水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

サヨナラサヨナラ

2010年04月02日 | 日々のあれこれ
 竹仲絵里さんは、せつない歌い手さんだ。
「サヨナラサヨナラ」を聴き始めると、別れをむかえた恋人どうしの光景が目にうかび、泣けてくる。というか、別れを告げられた女の子の気持ちに入ってしまってせつなくなる。
 別れ話を切り出されそうな雰囲気を感じ、明るく振る舞ってみたものの、でも彼の気持ちに気づいてしまう瞬間の描写。

 ~ 街外れの観覧車から あなたと見下ろす夕枯れの街が好きで
   はしゃいで揺られて バランス崩して しがみついて
   気づいたの アクリルの窓に映り込む あなたの遠い瞳 

  「ねえ見てた?となりのゴンドラでキスしてたよ」
   せがんだわけじゃ無いけど どうして今日は手も握らないの?
   何度も言いかけては飲み込んだ言葉が 何かはもう分かってた
   でもずっと側にいたいって お願い一人にしないでって
   祈るように笑ってみる 私につぶやいたあなたの答えは ~

 ほんとに、こんなに情景が目に浮かぶ曲も珍しいと思うほどだ。
 でも、この流れで「サヨナラ」なんて直接的に言う男じゃだめだよ。
 さよならしな。おじさんのとこおいで、なぐさめてあげるから。
 
  ~ ねえ、きいて? もうなんでも一人でやれるのよ
   ストーブのオイルだって こぼさないで上手にできるわ ~

という二番の歌詞をきいて、水谷豊の「レモンティーで乾杯」を思い出した。

  ~ ぼくがいなけりゃ、地下鉄の乗り換えさえも とまどう君が
    見知らぬ愛の乗客に 想像さえもつかない話 ~

 男は頼られることを好む(もちろん「誰に」に大きく左右はされるが)。
 女は頼ることを好むのではなく、頼られていると思っている男を見ることを好む。
 ストーブにオイルは入れられるし、地下鉄の乗り換えだってできないことはないのだ、ほんとうは。
 でも、ちょっと甘えたくて、甘えてあげたくて、そんなふるまいをする。
 ぶっちゃけ男は何歳になっても根っこはチョロい少年のままなので、「しょうがないな、おまえは」って言ってしまうものなのです。
 ストーブのオイルを自分でいれたとき、心の準備はできてたんじゃないかな。
 この曲、名曲です。
 竹仲絵里さん、どえらいべっぴんでんですわ。


コメント (2)
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