水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

アンビバレント

2010年04月29日 | 日々のあれこれ
 NACK5で古内東子さんの歌声を久しぶりに耳にした。懐かしかったので、「誰より好きなのに」を聞いた。サビはこんな歌詞。

  やさしくされると切なくなる
  冷たくされると泣きたくなる
  この心はざわめくばかりで
  追いかけられると逃げたくなる
  背を向けられると不安になる
  誰より好きなのに

 若いおねえさん方に人気があるのも頷ける。
 もっと若い娘さん方だと、このアンビバレント(相反する感情が同時に存在するさま)な感情はまだ実感できないんじゃないかな。

 小説の記述問題に答える鉄板法則を以前あみだしたことがある。
 「逆接語を用いてアンビバレントな心情を説明せよ」という法則だ。
 「傍線部 … について、心情を説明せよ」という問題で字数が多いときには、「~ものの」「~一方で」を使って書くとなかなか深まるもので、ポイントを稼げる。

 「~した時のやさしいそぶりに胸ときめかせながらも、その優しさが本心からなのか、本心であったとしてもその気持ちがいつまで続くのかを瞬時に考えてしまい、うれしさと不安を感じている状態」みたいに。
 残念ながら、二次試験で小説が出題される大学は少なくなり、誰も教えを請うてこないので、活用されてはいない。
 近々唄いたいなと思ってる「ティアモ」もそんな感じ。

  「僕は弱いね」と 自分から告げた ずるい人だわ あなたは
  時計をはずして 微笑んでくれる 優しい人ね あなたは
  笑顔くずさないで 嘘を見抜きたくない

 生徒さん方の年代は、たとえばある大人をみて、好きなら好き、嫌いなら嫌いとストレートに思うのだろうか。たぶん自分はそうだった。
 教員から生徒、親から子ども、の場合、ふざけんなとか、勝手なことばっか言ってとか小憎らしく感じることがある反面、愛おしくてたまらなかったり、文句を言いながらもいろいろしてあげたりとかという、まさにアンビバレントなものだ。
 両者が心からわかりあえることは、だからないのだけど、それがまたいいのだろう。
コメント
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