水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

2013年01月22日 | 日々のあれこれ

 入試がはじまった。
 午前中は試験監督、午後は面接。

 どうして本校を受験しようと思ったのですか?
 具体的にはどんな高校生活を送りたいですか?
 将来の夢は何ですか?

 はい、文武両道という校風にひかれたからです。
 ○○部に入ってがんばり、現役で大学合格できるよう勉強もしっかりやっていきたいです。
 将来は○○という職業につきたいと思います。
 はい、しっかりがんばります。

 さわやかに「ありがとうございました!」と言われると、「いやいや、こちらこそありがとう。よく受験してくれたね、合格したらぜひ入学してください」と言いたくなる。
 そして彼の夢の実現に少しでも役立ってあげたいとも思う。

 でも、一人一人の「夢」って、そんなに周りがサポートしてあげないといけないのだろうか。
 勉強したいと言えば、場所も教材も教師も、空調まで用意し、質問には親身に答え、プリントを用意し、宿題をやってなかったら出来るまで待っててあげて … 。
 部活をやりたいと言えば、場所も道具も顧問もあつらえ、日々の練習メニューを考えてあげ、コーチをよんであげて、試合のだんどりをし、練習が遅くなれば駅まで送り、合宿までしてあげて … 。
 そこまでしてあげないと叶えられない「夢」って夢なのかな。
 なんらかの要因で、夢の実現が困難になることはふつうにある。
 それであきらめる夢なら、それは夢とは言えない。

 ある特定の学校で、特定の顧問の指導のもとでしか叶えられないことって、ほんとに「夢」なんだろうか。
 それは自分勝手な人生計画にすぎないんじゃないか。
 私は○○高校を受験して、○○部に入り、結果を残して、推薦で大学に入りたいです。
 うん、そう願うのはその人自身の自由だ。
 ただし世の中は、そうそう思い通りにいくものではない。
 何か予定が変わったときに、自分の希望だけは手つかずにしておいて、自分以外のものが自分にあわせるように要求するのは、国語的には「自分勝手」という言葉の範疇にはいる振る舞いだと思う。
 おさない子どもはしかたがない。
 いい大人が「○○の夢をつぶすな」と一緒にさわぐ姿があるとしたら、かなり品のない振る舞いに見えてしまうのではないだろうか。

コメント
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