきた大勢の人々が魅了され、陶然となって乱交する場面は 美しくてグロテスクでユーモラスだった。 ヒエロニムス・ボッスの快楽の園を思い出してしまうほどに・・・

そして その後の皮肉な結末。
決して後味すっきりの映画じゃないんだけど、心にひっかかり、映像がいつまでも残りそうな映画だった。

帰りに 伊勢丹の地下に寄り春限定ロクシタンのチェリーブロッサムのトワレを買ってしまった。我ながら物欲方面に影響されやすい女だこととおかしくなってしまった。
コメント (2)
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