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砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない 桜庭一樹
あとがきを読むと、作者が「ライトノベル」から「一般小説」へジャンルを広げるきっかけになった作品とのこと。一旦、ライトノベルとして文庫で刊行され、その後、一般向けの単行本として再発刊されたという珍しいケースらしい。作品は、確かにライトノベルの雰囲気が色濃いが、テーマは非常に重い。題名の「砂糖菓子の弾丸」という言葉に込められた意味は、今まで読んだ作者の本のなかでもとりわけ重いように思う。こうした作品がライトノベルとして刊行されていたこと、それからこの作品が少年少女向けの本の中に埋もれずにちゃんと評価されたこと、これらを思うと、ライトノベル恐るべし、その読者恐るべし、である。おそらく、作者が言うように「少年少女向けでもなく、娯楽小説ですらないかもしれない」本書は、文庫本の時から、大きく枠を越えて異彩を放っていたのだろう。
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