★飛び込み記事です★
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■酒ずし
締めのお食事は、二品から選びます。
私は。鹿児島の武家料理ときく「酒ずし」をお願いしました。
お酒をかけて、時間をかけて発酵させる、馴れずしと、聞いていたので、ドキドキ。
おぅ、きれい。具材が賑やかです。
いわゆる清酒の匂いではやく、味醂に近づく、甘い香りがします。
馴れずしといっても、お米の粒はそのまま解れそうです。具材と飯の断面をみると、これは層状に挟んで、置く調理のように思います。馴れずしと押しずしの良いとこ取りのよう?(ニッコリ)
ケーキの断面を見ているように、かんじる、美しさです。武骨な料理と思っていた、さつま料理に、こんな可愛らしさがあるとは! 嬉しい驚きでした。
■さつま汁、香の物とあわせて、一揃い
酒ずしのお供。さつま汁は、昆布と白味噌仕立てでした。優しい繊細な味がします。
さつま揚げが入ってるのかな?と、浅はかな想像をしていたワタクシ、恥じ入りました(笑)。
酒ずしは、発酵樽を模したような木桶に盛られて供されました。
最初にみた、お品書きには、20人前ほどの木桶に詰められた、酒ずしを切り分ける写真がありました。
一人前のお膳には、それを模して、分けてあるのかと、思いました。
接写。甘い香りがします。酒匂さはないのですが、食すと、とっぷりと水気を内包した、飯の膨らみを感じます。
……これは、酔う量の酒を使っていて、お酢を使っていない……酒の抗菌作用を活かした、古人の知恵による調理と、思いました。
お正月の炊き合わせや、散らし寿司のように、具材は、個別に味付けされています。海老、椎茸、三葉、甘藷、白胡麻が、わかりました。
手間のかかった料理です。これは、何かの行事食ではないか?と、私は思いました。
★興味津々、後から、調べました(笑)。
お酒は、灰持酒(あくもちざけ)という、伝来の地酒を、使うとのこと。
いわゆる清酒では、飯になじまず、灰汁を醪に含ませて発酵させる地酒だからこそ、この酒ずしができるそうです。
灰持酒がもつ、味醂のような甘い香りが、私の感じた甘さだったのです。
[作る]
1)炊きたての白飯をおひつに敷き詰め、お米の半量の灰持酒を振りかけ、少し冷まします。
2)ついで、個別に煮炊きして冷ましてあった具材を載せ、飯を積み、灰持酒の残りを振りかけていきます。段々に積んで、層状に仕上げます。
3)そのまま、一昼夜おきます。
4)しゃもじを差し入れて、層がみえるように、切り分けて供します。
5)供する時に、お好みで、さらに灰持酒をかけるも、有り、とのこと(笑)。
具材は、一品づつ用意する。
海老や烏賊は、酒煮。椎茸は甘煮、三葉、山菜等は塩煮。木ノ芽、切り胡麻を用意する。
驚くほどの地酒の量(笑)と、手間!
酒ずしは、武家の女衆のお花見のご馳走だったと聞けば、頷けます。
人前で酒を嗜む姿は、武家の女性には許されないから、酔える寿司が、生まれたのでしょう。
その柔軟な発想、笑って許した薩摩の人々のおおらかさを、嬉しく思いました。(ニッコリ)
郷土料理を通して学ぶ、鹿児島の人々の豊かさでした。
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