ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

さくらんぼ

2012年07月16日 | 日記

 知人からさくらんぼを頂く。山形産です。

 さくらんぼの瑞々しい色鮮やかさは、例えようもありません。

 水村美苗さんは近作「母の遺産」の中で「英語のcherryに比べたら、いかに『さくらんぼ』という言葉のほうが、ふっくりとした若い女の身体を彷彿させ、愛らしいことか」とセクシーに称えています。

 ほんと、もったいなくて食べられない、といった雰囲気があります。

 この、さくらんぼ、丹精をこめた農産物であり、商品です。ひとつひとつもいで綺麗に箱詰めにして市場に出すまで、どれほどの労力がかかったものやら。

 日持ちもしないようだから、品質の管理がむつかしいのだろう。

 他の果物に比べ、値が高いが、その高さだけで十分生産農家の苦労に報いているのだろうか。近年、カリフォルニア産のさくらんぼが安価で出回っているので、余計気にかかります。【彬】

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長生きする野良猫

2012年07月15日 | 日記

 

 石渡喜和子さんが描いた野良猫「フワ」

新宿・荒木町界隈は、昔からの町並みが残っていて、細い路地が突然行き止まりになったりする。

車の出入りも少ないから、野良猫の棲家になりやすい。が、その野良猫も現在ではボランティアの人や近隣の人たちが面倒を見て、地域猫として可愛がられている場合が少なくない。石渡さんが描いたこの猫は「フワ」と呼ばれ、愛されている。もう15年以上になる。野良だから正確な年齢は不明。

野生の生き物は、食べ物さえ確保できていれば相当長生きするようである。猫に限らない。飼育されているオームなども10年以上は軽く生きる。

動物だけでなく植物も同じかもしれない。人間が手入れをしてあげることで、長く生命を保つものだ。

もちろん、人間自体、食住に不自由がないならば長寿であることは、今日の日本を顧みれば明らかなことである。平均寿命が100歳まで行く日はそう遠いことではないように思える。【彬】

 

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新宿……一極集中のメガロポリス

2012年07月12日 | 日記

東急ハンズ側から見た新宿駅南口の線路風景 

 新宿。ご存知のとおり、JRを中心に私鉄が小田急線、京王線の2社。地下鉄が、丸ノ内線、新宿線、大江戸線が乗り入れる巨大なターミナルである。

 JRはホームだけで16番もある。埼京線、湘南新宿ライン(東海道本線、横須賀線、東北本線、高崎線、成田エクスプレス)中央本線(甲府・松本方面)・中央線快速(青梅方面)、山手線、総武線と錯綜している。

 乗降客は世界一でJRだけで一日75万人を数える。改札口は早朝から深夜まで利用者が途切れなく続いている。

 新宿と同じように、池袋や渋谷も人波は絶えず、みな巨大都市へ、巨大都市に吸い寄せられていく。

 反面、地方都市はシャッター通りへの危惧が絶えない。

 なぜ、このような集中化が起こっているのだろうか。新幹線や携帯電話など、交通や通信手段が発達すればするほど、原理的には、人は双方向に動くはずであった。都会の意味が薄れるはずであった。ところが事実は反対で、不況の現今こそ人は都市に流れる。

 一極集中は、日本だけでなく、韓国や中国でも同様で、なにかアジア的な現象にも思える。韓国では行政機能を分離して、ソウルから新たな都市に移す計画が進んでいるようである。日本でも首都移転は古くから検討され、候補地には群馬県のどことかなど話題になったこともあった。しかし、行政を分離して、果たして分散化が達成されるものやら。

 一極集中への一つの対抗として、地方分権が言われている。地方が衰退するのは、自治を保障する資金=税金が、国からの交付税に頼らざるをえないからで、消費税などは地方に渡せ、と橋下大阪市長などは主張している。

 それぞれ一理はあるのだろう。

 が、地方が衰退するのは、もっと大きな経済的な仕組みがもたらしているように思える。たとえばかつて繁栄を誇ったデパートの衣料品売り場は現在閑散の一方なのだが、その一方でユニクロなどといった小売業が圧巻だ。デパートの衣料品といえばブランドや有名メーカーの誇示であった。ユニクロの場合は、単に安価というのではなく、デパートが誇った生産者の顔(ブランド優位)を意図的に消しているように思える。生産地は中国であろうが、ベトナムであろうが、問題ではないのだ。このことは、私たちの消費意識の中に、生産現場への想いが消えて、製品そのものへ関心が移ったことが示されていないだろうか。圧倒的な大量消費というのは、生産の側からではなく、消費の側からの経済でもある。

 新宿は、そうした消費経済の坩堝であって、飲食とファッションと劇場で、早朝から深夜まで人の波が消えないのである。【彬】

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ホタルカゴ…素朴な味わい。

2012年07月12日 | 日記

ホタルカゴ

6月9日、関東地方は、梅雨に入った。やがてホタルに出会える時期である。

ホタルといえば、私はどうしても「ホタルカゴ」の話になる。麦を刈り取った後の、麦ワラを編んで作るホタルの虫籠のこと。

私が茨城に来たばかりの12年ほど前、地元の郷土資料館で見たときから、心を捉え離さなかった。麦ワラの素朴な味わい……見ていると農村風景が眼に浮かび、童歌が聞こえてくるようである。

作られていたのは、かなり昔とのこと。40~50年前で、今、作り方を知る人は少ない。

ところが、数年前、運よく「地元文化の継承・ホタルカゴ作り講習会」に参加することができ、念願がかなえられた。

今は東京の自宅と、茨城の社宅の両方に飾ってある。

福島県出身の人が、社宅を訪れた時、子供の頃を思い出し感激していた。55歳くらいのひとである。

「ホタルかご」は日本人の心の琴線にふれる何かがあるようである。(岩下賢治)

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緑の多い三鷹市

2012年07月11日 | 日記

三鷹駅から見た「風の散歩道」

 三鷹市は緑の街である。三鷹駅から吉祥寺に繋がる歩道は「風の散歩道」として整備され、ケヤキや桜などが繁茂する木陰となっています。また、小金井公園に向かう玉川上水の土手は様々な木々が茂り、毎年行なわれる歩く行事、3デーマーチの絶好のコースとなっています。

 これと平行するように、大岡昇平「武蔵野夫人」に描かれた野川/はけの緑豊な流域があって、これら三つの緑陰が三鷹市の自慢となっています。

 このほか、再開発が進んでいる北口周辺も歩道の幅員が広く、並木も美しい。

 都市で暮らす上で、緑豊かな環境は不可欠です。西洋を模し、日本が近代化する際、公園の造成は欠かせないものでした。日比谷公園、石神井公園などはそうした施設の典型で、当初は都市で働く人たちの憩いの場であったのです。その後、公園には必ず交番が設置され、政治的に利用されるのを監視したり、一部軍事的に活用されたりと変遷をたどりつつ今日の姿になっています。

「風の散歩道」に続く井の頭公園は明治期の恩賜公園です。一部に動物園があったりして、初期の公園の理想が半端な形で残っています。上野公園にも動物園がありますね。

 気候や災害、健康との関係で自然を大事にする考えがありますが、それだけでなく、風景としても都市と樹木はもっともマッチする美観です。この場合は手入れが必要です。

 都市計画として、樹木の比重をもっともっと大きくしたいものです。その一つが街路樹です。街路樹の強すぎる剪定にはいつも疑問に思います。十分な幅員を持った道路に街路樹がこんもりと育っている風景、そんな一景を「風の散歩道」に見ることができます。【彬】

 

 

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