水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

大きな石

2020年06月07日 | 学年だよりなど
  3学年だより「大きな石」


 好きなことをして生きていける人生を手に入れられるなら、それにこしたことはない。
 それを実現するために必要な条件は二つあると、作家の千田拓哉氏は述べる。それらは、10代のうち、遅くても20代前半でやっておくべきだという。一つ目は「基礎力」だ。


~ 頭脳で生きる場合にも、芸術で生きる場合にも、スポーツで生きる場合にも、それぞれのコースで初歩と基礎が求められます。
 たとえば頭脳で生きる場合の初歩とは公立高校入試問題の主要5教科トータルで下限8割以上が得点できる学力です。
 基礎学力とは今年まで実施されていた大学入試センター試験の主要5教科7科目~8科目でトータル下限7割5分以上が得点できる学力です。
 40代や50代までそれらを維持する必要はありません。
 10代~20代前半でそれらに到達しないと意味がありません。
 人生の前半で以上の初歩と基礎を盤石にした経験が一度でもあれば頭脳で生きていくことが可能です。
 若くて生命力が漲っているうちにピークを高くしたことがあるか否か、これがその人の頭脳の将来を100%決めます。
 あなたの頭脳をバケツとして考えるとわかりやすいです。
 最初に大きな石をできるだけたくさん詰め込んでおけば、それ以降は砂利や細かい砂をいくらでも隙間に流し込めます。
 反対に最初に大きな石をがっつり入れておかなければ、それ以降は砂利や砂しか入れることができません。大きくてしっかりとした石を詰め込むには「旬」があるのです。 (千田琢哉「次代創造館」2020年6月5日号) ~


 物事の基礎・基本は、脳に詰め込む「大きな石」だ。
 勉強以外に様々なことにもあてはまるのではないか。
 何かを身につけようとしたときには、基本をしっかりさらっていく。
 もちろん、この段階では、自分の意志で「がんばって」、ときには「強制されて」でもやっていく必要はある。
 大きな石がため込まれると、砂利や砂は、むしろ向こうから勝手に入ってきてくれる。
 たとえば英語でも、自然科学分野でも、政治や経済の知識でも、音楽や絵画や映画や鉄道やアイドルでも、相当量のインプットの後には、知識の方からかってに流れ込んでくる状態になる。
 クイズの東大王たちが、ちょっと小耳にはさんだ知識をとどめておけるのは、脳内にその「受け石」があるからなのだろう。
 個人的には、30代、40代でも「大きな石」を入れていくことは可能だと感じているが、今それをやれるみなさんが、うらやましくてしょうがない。
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