センター試験の国語の平均点が、中間発表では五割を下回っている。
けっこう下がるとは思ってたが、ここまで低くなるとは思わなかった。
勉強足りなくね? うそうそ。
とくに一番の評論のできが例年より悪いようで、小林秀雄の文章が今の高校生には読みづらかったからだというのが、大方の見立てだ。
それもある。だいたい現代文で、注を20個もつけないといけない文章は、センター試験としては不適格なのだ。
根本的にそこを誰かちゃんと言ってあげてくれないかな。
いくらでもいい文章があるのに。
「鐔(つば)」にいたっては、注として挿絵まで添えられている。
絵を見せられたって、女の子のなかには全く何について言っているか見当も付かない子がいるんじゃないかな。
現代文の評論て、文章を論理的に読み取る力を調べるんじゃないの。
小林秀雄の、こんな文学的随想を、注いっぱいつけて読ませて、一体どういう力を調べようと考えたのか。
PISA(国際的な学力調査)が行われるたびに、日本の子どもには論理的に思考する力が欠けている、「PISA」型の読解能力をつける教育をしようという声がひろがる。
大学の先生方もずいぶんそういうことを語ってらした。
PISA型とはまったく逆の方向性を向いているのが、今回の問題だ。
小林秀雄の難しさは、今回問題を作られた先生方が、しっかり読み取れてないことからも明らかだ。
いや、読解はされているのかな。それを問題化する能力に欠けていたのかもしれない。
何回か読み直したけど、いまだに問の4と6はよくわからない。3と5も正解の選択肢のできがあまい。
問題文が難しいうえに(「ゆえに」かな)、設問の質が悪い。
受験生にはもうしわけないが、一生で何問も作らない方々が作られる問題は、こういうこともあり得るとしか言いようがない。