水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

正解を知る

2020年06月01日 | 学年だよりなど
  3学年だより「正解を知る」


 ~ ああ答えがある問いばかりを 教わってきたよ そのせいだろうか
   僕たちが知りたかったのは いつも正解などまだ銀河にもない
   一番大切な君と仲直りの仕方 大好きなあの子の心の振り向かせ方
   なに一つ見えない僕らの未来だから
   答えがすでにある問いなんかに 用などはない  (野田洋次郎「正解」) ~


 「見えない僕らの未来」をどう生きるかは、一人一人にゆだねられている。
 自分なりの人生を生きていくには、すでにある「正解」を知ることも必要だ。
 その上にこそ、自分だけの答えが見つかる。
 自分独自の「答え」は、たんに独りよがりで、はた迷惑なものであったりもする。
 こと勉強に関しては、まず「正解」を知ることからしかスタートできない。
 たとえば二次方程式の解法を自分でゼロから編み出す必要はない。
 かりに編み出せる能力の持ち主がいたなら、その知性は別のことに役立てるべきだ。
 それが、神様が与えてくれた人並み離れた知性の生かし方だ。
 人それぞれで程度の差こそあれ、勉強が好きなこと、勉強ができること、勉強できる環境にいられることは、どれも神様からの贈り物だ。
 贈り物を大切にするには、まず「正解」を知ることだ。
 部活動でも同じではないだろうか。
 ボールをどう蹴っていいか、ラケットをどう振ればいいか、どんな走り方をすれば速くなるのか、どうすれば楽器ができるか歌がうまくなるかには、明確な正解がある。
 もちろんそれは現時点での正解であり、時代とともに進化し続けるものでもある。
 進化させうる人は、まったくのオリジナルを生み出しているではない。
 自分がいる時点での正解をまず学び、徹底的に自分のものとした上で、さらに改良を重ね、試行錯誤し、新しいものを生み出していく。
 それが後に続く人たちにとって新しい正解となり、役立てられていく。
 神さまの贈り物は、様々な形で受け継がれていくことになる。
 順番を間違えないようにしよう。
 「まず自分の頭で考える」などという神をもおそれぬ不遜な行動をとってはならない。
 虚心坦懐にまず正解を学ぼう。素直にそれを繰り返してみよう。
 うまくいかないとしたら、やり方がまちがっているか、練習が足りないかだ。
 正解そのものはまちがってはいない。


 ~ ああ答えがある問いばかりを 教わってきたよ だけど明日からは
   僕だけの正解をいざ 探しにゆくんだ また逢う日まで ~

 
 「僕だけの正解」を探しに旅立つまでには、まだたっぷり時間が残されている。
コメント
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