一人で見に行きました。
私、過去にこの作品を見た事がないのです。
初演は勿論ですが瀬奈じゅん版も何かの都合で見ることができなくて。
だから結構楽しみにしていたんですよ。
とはいえ、フィッツジェラルドはもうたくさんという気持ちもなくはないのですが。
私の父は映画の「華麗なるギャッツビー」が好きで、特にジャン・ギャバンのラストシーンが感動的だと言っておりました。
昭和の「映画特集」番組なのでは必ず上位にランクインしていた「華麗なるギャッツビー」ですからきっと感動するんだろうと思って見てたのですが。
とにかく眠くてねむくて・・・・1幕目は声だけ聴いていればいいかなと。
2幕目は納得いかない!しかなくて。
ストーリー自体は昔からよくある話ですよね。
今でも韓ドラや華流ではよくあるお話なので目新しさがないし、かといって韓ドラなどよりも感動的かというとそれが全然。
禁酒法時代を扱った小池作品はどっちも嫌だなと思うばかり。
1幕目のデイジーがギャッツビーと恋に落ちて、親に反対されて「馬鹿な女になってやるわ」と歌った所まではよかったんです。
でも問題はその後で、正直、ギャッツビーの気持ちもデイジーの気持ちもトムの気持ちも全く理解できない。共感出来ないっていうんでしょうか?
ちょっと経歴詐称しつつも努力していた男が、金持ちの女と恋に落ちる。
でも「金持ちの女性は貧乏な男と結婚してはダメ」という今時素晴らしくも単純な親の言葉に従うしかなかったデイジー。
でもとりあえず結婚して、娘を産んで「おバカな子に育てるの。その方が幸せなんでしょ」と憎まれ口をたたく。
夫は浮気三昧だけど本気ではなく、かといって妻を愛しているかと言えばそうではなく、支配力だけは強い?
1920年代のアメリカのセレブ社会は体面と身分と財力を重んじる。
互いに不倫しても見て見ぬふりしたり、遊びで終わらせたり。
そんな所に生真面目なギャッツビーは本気でデイジーを愛してしまったわけですね。
だから、彼女がひき逃げした罪をかぶり、結果的に殺される。
そうまでして尽くしたのにデイジーは葬儀にも来ないで、土の上に薔薇を一本投げただけ。
多分、演じている方も何が何だかわかってないんじゃない?
役を理解して演じているというよりは、がむしゃらにセリフをしゃべって型どおりにやってるだけに見えました。
多分、映画にはきっちりとカタルシスがあるんだろうと思います。
そうでなければあまりにも報われないじゃない?不条理劇ともちょっと違う気が。
みんな感動しているのかしらね。
月城かなと・・・本当に美しくスーツがよく似合う。しかし、彼女には「成り上がり感」とか「恋人への執着感」がゼロなんです。
裏社会でのし上がって豪邸建てていつか元カノと再会できるんじゃないかと派手なパーティを開き続ける一途だけど人の心の裏が読めない(こんなんでよく裏社会で通用したな)人間。
成り上がり感がないのは致命的。月城が誰よりもいい所のお坊ちゃんなんだものね。それと相手役との演技が「お仕事」にしか見えないのも残念。「君は薔薇より美しい」というセリフが空虚で心からそう思っているように見えないのです。
元々月城かなとってそういう人だからしょうがないんだけど海乃美月とのコンビがあまりに美しいだけに残念でね~~今更成長は無理かな。
ゆえに1幕2幕とも凡庸で予定調和。トップがそうだから脇もそうならざるを得ず結果的につまんない舞台になってしまった感はあります。
もっと予想外のはじけ方をしてくれないと、今後の作品に期待できないですよね。
海乃美月・・・いつも完璧なのに今回のデイジーはダメだこりゃ。いや、きっと誰が演じてもダメかも。だって「母・デイジー」「女・デイジー」のジレンマが少しも感じられないんだもの。綺麗だけどそれはまるで絵画のような美しさでイマイチ色気なし。今回はデイジーとしての喜怒哀楽がよくわかりませんでした。特に薔薇をぽんと投げる所。それって怒り?悲しみ?どちらにも見えなかったけどね。
鳳月杏・・・デイジーの夫のトム。いわゆるアメリカ建国当時からのお金持ちなんでしょう。それはわかるけどあまり遊び人には見えない所が難。っていうか見せ所があまりなかったかな。ギャッツビーと張り合うのは何で?とか思ってしまったしね。
フィナーレでせり上がって来てようやく目が覚めたって感じです。
風間柚乃・・・ニック。いわばギャッツビーとデイジーの間を取り持ち、最後はギャッツビーを見送ると言う役。セリフも何もかもいいんだけど、上手いだけで男役としての色気なし。月組って男役に色気があったらダメな組だったっけ?そういえば優等生は好きだけど、危ない感じのトップって大事真央以来いないよね。
そういう意味では今時の「ザ・月組」かもしれません。
彩みちる・・・ゴルファーでニックを翻弄して捨てる人。一番動きが活発で面白い演技をしていたけど、ラストの捨てっぷりが今一つかなあ。残酷にもなりきれずかといって未練があるわけでもなく、あれ?そんなもんだったの?って感じです。
天紫珠李・・・トム行きつけのガソリンスタンド主人の妻でトムの愛人。でも完璧に捨てられてそれでも未練タラタラで最後はデイジーの車に轢かれて死ぬ。一番人間味があったかな。
専科の輝月ゆうまはマフィアがよく似合っていました。英真なおきは最初と最後しか出てこない。蓮つかさは実力も華もあるのに所詮ここまで状態。
礼華はると夢奈瑠音がいきなり上がって来た感じですが、彩音星凪の方が綺麗だし目立つし、もっといい役を与えてくれてもいいんじゃない?
エトワールの一乃凛ちゃんはとても可愛らしかったです。
月城かなとって美しいけど影がある。だけど背中に影しょってるわけでもない。
単に人見知りでそれが舞台に出ているだけなのかもしれないな~~
組替えして来た時と何も変わってないのはいいのか悪いのか・・・・
回りをがらっと変えないとヤバイかもね。
もう千秋楽ですものね。楽しみにしていました。
映画はロバート・レッドフォードとミア・ファーロー版とレオナルド・デカプリオ主演版は知っていましたが、他のもあるのですね。
東宝版のお芝居、小池先生の演出版も。
村上春樹さんが翻訳したことも有名という印象でした。
魅力的な原作なんでしょうね。
結末は宝塚らしい、小池先生らしいなと思いました。
月城さん、きれい、美しかったですね。
次の作品のビジュアルも、目の保養になりました。
ふぶき様の、宙組の観劇記も楽しみにしています。
鮎ゆうきさん~歌は??でしたが
圧倒的なビジュアルでした。
日生劇場の瀬奈主演は~1本ものにする為?
増えた部分が 退屈?でした。
今回~大劇場千秋楽の千秋楽ライブ配信で見ただけですが
私が大きく(~_~;)なったせいか?
・もとカノ自宅の向こう岸に家を建てる?
・ディジーの写真、昔のだけじゃ無く 最近のも有るみたい
(盗撮?ストーカーかよ!気持ち悪い)
・アメリカの貴族って??
(要は親の代からの成功者って事?)
等々 心地よく受け入れられませんでした。
受け入れられたのはニックのみ。
東京の千秋楽は多分 観ないと思います。
杜けあきさんの、大人の演技力と
歌唱力、鮎ゆうきさんの
可愛さ、美しさは素晴らしいです