夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

火坂雅志著「黒衣の宰相」上・下巻 〈朝日文庫〉

2024-04-13 14:41:58 | 本と雑誌

 

 

 

徳川家康の懐刀・金地院崇伝ーとある

一体 何者か?

豊臣秀吉の死後 淀君と秀頼を死に導くいちゃもんづけをした坊主 僧侶と書けばいいだろうか

 

あの鐘に刻まれた碑文「国家安康」の言葉が 家康の名を切り離して呪いをかけている・・・などと

 

これはその崇伝が没するまでを まるでそこにその人が生きているように書き上げられた物語

 

戦いの中で家を身分をうしない 幼児の頃に禅寺で育った青年には野望があった

己の学識で世に出るのだと

世界を知ろうと海を渡ろうとして果たせず

 

やがては己が敢えて憎まれ役 悪役を引き受け

戦いのない世の中をこそ目指した

数奇な人生と言えるだろう

 

ひとりの人間として息づかせた作者の力量 すごしーと思う

数々の資料も読み解いて

 

作者のあとがき

文芸評論家にして国文学者の島内景二氏と文芸評論家・末国善巳氏の解説があります

 

コメント欄は閉じております

ごめんなさい