けっこうな雨で交通手段に迷ったが、『ソロモンの偽証Ⅱ』を読み進めるという今日の第一目標に従って、JRで久喜に向かい、駅ナカのクイックガストで朝定食を食べて久喜高校へ。
指揮レッスンは『教程』を終えて新しい本に入った。たんなる腕の動きではなく、曲の解釈という新しいフェイズに入ったことに気づかないままだったので、こんこんと意味を教えていただくレッスンになった。
二十数年前、吹奏楽部顧問ではなく、たとえばサッカー部顧問を任命されていたなら、練習のない休日は審判の資格をとる講習会にでかけるような過ごし方をしてたかもしれないなんて考えながら駅までの道を歩き、大宮にもどりソニックシティでの塾説明会へ。学校ごとのブースで個別相談を担当した。
塾さんからいただいたプリントに「将来の職業観に基づく進路指導を行っています、成績面だけでなく将来の進路という観点でのアドバイスを、先生方も言葉で語っていただけるとありがたいです」とあった。
今は塾がそういうことまで考えて指導してるのかと感慨深く、そういうことならがんがん語っちゃいますよ思う。
高校入試は、なんといっても人生の大きな分かれ道になるイベントだ。
もちろん失敗したら取り返しがつかないとか、人としての価値が決まるとか、そんな意味ではまったくない。
ただ、勉強するタイプの人生を選ぶか、そうじゃないかの方向性については、けっこうな違いが生まれる。
同じ学力でも、どの高校に進むかによって、結果的に少しは勉強しましたという高校時代になるか、まったくしませんでしたになるかの違いは生まれる。
ある程度は勉強しないと入れない大学に進むか、勉強しなくても入れる大学に進むかの違いにもなる。
どの時点でも修正はきくのはたしかだが、今をいいきっかけにして少し本気で勉強しはじめてみたらどう? という話を何人かにした。
今のままではちょっと成績的に思わしくないという生徒さんが何人か見えたので。
話を聞くと、今までそんなに勉強してないという。夏休みになって塾にいきはじめ、少しやり始めたと。
でもよくよく話をきいていると、与えられた課題を解いて答え合わせだけしているようだった。
うちの生徒にもいるからはっきり言うけど、今のままじゃ成績あがらないよ、それでいい? 的な話をさせてもらい、がんばってみよう、よかったらうちにおいでとアドバイスした。
目先のことだけ考えれば、相談した生徒さんが本校に入学してくれるのが一番の営業活動なのだが、結果的にそうならなくても、ちゃんと勉強する若者が増えることは、今後の日本のためにならないはずがないから、そういう意味では自分も世の中に役に立っているかもしれない。
たんにお給料をもらうためだけでなく、何らかの形で他の人の役に立っていることは、働くモチベーションとしてきわめて大切なものだ。
学校にもどり学年だよりを印刷して、帰りがけマックによって『ソロモンの偽証Ⅱ』を読む。
ときどきアイスコーヒーを口にして呼吸を整えなければならないほどだった。
藤野涼子さん、萌えぇ。
今年の下半期ノーベル文学賞は宮部みゆきに決定だ。