局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

玉様演出にコロナを忘れる

2020-12-12 23:46:47 | 見る(映画 劇場 美術館など)
バタバタしていて、upが遅くなったけど、今週水曜日は



日比谷へ
コロナ禍でメジャーな劇団ももマイナーなものも、舞台が軒並みキャンセルになってしまった今年、二度目の観劇、そして今年最後である。



はっきり言ってしまうと、この組のトップさんはあまり好みでなく、好きだった二番手の美弥さんが退団してしまったので見るつもりじゃなかったが、レビューの監修が玉様というのでチケットを頼んだのであった(上からですみません)


例によってチケット手配は舞台友N あまり積極的に見ようとしなかった時に限って SS席であった。



ところが、んまあ! これがホンっとに素晴らしかったのであった。

いわゆるチョンパっていうのですが
暗い舞台で拍子木が鳴り、照明がパッと着き、そこには出演者が総出で並びショーが始まるという幕開き。

和物のショーなので、男役、娘役 それぞれ華やかな桜柄の着物。
オリンピックに合わせて公開するはずだったこのショー。外人さん受けを狙って作った部分もあっただろうが、コロナ禍で公開が遅れて観客も日本人が大半になったとは思うが・・・ 魅せられました、こういう明るさってこのご時世に必要ですよ。

歌が入るのは最初の幕開け「welcome to 宝塚」ってテーマソングだけなんだけど、これはすぐ覚えられて口ずさめるのはいいけど、かなり昭和チックでこれ一曲でお腹いっぱい。
その後は雅楽とクラシックのアレンジで歌無しで展開ってのが舞台の絵に集中できてものすごく良かった。

特に良かったのが 男役二番手の月城さんの越天楽の舞。



確か先月、れいちゃんの少尉役をさんざんかっこいいと書きまくったが、2020年11月6日のブログ記事一覧-局の道楽日記この人の美貌もすごいですね。
れいちゃんはちょっと日本人(極論すれば人間)を超越して、例えばエリザベートのトートなんかをやらせたらひときわ映えると思うが、月城さんは人間役w、和モノの正統派イケメンにぴったり。端正って言葉がこんなに似合う人はいない!

次の雪の巻では 在籍64年!を経て退団する松本愁里さんの日舞がヴィヴァルディの四季の冬のアレンジの音楽で千本鳥居をバックに舞われる。道行を表しているのか相手役は孫の年齢?の男役たち。
女性が年上の舞台カップルって ワタシの観劇歴の中で印象深いものでは先代水谷八重子さんと孝雄だったころの仁左衛門さんカップル(作品は忘れた)とか 熊川哲也さんがロシアバレリーナのかな~りお年を召した方との共演とか 曾根崎心中を描いたフラメンコ作品もあったっけ・・・ と見ながら記憶がよみがえったが、女子って年をとっても恋をするときは女子で、相手の若さを吸い取るんだなwとつくづく思った。

ベートーヴェン月光の音楽での月の巻も舞台の構成が素晴らしい。ただ、ムスメ役トップさんがあまりに「私を見て見て」感が強く、違和感を感じた。彼女は次のミュージカルではとっても良かったのに、あまり和モノが合う人じゃないんじゃないかなあ。二番手ムスメの海乃さんの方が和モノでは上品に思えた。

花の巻で 鏡の前の人を演ずる月城さんにまた魅せられ

フィナーレの華やかさでマジにコロナを忘れる。
ああ、不要不急なものこそ文化なんですよね。
この劇場、入り口で一人一人体温を測り、消毒薬は自動で出てきて、もちろんマスク必須、客席でのおしゃべり禁止とかなり対策には気を配っている。どうか出演者に感染者がでませんように・・・



玉様監修って言っても、多分手取り足取りじゃないんだろうけど、その影響力が、舞台の位置取りとか扇の使い方とかに表れていて、とても新鮮だった。
基礎がすばらしいジェンヌであり、伝統も重ねた劇団において、今回の玉様みたいな人の影響っていうのが化学反応を起こして素晴らしい結果になるのを見て、ジェンヌのみなさんの可塑性ってものを思い知らされました。

客席で爆睡するくらいつまんなかったり、整合性がない脚本もあり、またこの展開?なんてショーもあるのがこの劇団。
今回みたいな天才の監修の作品をもっと作って欲しい。
このノリで鬼滅なんてやってくれないかな またはクドカンに脚本書いてもらうとか・・・

ミュージカルの方



こちらもすごく面白かった。

美園さんはこの役ではとってもキュートでした。発声もキャンキャン声じゃなくて大人っぽくてとても聞き良かった。
トップって(特に娘役) どこまで「私を見て見て」感を出すのか、難しいんだねと思った。




このショーもミュージカルも両方大満足。舞台友Nとも終わったとたんに
「いや~ ここまで両方良い!って言えるのって珍しいよね~」と意見が一致し、次は舞台全体見られる二階席でも見たいほど。
年明けまでやってるみたいなので、機会あったら絶対おすすめです。
コメント
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