3月25日。指揮レッスンのあと久喜から東京に出てひかり号で浜松に行く。
今まで定演とかぶったりして一度も聞く機会のなかった吹奏楽選抜大会に初めてでかけた。
14:30ぐらいに着いて、おわり6団体分見れたのだが、結果的にグランプリを獲得したのもこの6校だった。うちわけが、都立杉並、東海大高輪、福工大城東、鹿児島情報、市立柏、淀川工業という顔ぶれで、吹奏楽関係者なら6こ続けて名前をきくだけでおなかいっぱいになる方がいるかもしれない。
吹奏楽関係でなくてもテレビ番組を通じてよく知られている学校さんの、演奏というよりパフォーマンスを生で堪能できてよかった。
演奏だけなら、この6校よりコンクールでいい成績を残すバンドが埼玉県にある。でもステージ上で行われるもののトータルだと、どうだろう。なかなかこの6校をおしのけてグランプリを獲得するのは簡単ではないと思われる。
たとえば、都立杉並高校さん、「世界一のSHOWタイム」で200万円を獲得したこともあるし、昔から定期演奏会には定評がある。生で観て思ったのは、演奏はもとより一つ一つ動きのきれがはんぱないことだ。埼玉勢でやろうとしたら、伊奈学園さんが演奏しつつ浦和学院さんや秋草学園さんの動きや踊りを補強しないといけないだろう。
市立柏さんにいたっては、もはやジャンルがちがう。「パイレーツオブカリビアン」のメドレーでは、海賊や船乗りのかっこうをした部員たちが、全身で場面を演技しながら演奏する。動きながら吹く、スタンドプレーで吹くという、吹奏楽の範囲を逸脱している。
他の学校なら、「先生、海でおぼれたふりしながら演奏なんてできるわけないじゃないですか!」と言うような内容なのだ。とんでもない世界があると思った。
意外だったのは、客席との一体感があまり感じられなかったことだ。
もちろん演奏側の問題ではなく、ハコが大きいこと、照明を優先して反響板をつかってないこと、あと客席の年齢層がやたら高いことかな。入っていった瞬間、末広亭か! と思ったくらいだから。
出演校のご家族の方が多いのだろうが、なぜ若い人がこんなに少ないのか、ちょっと理由がわからない。
自分の演奏会でなら、一瞬にして手拍子につつまれるようなシーンでも、客席の一部しか手拍子してないみたいな状態。てか、演奏中に後ろで普通に会話するおばちゃん、帰ってくんないかな。そんななかで自分たちの持ち味を出し切るところが、またすごいというべきかもしれない。
審査発表までのゲスト演奏はヤマハ吹奏楽団である。作曲者保科先生ご自身が指揮される「復興」を聞くことができ(もちろんノーカットで)て、勉強になった。
3月26日
日比谷シャンテで「おとなのけんか」を観る。舞台作品を映画化したもので、実質4人だけの登場人物のセリフのみ、しかも一組の夫婦の家の内部だけで描かれた90分弱の映画だ。
子どものけんかで怪我をした側の親のところへ、させた側の親が謝りにきて、最初おだやかだった4人がだんだんとその本性を現していき、かれら夫婦自身の本質や問題点も露わにしていくという、お芝居ではよくあるパターンの作品だ。また4人それぞれが、現代人の類型にもなっていて、風刺もきいている。
それを演じるのが、ジョディ・フォスター、ジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツという、みんななんとか賞を受賞してるような方々で、そのお芝居ぶりはさすがというしかなかった。同じ趣向の日本映画「キサラギ」に匹敵する佳作だ。
ええもん観れてよかったわと思いながら、新宿に移動し「ゴーストライターホテル」。こちらは、寝てしまった。
学校にいったん顔を出し、夕方、川越駅西口「海峡」で吹奏楽顧問の反省会。反省はあまりしなかったけど。
3月27日
「新入生誓いの言葉」を依頼した生徒さんが登校してくれて、少し言葉を直したり、読む練習をしてもらったり。海外日本人学校からの入学で、先日の説明会に来られなかった生徒さんとお母様が来校し、いろいろ説明する。二人とも明るく知的なおこさんだった。
午後は課題曲の楽譜を用意したり、新入生に配るガイダンス資料の直しをしたり、春から使う教科書をぱらぱらひらいてみたり、わりとのんびり目にすごし、翌日からの部活再開に備えた一日。