水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

3月8日

2012年03月08日 | 日々のあれこれ

 3年生がいないので、1年生の試験監督に入る。教室に入ろうとすると「誰?」的な視線がいくつか、ほとんどは無視でアウェイ感ただようけれど、緊張を悟られてはいけないと思い、不敵な笑みをうかべながら準備をする。二三人見かけるわが部員たちよ、やさしくしてとは言わないが、目配せはしてほしい。
 教師とは孤独な商売だと突然思う。
 その孤独に耐えかねて、教師と生徒とのラインをあいまいにすると、一気に立場を失うことも今は知っている。
 若い先生で(年をとっていても)その距離感がなかなかつかめない人は、表面上は生徒さんと仲良くできても、ちょっとしたことをきっかけに大きな亀裂が生まれることがある。
 「おれは、おまえたちと一緒に成長していきたい、一緒にがんばろう」的な熱血タイプとか、「協力して学校をよくしていこう」的なものわかりいい風タイプとか、「君の気持ちはわかるよ」的な親身になるタイプとか、生徒の「タメ口」を注意しない友達タイプとかが、典型的な危険パターンだ。
 生徒は目の前の教員がどのタイプかを見極めようとし、どの程度「先生ラベルをはがしても大丈夫か」を調べようとする。
 今なら、それに気づきながら、あえて気づかないふりをして多めにはがされてみても対応できるけど、昔はすぐカッっとなった。
 そのへんの感覚は、ある程度は意図的に経験をつまないといけない。
 ただし、いま小学校では、意図的に経験を積んだはずのベテランの先生でも簡単に学級崩壊するという、「新型学級崩壊」というべき現象があると聞く。
 おそらく、目の前の子供をなんとかしようという考えだけでは改善できない状況、はっきり言えば保護者の方の質が根本的に変わっていることが原因だろう。
 試験監督を終えて職員室にもどり、何人かの国立大の結果を聞く。
 入学時の成績を考えると、とんでもない難関に受かった子もいて、自分の指導のすばらしさに、ちがった、その子のがんばりに頭がさがる。
 午後、市民会館との打ち合わせにいき、帰りがけに「笑堂」さんのラーメンをはじめて食べた。なかなかのこくと深みだ。ものをおいしく食べさせようとする方向とは真逆の環境でありながら、時に行列もできる店だけのことはあると思う。
 車で「いきものがかり」の新しいアルバム、初回限定版についているライブ音源ばかりのCDを聴く。まあ、あいかわらずの歌力だわ。ライブ音源の方が歌の完成度が高いという稀有な歌い手だ。
 学校にもどり、レッスンの日程などをつめたり、車のごみ捨てをしたり。
 寸暇を惜しんで映画を見に行くよりは、新年度はどうしてくれようかと机に向かいメモをつくったりしているのは、傍目からはぼうっとしているように見えるだけだろうが、内面は忙しくて楽しい。今日はちょっとうとっとしてしまったけど。
 この先、自分を厳しく律するだけではなく、同僚の仕事に対しても少しきびしく言うこと言おうかな、なんて気持ちもおきてきた。
 明日から練習再開だ。

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