ウリパパの日記

自由気ままに・・・

東京都高等学校吹奏楽コンクール 2012.8.13

2012-08-13 22:14:59 | 音楽
八王子では最高気温が37.2℃まで上がる暑さの中、娘が出場する東京都高等学校吹奏楽コンクールの応援に府中の森芸術劇場へ行ってきました。昨年はB組に出場し「ラッキードラゴン~第5福竜丸の記憶~」でクランプリを獲得。でもA組は無念の予選敗退(ダメ金)でした。今年は2年生になってA組に出場して昨年の雪辱を晴らします。


娘の高校は、午前の部の最後の演奏となりました。課題曲はとても難しい曲です。1ヶ月前にもこの曲を聴いているのですが、よく分かりませんね。まあ成果が発揮できたかな?そして自由曲のローマの祭りは伸び伸びとした熱演。娘が入学してから何度かこの高校の演奏を聴いていますが、個人の技術はとても優秀ですが、全体のアンサンブルとなると全国レベルに手が届かない物足りなさをいつも感じていました。でも今年に入って変わってきたみたいです。今日の演奏は魂が入っていて、とても手ごたえを感じましたね。周囲の皆さんも今日一番の演奏と絶賛していたようですが・・・

結果は期待通り第一関門突破! 本選(東京都吹奏楽コンクール)への出場が決定しました。次回の本選は9月9日に昭和女子大学人見記念講堂で開催されます。今まで吹奏楽の甲子園として親しまれてきた普門館は、耐震検査の結果、大規模地震等において耐震上の問題があることが判明し急遽開催場所が変更になったそうです。

本選の前には、マーチングコンテストの予選(東京支部)が8月26日に有明コロシアムで開催されます。コンクールが終わって久しぶりに早く帰ってきた娘に聞いてみたところ、今年も夏休みは土日を含めて僅か3日間。来週からはマーチング大会へ向けてまた合宿があるようです。マーチングに吹奏楽に、まだまだ暑い夏が続きそうです。

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第4回八王子吹奏楽フェスタ 2012.7.21

2012-07-21 19:39:27 | 音楽
昨日からオホーツク海高気圧におおわれ、この時期としては異例の低温に見まわれています。今日の八王子の気温は最低が16.2℃、最高が21.1℃と10月並みの陽気で、今週火曜日に記録した37.5℃に比べて15℃以上も下がってしまいました。明日まではこの低温傾向が続きそうです。

さて、今日はオリンパスホールで第4回八王子吹奏楽フェスタが開催されました。12月に開催される八王子市内高等学校吹奏楽フェスティバルとは違い、このフェスタは市内の中学校が中心に参加する吹奏楽のイベントなのですが、娘の高校は毎年参加しているみたいです。今年も一番最後に演奏するので、15時頃からちょこっと見に行ってきました。


昨年4月にオープンしたオリンパスホールです。ここを訪れるのは娘の吹奏楽部が出演するイベントばかり(笑)。従って全て無料です。

今日の演奏はコンクールA組メンバーが出場します。2年生の娘も今年からA組です。演奏は夏のコンクールのリハーサルといった感じですが、昨年より格段に良かった印象ですね。最初の曲は旋律が無い無調音楽と呼ぶのでしょうか、聴いていて全く楽しくありませんが、よくあそこまで纏めたものです。さすが実力校。次のローマの祭りはこの高校にしては珍しく伸び伸びとした演奏。迫力満点ですが、もっと音楽のうねりを感じられるようになれば全国トップレベル間違いなし。これから夏の合宿で仕上げてくれば、昨年(ダメ金)のリベンジは確実。全国大会出場も夢ではありません。そして最後は部員全員が参加して恒例のかっぽれ(ねぶた)で、会場が盛り上りました。

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NEW YEAR ふれ愛コンサート

2012-01-14 17:49:04 | 音楽
2012年も2週間が過ぎました。娘は正月3日から毎日クラブ活動に明け暮れ、2週間の間に、全国高校バレーの入場行進(東京体育館)、アンサンブルコンテストの招待演奏(府中の森)、夢の架け橋コンサート(相模大野)、八王子市成人式(オリンパスホール)、そして今日のふれ愛コンサート(オリンパスホール)と本番イベントが続いています。あまりのハードスケジュールに今週ついにダウンして39度まで発熱したもののたった1日で回復。その翌日は早速クラブ活動で7時に集合と息をつく暇もありません。今日はオリンパスホールで開催された「ふれ愛コンサート」に参加するというので、午後から出かけてきました。

NEW YEAR ふれ愛コンサートは東京北ロータリークラブが主催し今年で10回目を迎えるそうです。今年のコンサートには啓明学園聖歌隊(ハンドベル演奏)、中央大学音楽研究会(混声合唱)、片倉高校(1,3年の部員参加)、八王子高校(1,2年部員参加)が参加し、どれも素晴らしいステージでした。


途中参加したため1,2階は既にほぼ満席。前半は3階のサイド席から鑑賞しました。3階前方までくると、舞台を見下ろす感じです。

休憩時間に席を移り、片倉高校と八王子高校の演奏は2階正面席から楽しませてもらいました。片倉高校は2年生が修学旅行中ということで1年と3年による演奏でしたが、いつものようにノリノリの舞台。特にAKB48を踊った片倉高校の男子部員に拍手です。八王子高校はプログラムを変更して正面からぶつけてきましたね。とても良かったです。「はちおうじくん」のぬいぐるみ入っているのは吹奏楽部員でしょうか。ナレーションの声が素晴らしい。プロ並みですね。後で娘に聞いてみよう。その前にクラリネット8重奏も褒めておかねば。。。

 
ふれ愛コンサートは「NPO法人八王子ワークセンター」とタイアップして、授産施設の障害者の方々が作られた作品が来場者にプレゼントされました。八王子市に69箇所の施設があるのですね。私も心暖まる素敵なプレゼントを頂きました。「かまどっちゃ」のクッキーと「うらら八日町工房」のロウソクです。ありがとうございます。ロビーにも「かてかてショップ」が出店されていました。「かてかて」は造語で、障害のある人もない人も混ぜ混ぜの社会を意味します。「かて」というのは八王子の方言で、混ぜご飯を意味する「かてめし」から来ているそうです。

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府中の森芸術劇場開館20周年記念どりーむコンサート

2011-11-23 21:09:34 | 音楽
今日の午後、府中の森芸術劇場で開催されたどりーむコンサートに母親と行ってきました。4回シリーズの第3弾は、大御所中村紘子を迎えて、小林研一郎指揮の日本フィルハーモニー交響楽団です。中村紘子の演奏は何度か聴いたことがあり想像つきますが、小林研一郎は初めての経験なので、期待に胸を膨らませて府中へ向かいました。

前半は中村紘子が主役。オーケストラを従えずに1人でステージに現われ、当日追加されたショパンのワルツ2番で幕開け。続いて、チャイコフスキー(ラフマニノフ編)のララバイ(子守唄)、ラフマニノフ「幻想的小品集」より第2番:前奏曲≪モスクワの鐘≫と独奏が続きます。モスクワの鐘はどんな曲だろうと楽しみにしていたところ、有名な24の前奏曲の第1番と同じ曲でした。

続いて小林研一郎と日本フィルハーモニーが舞台に登場しショパンのピアノ協奏曲第1番が演奏されましたが彼らは脇役。小林研一郎も遠慮がちに目立たずに指揮棒を振っている様子です。それにしても主役の中村紘子はものすごい貫禄。姿勢が良く、そして華のある演奏ですね。指が回らないところやミスタッチも芸術にしてしまうほどの圧倒的な存在感。2009年にデビュー50周年を迎えたというから、もう60才台の後半でしょう。巨匠といっても過言ではありません。リサイタルやオーケストラとの競演など意欲的な活動を行っているそうで、盛り上げ方を心得ています。

アンコールはショパンの子犬のワルツ。小林研一郎もオーケストラメンバー(バイオリン奏者)の椅子にちょこっと腰掛けて耳を傾けています。こちらも「私が中村紘子よっ!」という演奏でした。brava! 

後半はコバケンこと小林研一郎の本領発揮。ドヴォルザークの交響曲第8番です。前傾姿勢で腰をかがめ、エネルギッシュなタクトが圧巻。日本フィルもそれに応えた凄まじいドヴォルザークです。私はコバケンの生演奏を始めて聞きましたが感激しますね。タクトに操られ引き出されるボヘミアの音楽は激しいだけでなく、例えば4楽章の冒頭でファンファーレに続いてチェロが第1楽章の主題を奏でるところなど、音色の美しさとうねりに圧倒されます。フルートやオーボエのソロも聞かせてくれました。

のどかなボヘミア風情を感じさせてくれたドヴォルザークの演奏に続いて、小林研一郎が舞台で語り始めました。府中の森芸術劇場が20年前に開館した際、今日と同じメンバー(中村紘子、小林研一郎+日本フィル)で演奏を行ったそうです。30周年も同じメンバーで演奏したいと言って会場を沸かせていました。そしてアンコールはブラームスのハンガリー舞曲1番。大音量がホールに響き渡り再び大喝采。

さらに、コンサートマスターの木野雅之さんからプレゼントがあるとのことで、コンマスを除きオーケストラのメンバー全員が退席。そして再びグランドピアノが舞台中央に移動されて、次のアンコール曲、モンティの「チャルダッシュ」が小林研一郎の伴奏により演奏されました。ハンガリーの民族舞曲ですね。端正で素敵なチャルダッシュでした。

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NHK音楽祭2011 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

2011-10-03 23:38:26 | 音楽
今年もNHK音楽祭が始まりました。今年のテーマは「華麗なるピアニストたちの競演」です。早速、第1夜の演奏会を聞きに行ってきました。今日のオーケストラはローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団です。イタリアにはスカラ座やボローニャオペラ等、オペラハウス専属のオーケストラがたくさんありますが、聖チェチーリア音楽院管弦楽団は管弦楽が主役です。創立は1908年でイタリアで最も古い伝統をもつシンフォニーオーケストラです。さすがにイタリアのオケ!歌いに歌います。弦楽の響きと厚みが印象的で特に中高温の響きが素晴らしい。歯切れもよく、わくわくしてくる音楽ですね。楽団員が楽しそう演奏しているのも印象的。まるでイタリアオペラをきいているかのように個性がぶつかりあう中でも、アントニオ・パッパーノのタクトで巧みにまとめあげられているそんな印象。リストもチャイコフスキーも重厚さは控えめでどうしても南欧的な明るさが滲み出てきますね。

最初の歌劇<アイーダ>シンフォニアは初めて聞きました。アイーダと祭司のモチーフ、そして後半はアムネリスのモチーフがぶつかり合った交響詩といった印象。僅か10分程度の曲ですがオペラを聞き終わったような充実感。さすがイタリアのオケ。いきなりブラボーです。

続いてはボリス・ベレゾフスキーをソリストに迎えてリストのピアノ協奏曲1番。ベレゾフスキは諏訪内晶子がチャイコフスキーコンクールで優勝した1990年にピアノ部門で優勝したロシアのピアニストです。現在は42才の中堅ですが、とても歯切れのよい演奏をします。バリバリの技巧派ですが音色も繊細で美しい。このオケとは相性がよさそうで、若々しくて明るくリズミカルなリストでした。終楽章のクライマックスはテンポがますます上がり、びっくりしている間に終わってしまった印象。リストが聞いたら技巧の完璧さに驚くのではないでしょうか。あまりにも早く終わってしまった?のでアンコールが2曲。サン・サーンス/ゴドスフキーの「白鳥」とチャイコフスキー四季より「10月 秋の歌」。こちらはしんみりと聞かせてくれました。ベレゾフスキーは初めて聞きましたが期待以上。こんどはリサイタルを聞いてみたいですね。

さて後半はチャイコフスキーの「悲愴」。出だしは何かしっくりこなかったのは、このオケは繊細な音楽づくりが苦手なのかもしれませんね。でもすぐに持ち直し、3楽章は本領発揮、そのままアダージョに突入というかところで・・・
誰だ!拍手したのは! 熱狂的な3楽章の演奏に興奮して思わず、、、なのでしょうね。

アンコールは2曲。いずれもイタリアものです。プッチーニ「マノンレスコー」から間奏曲、そしてポンキエッリの「ジョコンダ」から「時の踊り」。いずれも本領発揮ですね。マノンレスコーの弦の響きに感激。そして時の踊りでは、団員全員が歌っているのがよくわかります。最後列のおじさん(パートは控えます)。のり過ぎですよ・・・
もう拍手大喝采です。

歌うオーケストラと立役者であるアントニオ・パッパーノにブラボー。ボリス・ベレゾフスキーも良かったです。久しぶりに楽しい一夜でした。

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府中の森芸術劇場 フレッシュ名曲コンサート

2011-09-23 21:53:12 | 音楽
久しぶりに音楽会へ行ってきました。母親が府中の森芸術劇場のドリームコンサートの4公演セット券を購入していて、今日はお誘いがありました。お彼岸の中日でいつも一緒に行っている伯母が行けなくなったためピンチヒッターです。

府中の森には娘の吹奏楽イベントで行く機会が多いのですが、本格的な音楽会は久しぶりです。曲目は前半がチャイコフスキーのバイオリン協奏曲、後半はマーラーの交響曲1番「巨人」です。オーケストラは日本フィル。このオケを聞いたのは何年ぶりでしょうか。纏まっていて安心して聞いていられますが、可もなく不可もなしといったところ。印象に残るような個性を感じられません。でもオーボエやフルートのソロがうまかった。マーラーの音楽は苦手で良く分からないのでコメントは差し控えますが、今一つだったかな?

指揮は金聖響。初めて聞きました。堅実な音楽作りですが、結構いい音を引き出しています。2階席で見たので指揮振りが良く見えました。流れるようでかつ切れ味もあります。絵になる指揮者ですが、誰かに似ています。家に帰りふと思い出したのですが、音楽作りは全く異なりますが、シャルル・デュトワに似ているのです。

さて、前半のヴァイオリンのソリストは、高校生の山根一仁さん。中学生のときに日本音楽コンクールで頂点に立ち、今年4月から桐朋女子高等学校音楽家(共学)に特待生として入学したそうです(何と娘と同学年!)

エネルギッシュでとても歯切れの良いチャイコフスキーです。技巧的にも素晴らしく演奏が終わると盛大で暖かい拍手にブラボーも混じっていました。音色が美しいですね。今後、齢を重ねれば音楽的にも厚みが増して、深い音色を聞かせてくれると思います。

アンコールはクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ」。じっくりと聴かせてくれました。とても将来が楽しみですね。

後半はマーラー。私が苦手な作曲家です。長くて退屈という先入観があり、全く演奏会で聞いたことがありませんでした。実際に聞いてみると、美しい旋律が散りばめられているのですが、うーん・・・やはり長い。各楽章共に終わりそうで終わらない。

前半のチャイコフスキーは是非もう一度聞いてみたいですが、マーラーは結構ですね(笑)。後半は何となく印象に残らない、魅力に欠ける演奏だったからかもしれません。

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ジョイントコンサート

2009-11-01 17:50:09 | 音楽
娘が所属する陵南中学校吹奏楽部のジョイントコンサートが開催されました。今年のジョイント校は、東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部と全国でもトップレベルの有名校です。地元の東浅川小学校合唱団もゲスト出演し、素晴らしい演奏会になりました。


娘の中学校は、残念ながら今年の東京都コンクールで金賞を逸してしまいました。全国レベルの高校の演奏を間近に聴いたりジョイント演奏したりして、来年へ向けて良い刺激になったものと思います。

東海大学付属高輪台高等学の演奏は、迫力と大きなうねりで迫ってきます。しかも個人の演奏スキルが高いため、安心して聴いていられます。さらに指揮の畠田先生はじめ皆さん歌って、踊って大変盛り上がりました。でも踊りに関しては、娘の中学のほうが上かな?

ソロを演奏し突然スピーチまで求められたクラリネットの女の子、"ヤングマン"を踊った皆さん、"みちのく一人旅"を歌った男の子、ご苦労さまでした。みちのく一人旅はとても難しい歌なのです。"また逢う日まで"は畠田先生が自ら歌いました。

ジョイントコンサートの様子は下記HP(学校日記)で早速紹介されています。
http://hachioji-school.ed.jp/rynnj/
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府中の森どりーむコンサート

2009-09-22 22:21:52 | 音楽
今日の午後、府中の森芸術劇場で開催されたドリームコンサートへ行ってきました。芸術の森の会員になっている母親の都合が悪くなったためで、先週土曜日に続きピンチヒッターでのコンサート鑑賞です。

府中の森が主催する東京交響楽団が贈るシンフォニーの祭典シリーズ。今回は世界的にも有名な広上淳一が指揮しました。私は広上さんの指揮を生演奏で聞くのは初めてです。非常に小柄で指揮台に立っても周囲の楽団員より背が低いのには驚きましたが、広上さんが創り出す音楽はとてもスケールが大きい。指揮台で飛び跳ね、踊り、ダイナミックな身振りで東京交響楽団から魅力的な音楽を引き出していました。そして息の音が2階席でもはっきりと聞き取れました。慣れないうちは何の音だろう?と少し耳障りでしたが・・・

前半はシベリウスの作品。最初のカレリア組曲(Op.11)は初めて聞きました。出だしは緊張のせいか管楽器を中心に大いに不満が残りましたが、第3曲でやっと東京交響楽団の本領発揮。あッ、この曲。昔、NHKの名曲アルバムで聞いたことのある馴染みのメロディーが出てきました。

続いてはヴァイオリンの川畠成道を迎えてシベリウスのヴァイオリン協奏曲です。川畠さんは子供時代に患った身体的なハンディキャップを克服し、国際的に活躍している演奏家です。音色が素敵で、1幕のカデンツァが印象に残っています。広上さんの音楽作りでしょうか、北欧の重々しい雰囲気というよりは透明感ある曲に仕上がっていました。

前半のアンコールは川畠さんの独奏で、イザイの「無伴奏バイオリンソナタ第3番バラード」。これが本日一番素晴らしかった。決して派手さはありませんが、内面から湧き出てくる音楽に心打たれました。

休憩を挟み、後半はシューベルトの交響曲第7番「未完成」。広上さんの変幻自在なタクトから壮大な響きが奏でられ、これが広上ワールドか・・・と実感。最後に「未完成は短いのでもう一曲」と広上さん自身からコメントがあり、アンコールは同じくシューベルトのロザムンデ間奏曲。表現豊かな演奏で締めくくりました。

シベリウスとシューベルト。珍しい組み合わせですが、なかなか充実した公演でした。お客さんも8~9割埋まっていて、皆さん満足した様子で会場を後にしていました。
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N響定期公演 ホグウッドのメンデルスゾーン

2009-09-19 22:45:52 | 音楽
シルバーウイーク初日。心配された台風の影響も無く、娘が通う中学校の体育大会は無事に終了しました。そして夕方から第1653回N響定期公演(Aプロ)を聴きに行ってきました。先週のNHK音楽祭に続き2週連続のNHKホールですが、今回は、海外旅行のために行けなくなった義父からチケットを頂いたのです。

演目は今年で生誕200年を迎えるメンデルスゾーン。前半は序曲「フィンガルの洞窟」作品26(ローマ稿)とヴァイオリン協奏曲作品64(初稿)、後半は交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」。いずれも生で聴くのは初めてです。



指揮者のクリストファー・ホグウッドはN響初登場。もともとチェバロ奏者で音楽学者でもありますが、指揮ぶりはとても軽快。力強さも兼ね備えN響が見事に応えていました。メンデルスゾーンの音楽を演奏会で聴く機会はなかなかありませんが、甘美な旋律が次から次へと続いて飽きることがありません。今日のN響は弦楽器に厚みが感じられ管とのバランスが素晴らしかった。特にスコットランドの第3楽章(アダージョ)の美しい旋律と第4楽章のフィナーレにかけての盛り上がり、そして最後の金管が印象に残っています。

前半に登場したヴァイオリンのダニエル・ホープは1974年生まれ。卓越したテクニックに加え、情熱的というよりは理性的な演奏で聴衆を釘付けにするバイオリニストですね。ソロの部分で、聞き慣れた高音の旋律ではなく控えめな低音の旋律が時々聞こえてきましたが、普段耳にする「最終稿」と今回の「初稿」の違いなのでしょうか・・・
まあ、専門的なことはどうでもよく、鳥肌がたつほど素晴らしいヴァイオリン協奏曲でした。そして鳴り止まぬ拍手に応え、アンコールでラベルの「カディッシュ」が独奏で演奏されました。ダニエル・ホープさん、日本語で説明してましたね。
 
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NHK音楽祭2009 スカラ座のレクイエム

2009-09-10 23:40:45 | 音楽
今年もNHK音楽祭が開幕しました。ミラノ・スカラ座の「レクイエム」を聴きに夕方からNHKホールへ行ってきました。

スカラ座のレクイエムといえば、第1回(1981年)の来日公演時にTV放映され、ブラウン管を通して合唱団の素晴らしさに圧倒され衝撃をうけた記憶が鮮明に残っています(指揮はアバド)。それから約30年、念願であったスカラ座のレクイエムを生演奏で聴くことができました。

本日登場したスカラ座合唱団は総勢105人。舞台に5列に並ぶとそれだけで迫力を感じます。オーケストラと奏でる躍動感と力強さもさる事ながら、アカペラのハーモニーが素晴らしい。特にアニュス・デイや最後のリベラ・メは、金縛り状態のまま別世界に誘い込まれていきそう。うーん、さすが世界NO1の合唱団です。

ソリストではバルバラ・フリットリが圧倒的に良かった。透明感溢れる高音にうっとりです。バスのルネ・パーペは低音をしっかり支えていましたが、ややセーブ気味。ワーグナーで見せるような威圧感は無かったな・・・フりットリとは対照的に譜面を追っていたので、レクイエムはあまり経験無いのかもしれません。あるいはドン・カルロ公演のフィリッポ二世を5回共歌うようなので、体力温存しているかも。テノールのヨハン・ポータ、そして急遽代役で呼ばれたメゾソプラノのエカテリーナ・グバノワも良かったですよ。

バレンボイムはバリバリのワーグナー指揮者なので、どのようにヴェルディーの音楽を奏でるのか楽しみにしていましたが、あまり違和感ありませんでした。オーケストラのミラノ・スカラ座管弦楽団のほうは・・・超一流ではありませんね。

音楽祭2009のテーマは、”オーケストラが奏でる故郷の名曲”ですが、今日に限れば主役は合唱団とソリストでした。


ところで開演前に音楽評論家の奥田佳道さんのプレトークが15分ほどありました。スカラ座は今まで35ヶ国、655回もの海外公演を行い、7月にはイスラエルのテルアビブでレクイエムとアイーダの公演を行ったそうです。
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第1641回N響定期公演 ドヴォルジャーク

2009-02-14 18:44:04 | 音楽
昨日は早く仕事を終わらせ、N響定期公演(Cプロ)に行ってきました。曲目はドヴォルジャークのチェロ協奏曲 ロ短調と交響曲第9番「新世界から」。平日夜のN響定期公演は比較的空席があり狙い目です。指定席も残っていたのですが、不況の折、給与カットも考慮して1500円の当日券を購入しました。今回は急にドヴォルジャークを聴きたくなっただけなので、ステージから遠くても、まあ我慢するかということで・・・


私はチェロ協奏曲の生演奏に初めて接しました。何と美しく感動的なドヴォルジャークなのでしょう!チェロのミクローシュ・ペレーニ。初めて知りましたが、派手な身振りは無いものの、温かみがあって深い音色と共に音楽が心に語りかけてくる・・・そんな感じの演奏でした。2楽章は情感溢れ、チェロでもバイオリンのように繊細な音色が出るのですね。一方のN響はやや控えめな印象を受けましたが、巨匠の音楽に耳を傾けつつ伴奏しているという感じで、指揮者がうまくコントロールしていました。

アンコールはJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第6番より「サラバンド」。一切の飾り気を排除し、でも情感に満ちた音楽。弦楽器は素人で分からないのですが、もしかしたら物凄い技術に裏付けられた音楽家なのかもしれません。終演後は本当に大きな拍手が沸きあがりました。チェロがこんなに素晴らしいのであれば、もっと前のほうで聴いてみたかった・・・

後半の新世界は一転して情熱的なドボルジャーク。指揮者のカルロ・リッツィはオペラで活躍するだけあってオケの鳴らし方や曲の盛り上げ方が巧い。N響も若い指揮者に余裕で応えていました。弦楽器の厚みに加え、金管楽器の響きがすばらしかった。巨大なNHKホールの最後部から2列目(3階C12列)で聞きましたが大迫力でした。

N響のドボルザークに大満足。仕事を忘れ、幸せなひと時を過ごせました。

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ラン・ラン ピアノリサイタル

2009-01-24 23:12:53 | 音楽
ラン・ランのコンサート(夜の部)にサントリーホールまで行ってきました。ランランさんは世界的に知られた中国出身の人気NO1若手ピアニスト。3年くらい前にBS2で放送されたベルリン・フィルのピクニックコンサート、サイモン・ラトル指揮のチャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番に私は衝撃を受けました。当時は20歳そこそこだったように記憶しています。最近では、北京オリンピックの開会式でもピアノを弾いていました。

本日の演奏も魅力タップリ。超人的な技巧とエネルギーで圧倒したかと思えば、一転して弱音では透明感溢れる繊細な響き。表情も豊かで会場が一体となって盛り上がりました。公演プログラムの表現を借りると「スケールの大きいキャラクタ」。でも思ったより小柄で、ビアノの上に置かれたタオルで時々汗を拭いていました。終演後の鳴り止まぬ拍手に対し、タオルに感謝する仕草など茶目っ気もあります。

前半の演奏曲は

  ・モーツァルト  ピアノ・ソナタ 第13番 
  ・シューマン   幻想曲 ハ長調 op.17

モーツァルトはピアノ経験者であれば馴染みの曲。情感豊かに、そして楽しみまくって弾くモーツアルトに最初からノックアウト。演奏終了後は、ため息、そして会場内にどよめき・・・一転してシューマンは情熱的です。左足を踏んでリズムをとるダイナミックな1、2楽章の演奏と3楽章の恍惚感溢れる表情が対象的。そして深い余韻を残したエンディング。1楽章終了後にいきなりタオルで顔を拭いた時にはビックリでしたが、3楽章終了後は聴衆も心得たもので、タオルで顔を拭くのを待ってから割れんばかりの拍手。仕草もエンターテインメントになってしまう恐るべしランラン。

後半の演奏曲は
 ・中国の作品   「ドラゴン・ソング」より 5曲
 ・グラナドス   ピアノ組曲「ゴイェスカス」 H.64から第1曲「愛のことば」
 ・リスト      ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」からイゾルデの愛の死
 ・リスト      ハンガリー狂詩曲 第6番 変ニ長調  
 
まずは中国の作品。どの曲も同じ東洋人である我々に馴染みやすい旋律です。第1曲の「平湖秋月」を終えた後にランランさんから曲の紹介が英語でありました。私は3曲目「春舞」、別名チャイニーズ・タンゴ(ランランさん紹介)が印象に残っています。タンゴ、演歌、ジプシー、アラビア風など様々な旋律が現れる楽しい曲でした。最後の「翻身的日子」のエンディングは超ド派手。板胡と中国楽器向けの協奏曲をビアノ独奏用にアレンジしたらしく、パワフルで躍動感溢れるエンディング後は大喝采でした。
続いて、グラナドスとリスト。曲が進むにつれ鳥肌がたつほどの魔術に引き込まれ、コメントの言葉が思い浮かびません。ワーグナが好きだからという単純な理由かもしれませんがイゾルデの死が一番良かった。この一曲だけでもランランを聴きに来た価値がありましたよ~ ピアノでここまで陶酔させてくれるとは・・・
最後のハンガリー狂詩曲は一転して躍動感に溢れ、両足でリズムをとり椅子の上で飛びはねるほどのエネルギッシュな演奏。終演後は熱狂に包まれスタンディングオベーション。

ランランさん、さすがに疲れきった様子でしたが、アンコールはリストの愛の夢3番。美しい旋律を聞かせてくれました。

いや~凄いピアニストがいるものです。この先、表現に一層の円熟味が加わると、楽しみですね。明日(1/25)の演奏会が急遽本日の午後に変更となったらしく、今日は昼と夜の2回の公演をこなしたそうです。演奏終了後はさすがに疲れた様子でした。

ところで会場には有名人がちらほら。なかでもブルーの衣装の超有名人がひと際目立っていました。最後はスタンディングオベーション、そしてランランさんに客席から花束を手渡してました・・・
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今年もニューイヤーコンサート

2009-01-05 21:13:07 | 音楽
お正月に生中継される二つのニューイヤーコンサート。今年も見ました。おせち料理の栗きんとんと伊達巻のように、我が家(私個人?)のお正月には欠かせないものです。

まずは元旦夜にウイーンから生中継されるウイーンフィル・ニューイヤーコンサート。今年は私のお気に入りのダニエル・バレンボイムさんが初登場です。ワーグナー指揮者がシュトラウスのワルツやポルカをどのように料理するか、期待と不安の思いでテレビに釘付けとなりました。

昨年ジョルジュ・プレートルさんが醸し出したフランス風の洒落た雰囲気とは対照的に、重厚なヨハン・シュトラウス。2幕冒頭の喜歌劇序曲あたりはさすがにオペラ指揮者の本領発揮でしたが、全体的には音楽面で個性を抑えていたかな?という印象でした。一方演技はオーバーアクション気味で、さすがラテン系の乗り!(バレンボイムさんはアルゼンチン生まれです)。特にハイドン没後200年を記念して選曲された交響曲45番「告別」は音楽・演出共に楽しめました。

恒例となった「美しく青きドナウ」を中断しての舞台上挨拶では「2009年が平和な年となり、中東に人類の正義が訪れることを望みます」と中東和平を呼びかけました。ユダヤ人のバレンボイムさんはウェスト=イースタン・ディヴァンオーケストラを始めとした各種音楽活動を通してユダヤ・イスラムの文化交流に尽力しているだけあり、同時通訳を通して心のこもったメッセージが伝わってきました。残念なことに昨年末のガザ空爆に続き、昨日からイスラエル軍が地上侵略を始めてしまいました。バレンボイムさんの願いが何とか中東に届いて欲しいところです。

一方のウイーンフィルですが、ニューイヤーコンサートのヨハン・シュトラウスはいつも安心して聴いてられます。今年はライナー・キュッヘルさんの横に女性奏者が座っていたのが印象に残っています。ウィンナワルツを踊る子供達のバレエも天使にように可愛いかったですね・・・


至福のひと時を過ごした元旦に続き、3日の夜はNHKニューイヤーオペラコンサートです。前半ではドボルザークの「ルサルカ」を歌った佐々木典子さんが良く、表現力が素晴らしかった。そして驚いたのは、ワルキューレ”第1幕から幕切れの2重唱。私の記憶では今までワーグナーのニーベルングの指輪が取り上げられたことが無かっただけに、正月早々お気に入りの場面が聞けただけでも幸せ。ジークムントの成田勝美さん、ジークリンデの横山恵子さん熱唱でした。横山さんは初めて聴きましたが、中音から高音まで広い音域で力強い歌唱。ワーグナーの音楽を十分に堪能しました。

後半では、道化師から「衣装をつけろ」を歌った福井敬さん、そしてトスカから「星はきらめき」を歌った佐野成宏さんが素晴らしかった。最後に「蝶々夫人」を歌った大村博美さんは、3年前に新国立劇場の「ドン・カルロ」でエリザベッタを演じた時に比べて格段に風格が出てきました。今後の更なる飛躍が楽しみです。
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ハイドシェック ピアノリサイタル

2008-06-07 13:38:19 | 音楽
昨日、エリック・ハイドシェックのベートーベンピアノリサイタルを聴いてきました。ハイドシェックはフランス人、しかもコルトーに指導をうけベートーベンが得意・・・期待できそう。でも今年で72歳。年齢的に大丈夫かな?と期待と不安が錯綜する中、サントリーホールへ向かいました。結果は大満足。非常に個性的で音の魔術師といった印象でしょうか。人間味に溢れ心が洗われる一夜でした。でも惜しいかな、10年前に聴いておきたかった・・・
 
まずは演奏スタイル。パンフレットに紹介されていたようにペダルを駆使して一音一音を丁寧に聴かせます。座席は前から3列目の正面やや左側なので、指の動きは見えないかわりに足の動きが良く分かりました。右足も左足もフル回転。音色は決して濁らずこもらず、繊細かつ鮮明なメロディが心に響き渡ります。一音一音の強弱を意識的に大きく変化させているようです。

でも、伝統的なベートーベンの演奏法ではありません。ドビュッシー風?シューマン風? いやっ、ハイドシェック風と称しましょう。テンポの取り方に特徴があります。最初は聴いてビックリ。おっとっとっ・・・という感じでしたが、耳が慣れてくると左手と右手のタイミングを微妙にずらし自然に聴かせていることが分かりました。それも決して意図的ではなくごく自然に、まさに巨匠ならではの至芸です。

曲は4つ。前半は「ピアノソナタ8番(悲愴)」と「自作の主題による6つの変奏曲」。後半は「6つのバガデル」と「ピアノソナタ31番」。いずれもベートーベンです。個人的には最初に弾いた悲愴が素晴らしかった。最初は演奏法に慣れずに戸惑ったものの、2楽章~3楽章にかけての音色の美しさに会場全体が酔いしれています。昔、自分でも練習していた曲なので身近に感じたせいかもしれません。聴いていると自然と指が動いてしまいますね。でも3楽章の最後はちょっと違うなという印象。次の2曲は、個人的に馴染みがない曲ですが、ハイドシェックの世界に浸ることができました。一音一音に緊張感がみなぎり、魂を込めて音を鳴らしています。

そして最後のピアノソナタ31番は大曲。疲れているのでは?という不安が的中しました。2楽章の途中、Des-durに転調して暫くしたところで、一瞬音が止まり弾き直してしまいました。でもご愛嬌です。その後の3楽章が素敵だったので。演奏終了後は割れんばかりに暖かい拍手。どの曲も心暖まる演奏で70歳を越えているとは思えないテクニックと魔法の音を堪能しました。

さすがにアンコールは無いだろうと思ったら何と7曲も!1曲は失敗しましたが・・・
まずはモーツアルト「ピアノソナタ2番(2楽章)」とシューマンの「トロイメライ」、そしてドビュッシーの子供の領分より「子守唄」。涙が出るほど美しい。そして、自作の作品(ドビュッシー風とか説明していました)。ところが、途中で忘れて頭を抱えてしまいました。本人はショックを隠しきれない様子でしたが、会場からはまたしても暖かい拍手。悩んだ挙句、弾き始めたバッハ(コンツェルト)の素敵なこと。こんなにサービスしてくれなくても良いのに・・・続いてドビュッシーの「小さな羊飼い」。これは”ドビュッシーオリジナル”との本人コメントで会場の笑いを誘っていました。全てが演出されていたようにも思えてきました。そして最後はシューマンの「子供の情景」から。お疲れさまでした。曲を引き直したり、忘れて止めたり、プロのコンサートで始めての経験でしたが、それが自然と受けとめられ、10倍以上のお釣りがくるほど素敵な一夜でした。ありがとう。ハイドシェックさん!
コメント (8)
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N響定期公演(Cプロ)

2008-05-17 15:03:08 | 音楽
昨日都心へ出かける機会があり、当日券を購入してNHK交響楽団の定期演奏会(5月公演Cプログラム)聞いてきました。金曜日とはいえさすがに平日で、空席がかなり目立ちます。座席は舞台向かって左側の前から9列目。少々前過ぎましたが、ピアニストの右手の動きやN響団員の表情がよく見えました。

最近オペラ公演にはちょくちょく出かけるのですが、オーケストラの演奏会は5年ぶりです。NHKホールは外来オペラ公演で時々来ていますが、その時のワクワクする雰囲気とは異なりアットホームな印象でした。観客には定期会員になられているお年寄りの方が目立ち、その影響かもれません。

さて前半はブルーノ・レオナルド・ゲルバーを迎えてのベートーベンピアノ協奏曲3番。ゲルバーは小児麻痺を乗り越えベートーベン弾きとして世界的に活躍し、日本にも度々訪れていますが、私は始めてその生演奏に接しました。1941年生まれなので今年でもう67歳。もう中堅ではなく巨匠という年齢ですが、確かにステージに現れたときはその貫禄に圧倒されます。そして物凄いメタボです。丸いお腹に腕がつっかかってしまうのではと真面目に心配しましたが、それも杞憂に終わりました。やや遅めのテンポ?で余裕たっぷりに奏でられる音色、特に弱音の響きは決してロマンチックになりすぎず、でも心に深く響いてきます。1楽章のカデンツアや3楽章など、決して重厚にならず、でもベートーベンらしさに溢れています。”ハラハラドキドキ” がなくちょっと物足りないかも知れませんが、安心して聴けるベートーベン。久しぶりの体験でした。逆にN響のほうが緊張気味?で心配になってしまうほどで、ゲルバーも少し物足りなかったのでは?ゲルバーさんは、さかんに指揮者の尾高さんにメッセージを送っていたように感じました。終演後の観客の反応はそれほど熱狂的ではありませんが、私は満足しました。今、ゲルバーさんは全国ツアー中のようなので、機会があればピアノソナタ(勿論ベートーベン)を聴いてみたいです。

休憩後の後半はエルガーの交響曲第一番。指揮者尾高忠明の本領発揮です。あのエネルギッシュな指揮振りも健在で、N響ものびのびとした演奏でした。私はエルガーという作曲家を詳しく知らなかったのですが、昨年生誕150年をむかえイギリスでは熱狂的なイベントが続いたようです。そして今年はこの曲が作曲されて100年目。つまり20世紀初頭の音楽なのですね。かなり玄人好みの大作らしいのでうが、一言で表すと、ブラームス作曲、スメタナ編曲「スターウオーズ」という印象です。
第1楽章(アンダンテ)は勇壮な旋律と解説にはありますが、私には退屈。このまま50分も耐えられるかなと不安になりましたが、第2楽章(アレグロ・モルト)に入ると突然眠気が吹っ飛びました。解説書の表現 「まるで、ジョン・ウイリアムスを先取りしたかのような映画音楽に出てくる行進曲風のメロデイ」。まさに!ブラームスだけなくモチーフの使い方にはワーグナーを連想させます。そしていつの間にか第2から、第3、第4楽章へ。私には楽章の切れ目が分かりませんでした。第4楽章ではスメタナの連作交響詩(わが祖国)を思わせるボヘミアの香りが漂ってきます。終わりそうでなかなか終わらないクライマックス。そして、威風堂々を思わせる最後。ここへ来て、ああ、これこそエルガーだ!といった感じでした。終演後は拍手喝采。楽団員も足をバタバタ。N響の皆さんも満足のいく演奏だったのではないでしょうか。疲れきったせいかアンコールはありませんでした。

私はエドワード・エルガーを演奏会で始めて聴いたのですが、安心して聴ける作曲家ですね。でも主題がしつこく繰り返される割には印象に残らない旋律。やはり超有名な威風堂々第一番のイメージが強すぎるのでしょう。
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