夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

染井為人〈そめい ためひと〉著「鎮魂」 〈双葉文庫〉

2024-06-11 23:30:14 | 本と雑誌

 

 

反社の集団の為に 学生時代 友人は暴力の被害者となり人生が変わってしまった

その正義感ゆえに社内でも浮いた存在であった中尾は その反社集団に属する男へのインタビューを偶然居合わせた店で聞いた

怒りがとどまらずインタビューを受けていた男が席を外した時に 記者に怒りの言葉を向けるが

その記者 天野は蛙の面に小便のような人を喰った態度

ところが その後 天野がインタビューしていた男 坂崎が殺された

人が恐れる反社の集団に属する男を殺したのは何者なのか

同じ反社集団の男たちが一人また一人と殺されていく

 

敵がわからず反社集団の男たちも疑心暗鬼に陥り 仲間を疑う者も

 

そんななか 殺人を犯し日本から逃亡していた反社集団の頭の男 石神がひそかに日本へ戻ってくるという

 

反社集団の男たちを殺す人間を賛美する者も現れる

それほどこの反社集団の被害者も多かったのだ

 

反社集団の暴力の被害に遭い 介護が必要な身となり 自殺した青年がいる

愛する男を守りたかった女性

その兄の存在ゆえに・・・・・

警察は罪を犯した兄を捕まえられず

兄の犯罪に苦しんだ両親は命を縮めた

 

目の前で爆死した愛する男

ならば 男が果たそうとして果たせなかったことを 自分が・・・

女は兄に銃口を向ける

 

事件を追っていた刑事は それを止められなかった

 

時に法律は犯罪者すら守る・・・

扱い方で法律は悪を味方しているように見えることもある

 

被害者はただ泣き寝入りするしかないのか

大切な人間が理不尽な被害者となってしまっても

 

ーこの先も犯罪はなくなりません。

残念ですが、それが現実です

ルールを守れる者と、守れない者。

この玉石混淆の社会を思うと、気が遠くなりますー

著者のあとがきの言葉も重いです

 

ただ法をおかす者

他人に被害をあたえる側が得をする社会であってはならない

そういう世界になってはならないーと思います

 

 

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ひとり運転で

2024-06-11 23:22:38 | 子供のこと身辺雑記

姑の施設関係の支払いは数か所あり その目的地は覚えているけれど

一応ナビの登録地で案内をかける

そして交通情報聞きたさにFMラジオも

ナビは言う 「〇〇キロ先 渋滞があります」

私は返す 渋滞 無くていいから

用事が終わっての帰り道も自宅を押しておく

バイパスの降り口近くでナビが言う「渋滞しています」

私応える でもここで下りないといけないし おとなしく待つから

もう帰るだけだから 急いでないしね

 

なんてね バカなやり取りしながら運転しております

 

ラジオにつっこんでみてみたりーとか

 

 

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ごめんなさい

 


「闇草紙」ー消えぬ光景ー

2024-06-11 23:21:21 | 自作の小説

夜釣りに出かけて女を拾った

まあ そんな色っぽい話では全くないのだが

 

さしたる釣果もなく帰ろうとすると こうカサカサ・・・耳障りな音がして

妙にその音が気になり

見つけた音の出どころが・・・女だった

若いのか年寄なのかもわからないくらいに 骨に皮膚が貼りついてみえるほどに痩せている

窶れている

着ているものもぼろぼろで

枯れた草の中 岸辺にこびりついたゴミのように倒れている

見つけた以上 放ってもおけない

声をかけたら 喋った

「捨ておいてください」

そう言われて捨ててはおけないじゃないか

暮らす長屋に連れ帰る

「腹が減ってはいないか それとも医者がいいか どこか悪いんじゃ」

横にならせて 粥でも作って・・・と こちらがバタバタしていると

女は言った

「どうにもなりません いけないのは心なんです」

 

心・・・何かとんでもないことがあってのことだろうか

ほぼおもゆのような粥のうわずみを どうにか女は飲んで・・・

一口だけ

それで

女は言うのだ

「もう・・・いけません」

と口元を抑える

 

「すみません」

それから理由を聞くと 暫く経ってから 女は話し始めた

ーーーーーーーーーーーー

「気味の良い話ではありませんよ

暫く前に あたしが暮らす一帯はひどい飢饉に襲われたんです

そりゃあ沢山の人が死にました

村中 あちこちに飢えて死んだ人が転がっていて

 

もうみんな埋める力も残っていなかったんです

そんななか 村外れにあるお寺のお坊様が そんな死体を背負って運び自ら穴を掘って埋めて下さっていたんです

読経もして下さってね

村の者は皆有難く思っておりました

なんてえらい立派なお坊様だろうと

どうにか食べる物が作れるようになってきた頃でしたか

村の子供たちがいなくなることが続いたんです

別の村でも 神隠しに子供たちがあっていると

 

十月〈とつき〉ばかりお腹に抱えて やっと産んだ この手に抱けた子供です

そんなの たまりませんよ

誰かがさらっているんじゃないかと言い出す者もおりましてね

とうとう あたしが産んだ子も消えてしまって

誰かが言い出したんです

お坊様が村を歩くと 子供たちが消えるーと

その人も自分の子供がいなくなって ずうっと捜していた人でした

いつしかお坊様が怪しいと思うようになったのだと

それでもね みんな まさかと思いましたよ

 

でも・・・でも まんがいち

万が一・・・・・

亭主とあたしは 他の人たちと一緒にお寺を張ることにしたんです

するとね 夜になってからお坊様は暗いお堂の中へ入っていくんです

最初は読経が

ところが そこに交じって聞こえてくる気がするんです

赤ちゃんの泣き声 それも激しい「ぎゃっぎゃっ・・・・・」

 

あたし あたし もうたまりませんでした

あれは あたしが産んだ子の声だ

そう思えたんです

 

誰かが戸を開け 持っていた松明をかざせば

 

振り向いたお坊様の口には 小さな指が覗いていたんです

ええ むさぼり食っていたんでございますよ

 

此の世の地獄でした

あの光景が あたしには忘れられないんです

お坊様が いえ あの鬼が繰り返すうまいのじゃうまいのじゃ

 

男たちは 松明を投げつけ 燃やしました鬼を

 

みんなね それでも もう村に暮らすことはできなくなってしまいました

 

村にいては思い出してしまいます

家族一緒に暮らすことも もう無理でした

頭から離れないのです

ずっとずっと

うまいのじゃ うまいのじゃ

この声が聞こえてくるんです

 

あの鬼はね 燃やされながら抱えた小さな体を離さず食い続けていたんですよ

 

あたしが産んだ子を

あたしの心の中では ずうっとあたしの子はあの鬼に食われ続けているんです

もう何か食べようとしても 吐いてしまうんです

飲み物も・・・・・

 

有難うございます

もう野垂れ死ぬ身でありましたに

こうして家の中でおしまいにできそうです

ご迷惑をおかけします」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

医者にも来てもらったが やはりどうしようもないーということで

それから暫くして 女は死んだ

 

女を弔ってもらった寺の僧侶に話せば・・・・・・

「聞いたことがある」

さして豊かでない荒れ寺へ向かった若い僧がいた

近くの村の野良仕事も手伝い 子供達には読み書きを教え いつしか慕われるようになっていった

そこへ未曾有の飢饉・・・・・

立ち直ったかと思われた頃に燃やされた寺

ーあのお坊様は 人食いの化け物になったとですよー

ー有難いはずのお寺は恐ろしい場所にー

ー燃やしてしもうた我らも地獄におちる 救われんのでしょうなあー

ー皆 地獄行きですて それでも我慢できんやったとですー

 

村を捨てた人々も。。。。。皆 かなしい亡くなりかたをしたのだと

 

南無阿弥陀仏・・・・・ただこの六文字を繰り返すしかできなかった

 

 

 

 

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言葉の難しさ

2024-06-11 13:42:00 | 子供のこと身辺雑記

フォローさせて頂いている方々のブログを拝見していますと その記事に寄り添うような温かな言葉のコメントを目にする

感心して読ませていただいております

かと言って自分にはそういうように優しい言葉を書けないものだから とても羨ましくも思います

 

何を書いても いい人ぶっていないか 優しい人間のふりをしていないかー

この言葉は偽善ではないかーなどと思うと・・・・

こうコメント入れたくても・・・

申し訳ないななどとも 思いつつ こうすうっと言葉を連ねられなくて

 

 

駄目ですねえ

 

 

 

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