テレビでチラッと目にした文言を頼りにネットで検索した。
見つけましたこの本を。「魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う」です。
スベルベが何回も警鐘を鳴らしている、ネオニコチノイド系農薬に関する研究です。
著者の山室真澄東大大学院教授は、湖岸環境、水質、気候、植生などを丹念に調査。
平成5年(1993年)の、ネオニコチノイド系農薬の使用開始時期と、
「宍道湖」に豊富に住んでいた、ウナギとワカサギが全滅した時期がピタリと一致する。
これは、水田に使われたネオニコチノイド系農薬が河川を通して宍道湖に流入。
その結果、魚たちの餌となる動物性プランクトン、エビ・蟹の甲殻類、ゴカイなどの底生動物、
これらが全滅し、餌が無くなったウナギとワカサギは生きることが出来なくなった。
この研究は月刊誌「つり人」に7回にわたり連載されたもので、本はそのまとめです。
どうして、「つり人」と言うどう考えてもマイナーな雑誌に掲載されたのでしょう。
それは、釣り人=水辺、に関わる人たちが実感として、変化に気づいていたからでしょう。
立派だと感心させられるのは、このつり人社の編集人、山室教授が述べた言葉。
この研究が、うわべだけで独り歩きし「農薬=悪」と言う、ことになることは望んでいないという事。
私たちは、いや国もJAも農薬会社も、別な安全な農薬(例えば微生物農薬)などの研究、開発を進めなければならない。
残念ながら、今の我が国の行政、役所は国民の安全などあまり真剣に考えてはいないように思える。
ネオニコチノイド系農薬の使用基準、いえ、他の農薬も含めて外国よりも緩い場合がほとんど。
そして、怖いのは厚労省は、その農薬の食品における残留濃度も諸外国よりも高く設定している。
国の役所、農薬メーカー、JAの関係は「鉄のトライアングル」とも呼ばれる強固な関係。
お互いが持ちつ持たれつの利害関係で成り立っているのです。この点に関して我が国は後進国です。
私たちは、農薬について学び、そして実践する必要があります。将来にわたって悔恨を残さないためにも。