
最終ミッションの心算で準備万端、翌日は降雨の予報を確認し、また腹をもくくって作業したのにウシガエルの腹さえ見る事は出来なかった。本当に本当に首を括って完了する予定だったのに…。
排水に1時間費やし、特製の鬼熊手でウシガエルのお肉まで突き刺す勢いで1時間、泥を搔き曳いてみたものの発見が出来なかったのだ。
泥中では呼吸もそうは続くまいと踏んだのだが、結局は小生の方が息切れし、踏んだり蹴ったりの目に遭わされてしまった。たかだかウシガエルと思っていたが、実態はヌシガエルに近づきつつある。
今回の水抜きでオタマジャクシが多数いる事が分かった。頭部が爪の大きさなのでヌマガエルやモリアオガエルとは思えない。これがウシガエルのオタマジャクシなら池を干し上げるしかないが、その前に成体だけは捕獲しておかなくてはならぬ。干し上げる途中で移動などされたら更に厄介だ。
作業に先立ち、放置したままの置き竿を回収したところ、一本だけ釣り針が無くなっている。テグスの先端はカールしているから強い力が加わったと推測した。次の作戦は、新たな置き竿とカニ籠にバッタを放ち、生き餌で誘惑する心算である。まあ、誘惑など苦手な田舎育ちなものでガールハントなど無経験、カエルハントが成功するかどうか分からない。
よって今夜から、コニーフランシスの「ボーイハント」を子守唄代わりイメージトレーニングしつつアドレナリンを蓄積する…。
まあ、世間は高齢者の恋愛花盛りと聞くが、小生の居場所は姥さえおらぬ「姥捨て山」で世間とは遠く、三途の河原の隣地だから、方向はだいぶ違って「捲土重来」適う訳もなし・・・。悔しいのは度重なる失敗に「ウシシ、ウシシ」とほくそ笑んでいるウシガエルがいる事だ。

