学年だより「インナーマッスル」
~ 「仕事ができる人」というのは「たっぷりと手持ちの知識や技能がある人」のことではなく、「自分が知らないことを学び、自分に出来ないことが出来るようになる能力がある人」のことなのである。(Web「内田樹の研究室」より) ~
「仕事ができる力」を「学力」におきかえても同じことが言える。
学ぶことができる力を「学力」という。
自分に何が足りないかを把握し、貪欲にそれを補っていこうとする力。
先日の「合格体験談」の際に伏木先輩が話してくれた、「自分を客観的に見る力、深く論理的に考える力」はまさしくそれだろう。
自分には何かが足りない、それを埋めていかねばならない、という強い思いだ。
今の手持ちの能力や容量に基づいて、将来やりたいことを考えるのではなく、自分という容れ物を先に大きくすべきなのだ。
容れ物自体が大きくなっていれば、新しいことに取り組もうとしたときに、そのために必要な知識や技術を短時間で身につけることができる。
何かをやろうとするとき、それを最後までやりきる力を生むのも、その人の容れ物の大きさだ。
~ 全然畑違いの仕事だとしても、元の仕事で築いた下地があれば、そのノウハウとか考え方とかって何かしら使えると思うんですよね。私がよく行くホルモン屋「わ」の大将なんか見てると、ホントに野球部で死ぬほどキッい訓練したことが下地になってるなと思うもの。「最初の10秒でお客様の心をつかまなアカンねや!」とか言って、まさに体育会系の営業。あの人たちの基礎体力、インナーマッスルってすごいなって思うよね。やってきたことが一個もムダになってない。やっぱり甲子園まで行った人はパンパじゃない。「向いてない」とか「できない」とか絶対言わないもん。
それは別に単純な体力だけの話じゃなくて、たとえば勉強には勉強のインナーマッスルがある、と。それは〝リアル『ドラゴン桜』″みたいな学校再建を請け負う先生が言ってたんだけど、「できない子には勉強のインナーマッスルをつけなきゃいけない」って。たとえば板谷くん(ゲッツ板谷氏)みたいな元ヤンがライターやってられるのも、中2までのガリ勉だった時代に机に向かうのが一応身についてたからだって。仕事だって同じですよね。インナーマッスルがついていれば何とかなるはず。(西原理恵子『生きる悪知恵』文春新書) ~
容れ物の大きな人とは、インナーマッスルが鍛えられた人のことを言う。
勉強のインナーマッスルはどう鍛えればいいのか。
簡単だ。まず、授業時間中にきちんと姿勢を保つこと、寝ないこと、ノートをとること。
6時間すべての授業でこれができている人がいかに少ないか、みんなもわかっているはずだ。