水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

しゃぼん玉

2020年06月12日 | 演奏会・映画など
 映画「しゃぼん玉」は、ひったくりの常習犯が、追っ手から逃れてたどり着いた田舎町で、交通事故で怪我をしたおばあちゃんを助け、そのまま成り行きでおばあちゃんの家に住み着き、田舎の人たちの人情にふれて暮らしているうちに、心をいれかえていくという、「ありきたり」と言おうと思えば言えるストーリーだ。
 どんな作品でもざつにまとめれば「ありきたり」にはなるのだが。
 ひったくり常習犯のクズな若者を林遣都、おばあちゃんを市原悦子。
 この二人のたぐいまれなお芝居力と、抑制された演出とで、きわめて良質な、かといって道徳のおしつけにもならず、エンタメとして楽しめるいい映画だった。うん、こういうのを「いい」って言うんじゃないかな。
 林遣都くんと、あとは田舎のじっちゃん、ばっちゃんばかりのシーンが続き、少し物足りない思いをしてたら途中から別ぴんさんが登場する。
 村を出て都会でお勤めしていたがなかなかなじめず、ある日ひったくりにまであって怪我をし、傷心を抱えて村にもどってきたという設定だ。
 だれだっけ、絶対みたことあるのに名前が出てこない。
 だれだっけ、昔はもう少し若かった(あたりまえだけど)。
 遣都くんとこの女子とが、好意を寄せあっていくようには描かれるのだが、安易にできちゃったりしないところが、またいい。
 エンドロールで名前をみて合点がいった。
 藤井美菜さんだ。「女子ーズ」だ。もとはモデルさんかな。
 しかし、「女子ーズ」という確信犯的「B級」映画のキャストってなんだったんだろう。
 桐谷美玲、高畑充希、山本美月、有村架純に、藤井美菜さん。
 同じメンバーで、続編つくってもらえないかな。
 もしくは「二代目女子ーズ」観たい。松本穂香さん、恒松祐里さん、森七菜さんとかで。
 
 見逃した作品をこうして映画館で観られるのはコロナの「おかげ」だ。
 再開された映画館は、前後左右に人がいないように席が売られている。
 とはいえ、この日のTOHOシネマ富士見は、お客が3人だったから、必然的に密にはならないのだけど。
 ららぽーとの映画館は、たまに混んでいる時があったけど、南古谷ウニクスならもともと何の規制もいらない。
 お芝居や音楽会もやり方を模索しながら再開されている。
 売れたチケットを一度払い戻しし、半分の座席分を再度売りに出す劇団もあるときいた。
 これから、ずっとかな。
 だとしたら、演劇もダンスも音楽も、ビジネスモデルとしては構築し直さないといけない状況ではないか。
 今後うちが参加できる演奏会や定期演奏会も、空席をあけないといけないのだろうか。
 一度形ができてしまうと、科学的根拠など関係なくそれを維持しようとしてしまう体質を私たちは持っている。
 でも音楽会やお芝居は、ぎゅうぎゅうずめの客席で観たい。
 ステージ上のプレーヤーもダンサーさんも役者さんも、絶対その方がやりやすいはずだ。
コメント
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