![]() | 何者 (新潮文庫) |
朝井 リョウ | |
新潮社 |
何者の意味を考えながら読んでいました
二宮拓人という就職活動を始めている青年が主人公で語り手です
読み進めるうちに二宮がネットで何か秘密を持っているだろうことは予想がつきます
バンドのボーカルをしていた光太郎とルームシェアして同居している二宮は 光太郎と交際し別れた瑞月のことが気になっている
瑞月は偶然 二宮の部屋の一階上の住人の理香と友人だった
理香は宮本という男と同居中
二宮のギンジへの屈折した思い
二宮の気持を見抜いているらしいサワ先輩
「何者」は二宮の使う名前であることが物語の終盤 明かされます
就職活動 内定をもらう為にちょっとしたことで心がゆらいだりもする若者たち
どこにでもいる人間が主役です
生身の若者たちとほぼ同じ世代の作家さん
目を付けるところが違うなーって印象があります
軽々と日常の小道具として使いこなして 消化して
これからの時代の作家さんーという気がします
『桐島』あたりは映画版のほうが評価が高くなってしまったきらいがありますが、いえいえ、あの映画の土台を作っているのですもの、やっぱり読み応えがありました。
二宮の隠していた闇がさらけだされる時・・・・・必要なことであったのだろうけどー
不器用さ 不安 もろもろ
今 この時も就活を頑張っている人間がいるのだと思いながら
一生決める・・・・きついだろうなって思います
それでも頑張って生きて 生き続けていくんだよーとしか言えませんけれども
最後そうきたか~。
ちょっと胸が痛みました(汗
もしかして俺も今どきの子?
俺にとって感情移入できる本とそうでない本とはっきり分かれる作家さんです。