実家に帰り、キッチンとリヴィング周りのごちゃごちゃを整理していたときである。
何年前やらの領収書だのパンフレットが積んである書類入れの中に、こんな葉書を発見した。
赤毛のアンの島、カナダのプリンスエドワード島からワタクシが母宛に出したもの。
そのころ息子は結婚してすぐにトロントに赴任していた。海外の部署にしてはのんびりしていて上司も好い人だったらしく、長い新婚旅行のような感覚で謳歌していたみたいだった。そこをオットと一緒に訪ねようと計画したのであった。
ついでに彼の島に行こうと提案したのはオット。それには案外深い理由があったのよね。
遡るとワタクシたちの結婚披露宴のこと。友人代表でスピーチしてくれたのは親友Aであった。幼稚園から高校まで同じ学舎で学び、その後もずっと離れず離れず。あちらは子無しでバリキャリの人生を歩んだので、過ごし方は違ったけど会えば話は盛り上がり、最近はゴルフも一緒にという仲。時々出会って何年になるかねぇと指折り数えて(人に言えない年月だね)と、お互い苦笑するが昔も今もかけがえのない友である。
彼女はそのスピーチで、ワタシのことを空気を読んで過分に誉めてくれたが、その中で「局ちゃんはとても読書家、彼女に薦められた本で赤毛のアンシリーズがあり、私も夢中で読んだ、いつか一緒にあの島に行くのが夢、◯◯さん(オット)、局ちゃんをいかせてくださいね♥️」というものだった。
当時から超美人のAが、初々しく頬を染めてみんなの前でしたスピーチは、招待客の老若男にかなりの印象を与えたらしい。そこに居合わせた、当時オットの上司であった助教授(のちに教授でもう定年で次の職も引退された 月日は流れたもんですな)は、その後も何かの折りに、「お前、奥さんをプリンスエドワード島に連れてったか?連れていけよ」と何度も念を押され(プレッシャーをかけられbyオット)たらしい。
へえ そう言えばあれから幾年だろうか・・・ 家族で海外も行ったがその島までは行かなかった。子供の一人が巣立って家庭を持って、なんとその島のある国に赴任したとは 考えてみればちょっとした運命を感じましたね。
トロントまでも長いフライトだったが、それからまた小さな飛行機に乗って島へ。トランジット時に5時間くらい待たされてだいぶ疲れて現地着。
アンの島は素朴なところだった。観光地でもあるけど自然は残っていて、島の人たちはおっとりしていてとても親切だった。道に立っていると100m前くらいなのに車は徐行をはじめ渡るのだったらどうぞとばかりに譲ってくれようとする。
道の端で地図でも広げようものなら「どこに行くんだい?」とのぞき込んで案内してくれようとする。
あのグリーンゲイブルスを模したアンの家にも行ったのだが、そこには作者のモンゴメリーの姪御さん?だったかの館長がいて、一緒に写真をとってもらったっけ。
何年前やらの領収書だのパンフレットが積んである書類入れの中に、こんな葉書を発見した。
赤毛のアンの島、カナダのプリンスエドワード島からワタクシが母宛に出したもの。
そのころ息子は結婚してすぐにトロントに赴任していた。海外の部署にしてはのんびりしていて上司も好い人だったらしく、長い新婚旅行のような感覚で謳歌していたみたいだった。そこをオットと一緒に訪ねようと計画したのであった。
ついでに彼の島に行こうと提案したのはオット。それには案外深い理由があったのよね。
遡るとワタクシたちの結婚披露宴のこと。友人代表でスピーチしてくれたのは親友Aであった。幼稚園から高校まで同じ学舎で学び、その後もずっと離れず離れず。あちらは子無しでバリキャリの人生を歩んだので、過ごし方は違ったけど会えば話は盛り上がり、最近はゴルフも一緒にという仲。時々出会って何年になるかねぇと指折り数えて(人に言えない年月だね)と、お互い苦笑するが昔も今もかけがえのない友である。
彼女はそのスピーチで、ワタシのことを空気を読んで過分に誉めてくれたが、その中で「局ちゃんはとても読書家、彼女に薦められた本で赤毛のアンシリーズがあり、私も夢中で読んだ、いつか一緒にあの島に行くのが夢、◯◯さん(オット)、局ちゃんをいかせてくださいね♥️」というものだった。
当時から超美人のAが、初々しく頬を染めてみんなの前でしたスピーチは、招待客の老若男にかなりの印象を与えたらしい。そこに居合わせた、当時オットの上司であった助教授(のちに教授でもう定年で次の職も引退された 月日は流れたもんですな)は、その後も何かの折りに、「お前、奥さんをプリンスエドワード島に連れてったか?連れていけよ」と何度も念を押され(プレッシャーをかけられbyオット)たらしい。
へえ そう言えばあれから幾年だろうか・・・ 家族で海外も行ったがその島までは行かなかった。子供の一人が巣立って家庭を持って、なんとその島のある国に赴任したとは 考えてみればちょっとした運命を感じましたね。
トロントまでも長いフライトだったが、それからまた小さな飛行機に乗って島へ。トランジット時に5時間くらい待たされてだいぶ疲れて現地着。
アンの島は素朴なところだった。観光地でもあるけど自然は残っていて、島の人たちはおっとりしていてとても親切だった。道に立っていると100m前くらいなのに車は徐行をはじめ渡るのだったらどうぞとばかりに譲ってくれようとする。
道の端で地図でも広げようものなら「どこに行くんだい?」とのぞき込んで案内してくれようとする。
あのグリーンゲイブルスを模したアンの家にも行ったのだが、そこには作者のモンゴメリーの姪御さん?だったかの館長がいて、一緒に写真をとってもらったっけ。
文面は 「プリンスエドワード島はとても良いところです。朝夕は半そでだと寒いくらいですが、そちらの酷暑はおもいやられるね。草むしりなんて絶対にしないようにしてね」 と母に向かって書いてあった。
そこで買った絵葉書はキャベンディッシュの郵便局から出すと、アンのスタンプを押してもらえると聞き、ワタシは東京の留守宅と親友A宅と実家に オットはその教授に手紙を書き、投函してきたのであった。
消印は2013年の7月10日だった。 オットが早い夏休みをとった年であろう。
島からまた本土に帰り、ムスコ夫婦と合流して色んな所を案内してもらって楽しい旅になったのを覚えている。
このハガキ、懐かしいなあ・・・ 実家にそのまま置いておいてもどこかに捨てられちゃうのがオチ。
東京の家に持ち帰ってテーブルに置いておいたら
「懐かしいなあ 俺も〇〇先生に書いたろう? おお、やっと連れてったかってすごく喜んでくれたんだよな」とオット。
赤毛のアンは小学生の時に読み、その後シリーズは中学くらいの時まで繰り返し読んだ、確かに影響を受けた本だったかもしれない。
風変りで想像好きな少女が成長し、結婚して子供を育て、 やがてストーリーは彼女の家族や周りの人々にうつっていく。
今すぐに読み返すつもりはないが、出てくる人々にはちょいと引きこもり傾向にあったり、毒親と共依存していたりと結構現代にも通じる普遍的な問題を抱えた人々も出てくる。
アン自身も、忙しいオットを支え、大人数の家族の世話をして時に喜び、時に疑問を持ちといった家族の問題にも直面する。
ワタクシ自身もなんだか夢中で過ごしちゃったけど、同じように喜び、同じように悩んだ時期もあったと思う。
あの島を訪れてから、もう7年もたってしまったのね。
両親はホームに入り、子供たちは結婚して孫までできた今、時代は変わったけど底に流れる自分の価値観は案外変わってなかったりするかもなあなどと思ってしまった。
我が家のギルバートもだいぶくたびれたオヤジになったが一番変わらず働いているのは彼かもしれない。
余分なことだが、この旅の数年後にNHKの朝ドラに「花子とアン」が放映された。オープニングの画面はこのグリーンゲイブルス周辺であった。
その後、偶然、北海道の余市のウイスキー醸造所に行ってすぐに「まっさん」が放映された。
朝ドラじゃないけど、「いだてん」が始まってすぐに 金毘羅山に行ったら、金毘羅歌舞伎に出演中のいだてんの主人公の勘九郎さんに遭遇した。
以来「NHKが着いてくる女」を名乗っている。