水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

練習する

2020年06月04日 | 学年だよりなど
  3学年だより「練習する」


 「正解」を知ったなら、次は「練習」だ。
 運動で言えば、理屈を知り、分解して理解し、映像でイメージし、実際に同じ動作をまねてみて、無意識にできるまでひたすら繰り返すといった作業だ。
 勉強なら、知識・解法を知り、目や耳も使いながらインプットし、自力で解けるようになるまで繰り返していく作業が「練習」にあたる。


~ まずはテキストを通読して、自分がまだ「覚えていないこと」をぐっと絞り込みます。そのうえで新しい情報を記憶する際には、まず黙読しながらテキストの内容を頭に定着させます。
 次に、テキストを声に出して読みます。意外と知られていませんが、自分が出した声を聴きながら耳で覚えるのが、生理学的にも最も効果的な記憶法なのです。
 英語でも、ヒアリング用の音源を繰り返し聴くことで、フレーズを体得できます。すべての暗記科目に当てはまることですが、耳で覚えるという優れた機能をスイッチオンするには、既製の音源を聴かなくても、自分で音読して自分に聴かせればよいのです。
 音読の原理が司法試験でも英単語でも通用するのは、多くの人が証明しています。私自身、音読法を使って大学の第二外国語であるドイツ語を勉強しました。第二外国語ですから、テキスト自体もそれほど長いものではありません。音読を繰り返していると結構耳に残るので、いつの間にか全文を覚えてしまったものです。
 テキストで新しく出た単語には訳語が逐一書いてありましたが、音読しながらその訳を追って行けば、おぼろげながらに新出の単語も記憶に定着されていきます。試験では作文までは要求されずに、独文を和訳するくらいでしたから、何とか対応できたのです。
 そして、3番目に、ペンを持って手書きをします。絶対に覚えたい固有名詞などは、何度でも手書きを繰り返すのです。手と頭脳というのは密接にかかわっているので、手を動かすことで脳の記憶中枢を刺激することになります。 (鎌田浩毅『一生モノの勉強法』ちくま文庫)



 何らかの目的を達成するために必要な動作や頭の働かせ方を、身体全体で繰り返していく作業を「練習」という。運動も勉強もその本質に違いはない。
 身についていない問題だと、解説を読んでわかった気分になっても、いざ一人で解こうとすると、やっぱり解けないという事態がおこる(多々経験はあるはず)。
 どうすればいいか。もう一度やればいい。
 複数回繰り返しても、できる気配がないとしたら、やり方を間違えている可能性がある。
 もう一度「正解を知る」ステップにもどろう。
 つまり、ほんとうにわかっている人に教えてもらおう。
 その後自力で解けるようになっても、期間があくとまた解けなくなっている。
 練習を一ヶ月休んだ後、できていたはずのプレーができなくなっているのと同じだ。
 どうすればいいか。もう一回やればいい。
 人に教えられるかな? ぐらいのレベルまで「練習」してはじめて、身についたと言える。
コメント
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