発達中の低気圧が日本列島を通過中です。南から暖かく湿った空気が入り、春の嵐となっています。桜前線は関東地方北部に達し、昨日は宇都宮と水戸でソメイヨシノが開花しました。いずれも昨年よりも1日早くなっています。
昨年に続いて今年も極端に早い春の訪れです。ソメイヨシノといえば、子供の頃は始業式のタイミングで咲き始めたように記憶してますが、近年では終業式どころか彼岸中に開花する年も多く、すっかり季節感がずれてしまいました。特に昨年、今年と2年連続で異常に早い春が続いています。過去のブログの記事を調べたところ、1960年以降のソメイヨシノの開花日を東京靖国神社と八王子市役所(昔は冨士森公園)で比較した結果を2009年に紹介していたので、12年ぶりに更新してみました。
2009年の記事に記載した通り、八王子では1985年頃までは4/5以降に開花する年が多く、3月末まで雪が消えない大寒冬となった1984年は開花日が4/14となっています。1990年頃から開花日が年々早まり、3月を中心に記録的な暖かさとなった2002年は1984年に比べて実に1ヶ月も早い3/15に開花(横浜と並び全国で一番早く開花)、昨年と今年の3/16はそれに続く記録となっています。東京でも2年続けて最早の3/14に開花しています。
東京と八王子の開花日を10年平均値で比較してみました。気象庁の集計は2001年~2010年で区切っていますが、本集計は2000年~2009年を 2000年代と定義しています。1980年代以前と比較すると、2000年以降は東京、八王子共に1週間以上開花が早まり、昨年と今年は半月も早くなっていることがわかります。昨年、今年の2月の平均気温は1980年以前の3月の気温に相当するため、春の暖かさが直接の原因です。さらに温暖化が進むと、いずれは2月中に開花と考えてしまいます。しかし、これ以上冬が暖かくなると、真冬に休眠打破を経験しなくなるため花の目覚めが悪くなり、逆に開花が遅くなることが予想されます。さて、来年の春はどうなるでしょうか・・・