ヘアスタイル(その1)
滑り込みと言う感じでようやく入れた母校は、あの頃では少なかった長髪自由の学校だった。
この我が母校の長髪自由と言う校則が不自然と言うか不思議な校則で、なにしろ髪の毛は伸ばしても良いが、制帽着用が原則。
そのために制帽も競って洒落たデザインの帽子を探し求める。小さな店だけれど、殿町の踏切から少し離れたところに、「東京堂」なんて専門店もあり、洒落者はそこで競って買った。洒落た髪型に学生帽なんて、野暮でした。髪は伸ばし始めたが、当時は長髪とはいえ、今風に言うロン毛など皆無。私も石原裕次郎風の短いスタイルが始まり。
さて、低空飛行ながら無事に卒業して就職した先が、汗まみれで働く国鉄の保線職場。髪型なんて気にしていられません。二年後には無事に現場を卒業して技術系の事務の仕事に就きます。汗を搔くことは少なくなって、やや長めの七三分けのスタイルに変えて何十年もそのスタイルを貫きました。
(続く)