ついに最終回が終わってしまいました。
熱烈な鎌倉殿ファンはロスだろうなと思います。
「完」のあとに能天気な弱虫家康が出てきて・・・うーん、ちょっとなあ。
でも岡田君はみたいとか葛藤が
初回から飛ばす飛ばす、脚本が生きているかのようなお話だったと思います。
出演者の一人ひとりが全て個性的で、なりきっているのがよくわかりました。
辛い場面の前に必ず、ギャグを入れて一息させてから怒涛の展開にする。
視聴者はすっかりドラマの虜になったと思います。
それにしても、義時があのような死に方をするとは・・・・
「すごい最後でこんな最後があるの?って感じなので楽しみにしていてください」と小栗旬がテレビで言ってましたが、まさにそうでした。
主人公だからって容赦しないんだ。
因果応報なんだ~~~と思って嬉しくなったのも事実です。
最初は北条家の気の弱い息子に過ぎなかった義時。
三浦に比べたら確かに何もかも劣っていたと思います。
それが頼朝の姻戚になり、引き立てられる事で政治力を身に着け、頼朝の死後は次から次へと立ちはだかる壁を倒してのし上がっていく。
頼朝も相当な人間不信な嫌な男でしたけど、義時のそれは頼朝をリスペクトしてます以上の恐怖がありましたよね。
そう、執権北条義時の政治は恐怖政治だったのです。
ついに後鳥羽上皇まで配流にしてしまって、これ以上ない権力を手にした義時。
でも、息子からは「これからはわたしがやります。時代は変わっているんです」と言われショックを受ける。
ショックと言えば三浦が「じじい」と呼ばれて怒るシーンに爆笑してしまいましたが。
義時はあらゆる敵を潰して来たけど、一番身近に敵を作ってしまいました。
それは妻ののえです。
あの妻は結婚当時から泰時に「あの人は・・・」と言われていたのに娶って、でも優しさの片りんも見せずに恨まれて、最後は妻に毒を盛られる。
本人もまさかと思うでしょう。しかも無二の親友がそれに加担していたとは。
妻の裏切り、友の裏切り、そして運慶の仏像のひどさ・・こんなに頑張って来た自分が何でそこまでと思ったろうと。
で、ついつい姉上に愚痴ったら頼家を殺した事がばれちゃった。
政子は薬を流して「これ以上は」という。そこにほんの少しでも息子を殺したことへの復讐はなかったか。
なかったとは言えないのではないかと。
最愛の弟が最愛の息子を殺していた。
何となくわかっていながら黙っていた自分も悪い。でも、こうやって真実がわかれば、どうしても、どうしても手が動かなかったんだと思います。
結局、政子の嘆きの内に「完」
義時の最後の「姉上」は若い時の「姉上」で、死ぬ間際に以前の小四郎になったという事ですね。
思えば北条政子が、源頼朝と結婚さえしなければ執権は出来なかったし、源氏の血で血を洗う悲劇も防げたかもしれません。
事の元凶は全て政子が頼朝と結婚してしまった事で、小四郎はむしろ被害者だったかもしれませんね。
鎌倉幕府の時代って実はそんなに好きじゃないです。
天皇・上皇・法王VS天皇の末裔である平家と源氏の攻防戦。
貴族社会から武士の闘いに変化していく時代だから仕方ないとはいえ、純粋な気持ちの人は生き残れない時代でした。
子供まで巻き込んで生死を分けた時代・・・本当にひどいなと思います。
しかし、その北条氏も時代が下がればただのぼんぼん将軍になっていき、足利氏に滅ぼされ、その足利も時代を下がれば戦国時代に信長に滅ぼされ。
沢山の時代の中でも頼朝と北条義時の時代が最も残酷だと私は思うのですが。
でも、全て見ることができてよかった。
暫く「鎌倉殿の13人」を超える作品は出てこないだろうと思います。