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素晴らしい一日 平安寿子
昨年楽しく読んだ「グッドラックららばい」の作者の短編集。作者自身があとがきで「クスッと笑えてちょぴり身につまされるビタースウィートな大人のコメディ」「新世紀のユーモア作家」と評するだけに、結構シリアスなのにどことなく可笑しい話ばかりだ。登場人物は、それぞれダメ男であったり、なんだかピントのずれた女性であったりするのだが、ハラハラしながら読んでいるうちに、そんな主人公の生き方でも「まあいいか」という雰囲気になってくる。とにかく不思議な雰囲気をもった作品群である。人生、そんなにアグレッシブにならなくても、そこそこポジティブであることが大切なんだ、というメッセージのような気がしてくる。「グッドラックららばいい」を読んだ時も、同じような感覚を抱いたことを思い出す。主人公の行動や生き方にハラハラすると書いたが、読んでいると、これから主人公がどうなっていくのかを早く知りたいと思うようになってしまう。特に、ひょんなことから臨終の老人の家出した娘の役を演じさせられる「アドリブ・ナイト」は、何故か文学的香りのするドタバタコメディだが、これが最も面白かった。(「素晴らしい一日」平安寿子、文春文庫)
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