ワーナーマイカルの各劇場で上映されている「歌旅」は、中島みゆきのコンサートを映像化したものだ。
マンドリン部顧問やまぐち氏に早く観た方がいいと言われさっそく行ってきたが、行ってよかった。
近年これほど泣いた作品はない。ちなみに曲目はこんな感じ。
御機嫌如何
1人で生まれて来たのだから
あなたでなければ
一期一会
with
糸
命の別名
ララバイSINGER~アザミ嬢のララバイ
宙船
昔から雨が降ってくる
唇をかみしめて
ファイト!
誕生
I Love You,答えてくれ
ボディ・トーク
重き荷を負いて
本日、未熟者
地上の星
背広の下のロックンロール
荒野より
こんな曲が一つ作れればいいよねという楽曲ばかりを並べられるのが、トップに君臨してきた人の凄さだ。
歌っている彼女のアップが観られるところが、映像の利点。
こんなに表情豊かに歌っているのか、全身で歌っているのか、と驚く。
ライブで得られる感動とは別種のものだろうが、歌自体にこめられたメッセージはより伝わると言えるかもしれない。
なので、オープニングの途中でうるっときてしまい、「糸」で一回めの号泣がきた。
「ララバイSINGER」はわりと新しい楽曲のはずだが、シャンソンのように語りはじめられ、途中で「アザミ嬢のララバイ」が挿入されると、中学生のとき「ギターライフ」(だっけ?)で弾き語りを練習してた自分を思い出して感極まった。彼女も自分もここまで来たのだ。
カメラは演奏スタッフもアップで映してくれる。
高性能な機材が使われているし、そのうえ生のコーラスやストリングスも入った贅沢さ。
「アザミ嬢のララバイ」の頃、30数年後にこんなサウンドで歌っていることなど、本人も想像しなかっただろう。
「ファイト」「誕生」は前奏で泣いてしまう。
人はどんなに辛いことがあっても、誰か一人に認めてもらえれば生きていける。
身近な人でもいいし見知らぬ誰かであってもいい。神でもいい。そうやって中島みゆきさんのおかげでなんとか頑張れたという人はたくさんいるだろう。だからこそこれだけの「信者」がいるのだが。
この映画を観て、呉智英氏が「中島みゆきは中山みき(天理教教祖)である」と述べたのがさもありなんと思えた。別にファンじゃないからという方も、絶対に損はしないと思う。札幌の堀先生はご覧になったろうか。