夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

田中啓文著「俳諧でぼろ儲け  浮世奉行と三悪人」 (集英社文庫)

2018-08-23 20:29:14 | 本と雑誌
俳諧でぼろ儲け 浮世奉行と三悪人 (集英社文庫)
田中 啓文
集英社





{商いのうえの揉めごとは即断・即決が要求される。町奉行の裁きを吞気に待っていられない。
大坂の町のものがそういうときに公事ごとを持ち込んだのが「横町奉行」である。
横町奉行は大坂の商人たちによって作られた役目であり お上とは何の関係もない
ある書物には「商売の道に明るいのはもちろん 諸学問にも造詣が深く 人情の機微によくつうじ利害に動じることのない徳望のある老人が
乞われてこの地位に就いた」とあるように
 横町奉行は訴えの当事者双方の話を聞いたうえで ただちに裁きをくだす
その裁断が不服でも文句を言うことは許されなかった
それを承知で横町奉行のところに持ち込むのだ
そして代々の横町奉行の裁きには 勝者も敗者も納得させるだけの力があったという]



-と作中にある横町奉行ですが 著者からの説明があります
{本作に登場する「横町奉行」は 大坂町奉行に代わって民間の公事を即座に裁く有志の町人という設定ですが
これはもともと有明夏夫氏の「エレキ恐るべし」(「蔵屋敷の怪事件」収録)という短編に一瞬だけ登場する
「裏町奉行」という存在が元になっています
この「裏町奉行」についていろいろ文献を調べ 大坂史の専門の方にもおたずねしたのですが どうしてもわかりません
有明氏の創作とう可能性もあるのですが ご本人が2002年に亡くなっておられるため 現状ではこれ以上調べがつきません
そのため本作では「横町奉行」という名称にしておりますが これは作者(田中)が勝手に名付けたおのであることをお断りしておきます}


作中 この横町奉行の座(無報酬のボランティア)に就いた竹光屋雀丸
「三すくみ」と呼ばれる三名に嘘つきを稼業とする夢八

雀丸の祖母


今回 三すくみの一人の豪商地雷屋蟇五郎が商売敵に濡れぎぬをきせられ 捕らえられて拷問を受ける
見事悪巧みを暴く横町奉行とその仲間たち


またある時は松尾芭蕉の辞世の句をでっちあげ金儲けを企む狡い人間の正体を暴く


もしくは子供たちがかどわかされる理由を解明

攫われた子供達は救い出される


今回 横町奉行に恨み持つ人間も登場
今後の横町奉行の雀丸とのかかわりも気になります




「だんだん集まる」-3-

2018-08-22 21:36:29 | 自作の小説
「イッテハイヤ」
言っては嫌と言われても 仕事がある

仕事に遅れるのは嫌だ
いい加減な人間だけに いい加減な奴だと思われたくない

「ここんとこ 僕をつけてきたのは あなた達でしょう 
なら分かりますよね 僕には仕事がある
帰ってきてから今後のことについては話し合いましょう」


「ホナ オッテエエンヤナ」 「アリガトウ ハヤクカエッテキテネ マッテル」

「オツトメ ゴクロウサンデス」



仏壇達の説得に成功し大広間の襖を閉めてから溜息が出た
他にもこういう経験をした人間がいるのだろうか

子供の頃 分からないことがあるとよく母親に尋ねた
真面目な答えが返ってくることは余りない事に気付いてからは 自分で調べるようになったが

これは特別な経験だ

母親に電話した

「仏壇のお世話のしかた?」
そう訊き返してきたあとに 小声で「もう 来ちゃったかな」と言ったように聞こえた

母と僕が暮らした家には仏壇はない だから僕にはその方面の知識が無かった

「宗派によっても多少違うみたいだけれど 仏様 二人の上人様へご飯あげて お水二つ
それからお花二つかな
で お茶をあげる」

母はどうしてそんな事を聞くのかーとは言わなかった
「時々お菓子も供えてあげれば喜ぶわよ お肉とかお魚とか生臭ものはあげてはいけないとか 言うけど
季節の果物とか 作った料理とか
そんなのも置いてみたら元気になるから
チョコでもキャラメルでも 新発売のお菓子などもいいみたいよ
目先の変わったのや 初物も嬉しがるから
機嫌悪い時は験してみたら?」

ーという恐らく一般的ではない謎のアドバイスもくれた

他にも訊いてみたい事柄が幾つかあったが 答えをきくのが些か怖くてやめた

「頑張ってみることね どんなことでも経験だから
手に負えないようなら連絡して とっときの秘訣を教えてあげるから」
笑いを含んだ声で電話は切れた


そういえば 僕は母の昔のことを何も知らない
母の両親はずっと昔に死んだと教えられた
身内と呼べる人間はいないのだと

母は同じ短大だった友人の母親が経営する学習塾でずっと教えてきて その一つを任されている

父親は結婚する前に死んでしまったー
母はそう言っていた

僕のことだって「山道で拾った 子狸だと思ってたら いつのまにか人間になってた
きっと化けて戻れなくなったんだと思う
人前で尻尾を出さないように気をつけるのよ」

ある時は「商店街のクジで当たったの 君は景品だった」

僕はいろんなものだったらしい

鉄さんの店「村のよろず屋」はお供え用の花も置いてある
十組というと大概な出費になったが仕方ない
酒饅頭を十個買って一個ずつ置くことにした

喋る仏壇がいるーなんて 人に話したらこっちの気がおかしいと思われかねない
ーと その時の僕は思っていた

仕事が終り古民家に帰り着くと 大広間に仏壇達はいた

母に言われたように水・花・お菓子・お茶を置く
「ご飯は晩でいいかな 僕はこれから寝るから まだ炊いてないんだ」
ーと仏壇に声をかけると

「アア シャベッテモイインデスネ」「オオキニ コナイニセワシテモウタンヒサシブリヤワ アンタエヒトヤナア」
「オチャ オイシイ」

「マタ ハナシシニキテクレマスカ オカエリナサイ オツカレサマデス」


たとえ仏壇の言葉でも「おかえりなさい おつかれさま」なんて言葉をかけてもらったのは どれだけぶりだろう
ちょっと じんときた

「 勿論 起きたらご飯持ってくるよ おやすみ」

すると集団の「オヤスミナサイ」が返ってきた

大広間には謎の仏壇達がいるのに 安心して僕はよく眠れた
ひどく不思議だ

どうして安心していられるのだろう




田中啓文著「浮世奉行と三悪人」 (集英社文庫)

2018-08-22 21:07:34 | 本と雑誌
浮世奉行と三悪人 (集英社文庫)
田中 啓文
集英社




元は侍
だがゆえあって現在は町人ー本物の刀と見まごう精巧な竹光を作る職人として祖母と暮らす竹光屋雀丸

その人柄を見込まれて 横町奉行になってくれと頼まれる
最初は固辞する雀丸だが幾つかの事件に関わり人の輪も広がり
とうとう横町奉行になることにー


町奉行へ訴えては解決までに時間がかかる
そんなに待っていられない

町奉行所へ届けるまではない問題などを 物事の解決のスピードアップの為に大坂の人間の智恵でできたような

時は金なり
ぐずぐずしとったら損する
そんなせっかちで面白い大坂の人間の賢さ


まだ若いが腕は立つ雀丸

嘘つきなる口達者稼業の男に
女侠客
悪徳商人と思われている男
からくり細工であれこれ作るのが好きな生臭坊主


同心を父に持つ娘


役者はほぼ揃ったところでシリーズが始まります


拾った三両の入った財布を届けた男
受け取らぬ男
この争いは小判が贋金だったことから話が大きくなり



猫が付け火をする
化け猫が火事の原因だという噂

帰ってこない猫を捜す娘


お七という名前から付け火をするようになり生家すら燃やした女
火事の騒ぎの間に泥棒する男



惚れた女を盗んだ金で身受けしようとした男

食い意地の張った口やかましい祖母の教えに悩まされつつ
割かし暢気な主人公の雀丸



こういう職業もあるのかと そうした点でも楽しく読めます

「だんだん集まる」-2-

2018-08-21 19:41:24 | 自作の小説
段々村の住人はさながら珍しい動物でも見物するように僕の事を遠巻きに見ている
中にはどういう理由からか睨みつけてくる人間もいる

よそ者は嫌う村なのだろうか


そんな中 「トクさん」と呼ばれている馬場徳二郎(ばば とくじろう)さんは珍しく親切な人だった
村のよろず屋の馬場鉄(ばば てつ)さんは従兄になるとかで


「村も色々あるからさ おいおい分かってくるさ 古い人間は面倒だしね
困ったことがあれば
馬場本家の唐十郎さんか 俺に言ってくれよ」

古民家の修理を始めた僕の手伝いまでしてくれる

ー婆様はさ唐十郎さんのおふくろ
十年前に亡くなった先代の久太郎さんはさ 何の因果か貰った5人の嫁さんが次々に死んでさ 
もう誰も嫁に行く者がいなくなった
幾ら財産あったってさ 死にたくはないやね

その久太郎さんがさ 馬場の分家の一つで 神社で古巫女をしていた大年増の雪琴様に惚れてしもうた
それが今の婆様よ

先代は婆様より20も年上で

すったもんだの末に雪琴の 婆様は話を受けて本家の嫁に行った
昔は四十の恥かきっ子なんて言われたもんだが 婆様は唐十郎さんを産んだ

「この村に必要な人間だから 何としても産む」と婆様は譲らず
先代も6人目の女房で初めて子供ができて
後継ぎが生まれたと喜んだ
 

とやかく言う者もいるけど 俺は唐十郎さん好きだ
ガキん時からあれこれ世話になってるしー


「俺はボンの味方だ」と徳二郎さんは笑う

徳二郎さんは僕のことを「ボン」と呼ぶのだ


壊れかけた雨戸 破れた障子紙の張替え

村のよろず屋で無い品を町まで買い物に行く時も徳二郎さんは付き合ってくれた

主に家の中で仕事をしている
必要な時だけ出掛ける唐十郎さんは 時々ふらりとやってきて食べ物を差し入れし 家の様子を見る

たまにじっと僕を見ている時もあった


素人でできる範囲の仕事が終わる頃 徳二郎さんの仲立ちで僕は村のよろず屋さんの夜の店番をするようになった
夜の10時から朝6時まで

滅多に客は来ないが 少しでも村に馴染めるようにと

鉄さんは9才ばかし徳二郎さんより年上
いかつい見かけに反して こちらのスキをつくように冗談を言う人だった

嘘か本当か判断しかねているのは 名前についての話だ

父親が必殺シリーズの大ファンで 念仏の鉄から「鉄」と名前を付けたと
もし弟が生まれたら「錠」とつけようと計画していたが 次が娘だったので その計画は頓挫した

ひどく迷惑な親をもったもんだーと鉄さんは言った
両親は今は 嫁に行った娘さんの近くで暮らしている
どちらも持病があり 病院が近い街の方が何かと便利だからだ


少しずつだが村の住人のことも分かってくる

どうにかやっていけるかと思うようになった頃 それが始まった

村のよろず屋からの帰り道
何かが後ろから付いてくる気配がする

ガタッ ゴトッ

振り返ろうとすると何か重い物が動くような音がする

・・・・で 振り返れば 何もいない


そのガタッ ゴトッという音が日を追うごとに複数になり増えてくる


別になまあたたかい風も吹かないし
「うらめしや~~」って声も すすり泣きも呻き声も聞こえないが
気持ちのいいもんじゃない


ある夜 村のよろず屋へ出かけようと 玄関まで行くと
重低音の声がした
まるで合唱するように 複数の声

「ハイッテモ イイデスカ」「イイデスカ」「イイデスカ」

輪唱かよーと思いつつ引き戸を開けた


「オオ アケテクレタ コレハ!」「イイデスネ ハイッテモ」「ヤレ ウレシヤ」

ズドドドドドコドン~~~~~
間抜けな風が吹き渡る


その風は奥へ奥へむかっている

ついつい後を追ってしまった

なんで後を追ってしまったんだろう


風の音は あのやけにだだっ広すぎる大広間の向こうで止んだ

襖を開けると 大広間の突き当りの壁に・・・・

なんということでしょう!
仏壇が10個並んで居た

何も無かったはずの壁に


さてこれは怪奇現象なのだろうかと暢気な事を思ってしまった

もしかしたら この村ではこれが普通の事なのかもしれないし

だったら 郷に入りては郷に従えーなのだし


スルーして 店番に出かけることにした

帰ってきたら 消えてくれてるかもしれないしね

僕は幻を見たのかもしれない


そうだ
そうに違いない


すると


「ミステナイデクダサイ」
「イッテハイヤ」

もしや仏壇というのは喋る物なのだろうか



「だんだん集まる」-1-

2018-08-20 20:29:19 | 自作の小説
勤めていた会社が倒産した
何の前触れもなく
給料日前日に

貼り紙があって会社には入れなかった

ー当社は倒産致しました
ですから給料は払えません
悪しからずー

社長の「あっかんべ~」が見えるような文面だった

抗議するとか訴訟に持ち込むとか これから頑張って活動しそうな元気な集まりも

しかし何をするにもお金がいる
生きて生活していかないといけない
仕事を見つけないと

家賃だって払えなくなる
大問題だ

まったく もう なんてこった

母親が暮らす実家は隣の県

実家に帰れば家賃はいらない

このトシで母親とまた暮らすのもなあ

それにあの人はちょっと いやかなり変わった人だし

ハローワークを信じよう
信じて進もう


そう思ってひと晩寝て・・・

郵便受けに求人のチラシが入っていた

古民家管理人求む・・・・・
家賃の心配なく住む家が確保できて そこそこの給料ももらえる

駄目モトで行ってみるか
いよいよあかんかったら 親孝行のつもりで実家に帰ろう

まだ貯金が多少あるうちに


聞いた事すらない場所を車のナビ頼りに目指した
大きな橋 小さな橋 ぐるぐる回る山道

行けども行けどもたどり着けず かなり不安になった頃
ナビが喋った
「目的地周辺です 案内を終了します」

勝手に終了するなよ!と思ったのだが ナビは沈黙

道の端に木切れがあり 何か書いてある

ーこの先 段々村ー

ー戻り道 熊 鹿 猪 猿 出没注意ー


遅ればせながら来たことを後悔し始めた

ここまで来たんだし 一応 行くかーと覚悟を決めて進むと
人間がいた!

住人は居るらしい

「おお 若者だ」

「息子の方が来たかいな」

「大丈夫かいね~」

「血がモノ言うじゃろ」

「ババ様の所へ連れていきゃあわかるわな」

なんか わらわら人が出てくる

のっそり歩いてきた 人としていい具合に枯れて見える少し痩せた男の人が僕に声をかけてきた

「古民家管理人の仕事の件でいらしたお方かな」

「はい 棺野守人(ひつぎの もりと)と申します」

「村に入る新しい人間は馬場の婆様に会ってもらうことになっている かまわんかな」

「はあ 別に」

するとその男はついてくるように言ってずんずん村の奥へと歩き始めた


車をロックして急いでついていくと一軒の家の中へ


梁がむき出しの高い天井 カタカナのコの字の廊下へと案内されて
高くなった畳に置かれた和風の椅子の中に婆様はいた

僕を一目見て その婆様は「よかろうよ」と一言

僕を案内した男に「唐のじ 気ィつけてみやれ」

「はい」とのみ唐のじと呼ばれた男は返事した


あとで その男の名が 馬場唐十郎と言うのだと知った

段々村には馬場姓が多く それで下の名前で呼ばれるらしい

でも僕は「馬場さん」と呼ぶようになった

管理を任された古民家はとても なんていうか馬鹿でかい家だった

蔵 納屋 

別棟なのと ところどころ家の中にも続きの蔵もあり
大広間が・・・とんでもなく広かった

古民家と言いながら水回りなどは手を入れてあり 寝起き用の部屋にはベッドやテレビもある
インターネットの設備も意外なことに整っていた


買物などは村のよろず屋さんで大抵の品は揃うし 足りないものについてはネットで注文となる

「空き家のままにしてくと アライグマとか鼠とか よからぬものが住み着くのでー」と馬場さんは管理人が必要な理由を言った


別な理由があるのではーと思ったが
古民家の管理だけで退屈なら 村のよろず屋が夜に働いてくれる人間を捜していると言う

「村のよろず屋」は店名で店主はコンビニを目指している・・・らしい

僕は一度暮らしていた町へ戻り住んでいた部屋を解約し 引っ越し荷物をまとめた

住所が変わることを母親に知らせると 段々村の名前を聞いた母親は一瞬絶句し 「ま・・・馴染めたらいいわねえ」
と何故か笑い飛ばしたのだった

妙な母親の態度に嫌な予感もしないではなかったが
もう引っ越してしまった


まさか化け物などは出やしまい



長岡弘樹著「道具箱はささやく」 (祥伝社)

2018-08-20 15:10:18 | 本と雑誌
道具箱はささやく
長岡 弘樹
祥伝社



「声探偵」
尾行していた男が急に振り向き・・・尾行と気付いた男は逃亡
ある会場の中に潜り込まれてしまった

この後の幾つかの短編にも登場する南谷刑事が逃げた男を見つける為に相棒の北山が考えた方法とはー
相手に花を持たせてやろうという心意気も嬉しい



「リバーシブルな秋休み」
幼い子供は両親に別れてほしくない
お父さんとお母さんと一緒に生活していたいのにー
仕事をやめたくない母親
彼女は少し意地を張っていたかもしれない
けれどどちらが子供のことを考えていたかに 別れて暮らす夫が子供にしてあげていたことで気付いた




「苦い厨房」
作った料理で勝つ為にせこい事を仕掛けたけれどー
負けたくないその気持ち
でも 押し入った犯人を捕まえる為に相手がしたことでー




「風水の紅」
幸運の時間を化粧でつくるポイントメイク

うまくいってない姑が怪我をした
最後には大やけど

そこを小姑から言われて

姑が用意していた水・・・その水の意味に思い当たる
もしや姑は本当はー



「ヴィリプラカの微笑」
繰り返される夫婦喧嘩
家事をしないと責める夫

ある像を使って互いに言いたいことは交互に言おうと決めて

階段から落ちて死んだ夫

夫が妻に用意した履物にはある仕掛けが

夫婦はどちらも互いに殺意を抱いていた・・・・・



「仮面の視線」
人を殺した男は疑心暗鬼になっていたのか
身の安全の為に自分の姿を見たと思った男は更なる殺人を

だがー相手は見ていなかったー
不要な殺人であったかもしれない



「戦争ごっこ」
思春期の言動に見えて よく周囲のことが見えて 実に考えた行動をしていた息子

痴呆症から家からいなくなり行方が分からない祖父を見つける為の わざとのー



「曇った観覧車」

病気で入院中の友人への気遣いは 男が自分への好意を告白したことで無駄になった
むしろ害になり友人の命を縮めてしまった

だから彼女はー



「不義の旋律」
妻を殺された男が密会するようになったのは夫持ちの女

女はロケットに男との写真を入れていて

その中を女の夫は見て

全てに思い至った男は不倫を止めるー女と別れる選択を



「意中の交差点」
娘に恋人か思う相手がいないか調査してほしい
その仕事を引き受けた探偵事務所の女性はこの仕事が終われば やめて帰郷し結婚のことを考えようと思っていたけれどー

調査対象の娘のしていた偽物のショパールの時計

別な人間は そこから娘の思う相手に本気だと気付く



「色褪せたムンテラ」
息子の入院している病院にいた南谷刑事は事件に遭遇してしまう

心配して息子の病室へ向かうと息子がいない

息子を探す南谷は意外な人物と遭遇

その人物こそはー




「遠くて近い森」
遠縁の男と暮らしていた少年
彼は遠縁の男が経営する宿を手伝っている
そこに現れた女性客の様子は・・・・

姿を消す少年が世話をしていたペット

遠縁の男は少年との別れにそなえた行動をとっていた




「虚飾の園」
ストーカー被害に悩んでいる若い芸能人
マネージャーがストーカーを捕まえて動けなくしてくれたがー

マネージャーの娘もデビューを控えていた

親は娘の為に どんなことでもしてしまうのだ




「レコーディング・ダイエット」
増えた体重を気にして食べたものを記録していくばしかのダイエットに成功した医師
彼は患者にもそれを勧めた
話のとっかかりとして


医師を襲う続く事故
実はそれはー
ここでも南谷刑事さん登場場面あり



「父の川」
妹は可愛い
姉は妹と似ていない

離婚を決めた両親
きっとどちらも妹をほしがるにちがいないと思う姉

一緒に行った川遊びで様子がおかしかった父は川に流されー

父の気持ちを考えた姉娘はー



「ある冬のジョーク」
完璧な犯行だと思っていた男だったが
男の反応から南谷刑事は気付いた

笑い上戸の男は何故ジョークに笑わないか





「嫉妬のストラテジー」
自殺を図った恋人
もう自殺しないようにと医師が仕掛けたのは



「狩人の日曜日」
南谷刑事の後輩刑事は 犯行予告の電話をかけてきた相手のためらいに
自分の知る人間が犯人ではないかと考え始め


今の状態の自分の声を知っている人間に思い当たる

犯人に犯行を起こさせない為に ちょっとしたことを思いついた

その思い付きは成功し犠牲者は出なかった





様々な道具
ニヤリとしたり おっそろしいなと思ったり


冒頭の「声探偵」の時に結婚間近で課長からの指示を受けていた南谷

その後の作品には高熱で入院する息子がいて


最後の作品では刑事課長になっています


短編集ですが 時間は流れています




見た夢を振り返って

2018-08-19 15:38:09 | 子供のこと身辺雑記
大抵の夢は起きると -起きなきゃー でも眠い -起きないとー
ー仕方ない 起きよう!なんてやってる間に忘れてしまう

でも時々 起きてから思わず笑ってしまう夢もある


私には幾つか夢の中に出て来る家があって
その一つが二階の真ん中くらいにある和室で北側に仏壇がある家

西側に外階段があり庭からも二階に入れるし 玄関から入った東側の階段もあり それとは別に廊下側にも階段があり これは上がって突き当たりの納戸を左手に見ながらー回るように他の部屋へ廊下がついている


以前はこの二階の和室の北側に仏壇が一つしかなかった
この隣が夢に出てくる「自分」が使う部屋になっている

夢の中の家なので多少の間取り変更などはある
先日は二階の和室の北側に仏壇が並んで3っつ

その上西側の引き戸横にも一つと仏壇が四つに増えていた
夢の中でも その部屋に入るのを怖がる自分がいる

夢の中の「自分」は誰か訪ねてきた人に二階を案内していた
訪ねてきた人は部屋に四つの仏壇を見て かなり恐がる
そして平気なのかと 自分に尋ねてくる

そこで夢の中の自分は「もう慣れた」と笑っていた

夢の中の自分ながら いかにも自分らしいと 起きてから笑ってしまった

だけど怖さに慣れるなんてあるのだろうか

夢の中で物事は様々に現実にはあり得ない変化をする
いつか この夢の中の部屋に入り 四方が仏壇になっていたら もうその部屋から出られない
ましてや この仏壇達が四方から迫ってきたら 夢の中の自分はどうするのだろう

怖さに慣れた夢の中の自分は迫る仏壇達をぶっ倒して脱出するのだろうか
それとも素直に仏壇に押し潰されるのだろうか

現実に部屋の中で勝手に増える仏壇なんてあったら迷惑極まりないのだけれど

仏壇が増える
勝手に増える
どんどん増える
部屋中ぎっしり仏壇


仏壇は重たいし全部部屋から出すのも大変

ーなどと起きてから見た夢を思い出し 不謹慎な妄想までしたりする

米澤穂信著「満願」 (新潮文庫)

2018-08-17 20:22:46 | 本と雑誌
満願 (新潮文庫)
米澤 穂信
新潮社



ドラマ化されてNHKで先日三夜連続で放送されたのですが・・・・このドラマの予告というか宣伝が ややホラーっぽいツクリで 追い込むような音楽と相まって
ひどく心をそそられました

短編集ですが共通するのは「謎」

どうして
何故

「夜警」(ドラマだと第二夜に安田顕さん主演)
妻を傷つけた男 刃物持ち暴れる男が向かってきて若い警官は発砲するも首を斬られて失血死
殉職した警官の真実はー

かねてからその若い警官に警察官としての危うさに気付いていたベテラン警官は あれこれ思い合わせ
つなげて恐らくこうだったのだろうーという考えを持つ
ベテラン警官は過去 こいつは警官でいてはいけないと思う人間が自ら辞職するように仕向け
結果 その人間は首吊り自殺をしていた
今回殉職した警官は その兄によれば銃を撃つのが好きで 銃が撃てるから警官になったのではないか
その弟が助けを求めて来た
とんでもないことをしたのだと思った・・・と

小心者で変に狡さも持ち合わせた男の企んだ計画
計画はうまくいったのにーしかし・・・・・



「死人宿」

上司について悩んでいた女性が消えて2年 居場所が分かり駆け付けた男
生きていてくれるならいいーそう思っていたのに 連れて帰りたいと願うようになる

その女性は男が変わっていないと言い 試すように見つけたという客の遺書を出す
自殺しようとしているのは どの客であったのか

男が見つけた自殺しようとした男の他にも自殺しようとこの宿に来ていた女性は死んだ
その女性の死のうとする装いに気付けなかった男に 聞こえる言葉



「柘榴」
美しく生まれ付いた娘は好きな男をかちとる
だがそれは幸せの始まりではなかった
男はろくでなし

娘はやがて母親となり その娘二人も美しくー

そうして娘は母の若い頃と同じ性格でもあった
欲しいものを得る為なら手段は選ばない

嘘もつく
人を傷つけることも罪とは思わない

いつか破滅は目に見えているのに 気づけない・・・・・
美は全ての免罪符ではないのだから


「万灯」
仕事の為に人を殺す・・・・殺さなくてはいけない立場に立たされた男
一緒に殺した人間はおじけづき日本へ帰国した

このままその人間を生かしておいては自分の罪が露見する
殺す為に帰国し 死体も埋めたが
殺した相手の病気が自分にも伝染したかもしれない
もしも発病していたら 自分が殺人した逃れようない証拠となる
自分は発病しているのか・・・・・
裁かれるのかー
第一夜 西島秀俊さん主演で放送されました


「関守」
先輩からのネタを調べるフリーのライター
そこでは事故死が続く
店の老女が語るのは・・・
よせばいいのにーライターは二杯目のコーヒーにも口をつけてしまった

老女は待っていたのだ
蜘蛛が網を張るように
巣に捕らえられた者の先は死しかない



「満願」
今は弁護士となった男が下宿していた家の奥さんが人を殺した
裁判で男は弁護を
だが夫が病死すると奥さんはもういいーと刑に服した

病死した夫には借金があった
差し押さえされないように競売されないように奥さんが守りたかった家宝・・・・・

その為の「計画的な殺人」であったのか

下宿していた頃 ひどく親切にしてくれた奥さん
でも その動機は


後ろ向きに置かれていた達磨
何故なら・・・・


第三夜 高良健吾さん主演で放送されました



それぞれの短編の中でさりげなく伏線がちりばめられており つながり深い意味を持つ言葉となる
先の破滅は もう書かれていた


注意して お読み下さいませ




好きなスターさん

2018-08-16 21:25:18 | ちょっとヒイキの引き倒し?!
少し時間に余裕があると好きな舞台のDVDや動画などを観ています
(主に宝塚歌劇団の舞台ですが)


なかでも花組二番手から昨年に組替えで宙組の二番手となられた男役スターの芹香斗亜さん(93期生)が好きで 花組以前の下級生時代の星組での舞台などでも
捜して観たりなどしております
(星組バウ「アンナ・カレーニナ」  「再会」 「ノバ・ボサノバ」「リラの壁の囚人たち」 紅譲さん主演の新人公演の「スカーレット・ピンパーネル」とかね)

2011年には轟悠さん(専科生であり理事長さん)のディナーショー「今宵きみと」に星組生として芹香斗亜さんは出演しておられますが この時研5くらいかな
他のメンバーが優香りこさん(元星組娘役 91期生) 妃海風さん(元星組トップ娘役) 綺咲愛里さん(現・星組トップ娘役) 紫藤りゅうさん(星組男役96期生)

振り返ればトップ娘役二人が出た凄いメンバーです

一番上級生になる優香りこさんにしても当時は研7生で 研5の芹香斗亜さんとが参加メンバーの中では上級生になり
とはいえ研7まではまだ新人公演に出る学年なのですが

轟理事長は優香りこさんの事は豆芝と呼んでいました

で芹香斗亜さんについては 研1(一番下っ端学年)の時は声も小さかったのにーこのたびのショーの練習では一番賑やかだと紹介
面白いことをする中心人物であったそうです

轟理事長は遥か雲の上のような学年のお方 度胸あります芹香斗亜さん
私が観た動画とは別の日のショーに行かれた方が書かれたサイトさん↓

https://anahobe.exblog.jp/14349290/

こちらでは理事長さんが芹香斗亜さんのことを 黙っていればクールな二枚目ーと形容
面白いやりとりを書いて下さっております


あと宝塚歌劇の雑誌「ル・サンク」など眺め返して
芹香斗亜(度)不足分補充など




















こちらは「ウエストサイドストーリー」でベルナルドの恋人アニータ役の和希そらさん






お芝居の声も踊りも演技も素敵です







しかし この「ウエストサイドストーリー」の舞台は著作権の関係でDVD化はされません
もう残念でしかたなくって ただ悔しがっております


ところで宙組は今年 篠原千絵さん作の少女漫画「天⦅そら⦆は赤い河のほとり」を上演しました
芹香斗亜さんは後にラムセス1世となるウセル・ラムセスを演じておられます
現代の日本からナキア皇后の魔力により古代社会ヒッタイトにさらわれる高校生・鈴木夕梨ーユーリはヒッタイトの第三皇子のカイルに愛され
いつか暁の女神・イシュタルと呼ばれるようになりますが
エジプト軍のラムセスもユーリの資質に気付き彼女を自分のものにしようと動きます
が!ユーリはカイルとの恋を選びます

芹香斗亜さん演じるラムセスのその後を少し想像を逞しくした物語など

「「その砂のごと・・・」」
風が吹く 灼けた熱い砂を巻き上げる
砂は いずこより舞い降り訪れる
そしてまた彼方へと去り行くか
儚きものよ

重責から逃れるように時に独りとなる男がいる
偉大なるエジプトのファラオ・ホルヘムエブの忠実なる腹心にして親友
軍の司令官にして宰相でもある
彼は次なるファラオの地位も約束されている
その地位は揺るがぬ

だがー
戦いは終わったと思っても まだ次なる諍いの種が生まれてくる

たとえ小さな争いでも誰かの命が失われる
抗う事もできぬ弱い者ほど犠牲になる
身を守る術も持たず・・・その命は消えていく

その男の持つ高い理想 果てしない夢
どれほど苦心し腕を伸ばそうと夢の高みには手が届かぬ
それでもー

男はその理想を夢を諦めない
諦めは敗北を意味する
敗北は男にとって我慢ならないことだ

後にラムセス一世と呼ばれた男
如何なる敵にも怯まなかった男

国境に異状がないか僅かな部下を連れ見回りに出ていた男は穏やかならぬ砂煙に気付く

野盗が獲物を襲っているのだった
その男ラムセスが駆け付けた時 野盗達は生き残りの一人を嬲るようにその身を切り刻んでいた
瞬時にラムセス達が野盗を蹴散らしたがー
体中から血を流して その者の命は消えようとしていた


異国の者らしいその男がどうにか言い残したのは 乗船が難破し上陸せざるを得なかったこと
主人の筋の幼き娘を護る為に荷物の中に隠していること
その娘の名はディアン
傷ついた男は自分の名は言うことなく命絶えた

そしてラムセスは見つけ出した子供の姿にとらわれた

白い肌 輝く緑の瞳 波打つ金の髪の・・・

野盗より救い 死んだ男に託された娘ディアンを宝玉のように大切に育てた

子供はすぐに少女に・・・そして乙女になる

身に着けた最高の教養 女性としての嗜み
そうしてディアンはラムセスが教えようと思わなかったものまで習得していた
彼女が何より熱心に学んだのは戦い方
武器の使い方 身のさばき方


ラムセスは彼女を安全な場所に置いておきたがったが 娘が望んだのは真逆なことだった
彼の傍にあって共に戦うことを願い望んでいた

ー愛する貴方を守りたい -
荷物の中から取り出され 怯え切っていたディアンを優しくみつめ微笑んで 深い声で語りかけてくれた男
その頃 この国の言葉はわからなかったけれど その声の響きに もう何も怖くないと思えた
この御方のお傍にいれば もう何も恐ろしいことはないのだと

やがてこの御方のお傍にいられる 
いて相応しい女性になりたいと願うようになり

この御方が守って下さったように それ以上にこの御方
ラムセス様を守りたい
自分が傍にいることでやすらぎを感じてほしい

そして・・・愛されたい
いつしか それこそが彼女の生きる願いとなった

大エジプトには牙をむく強大な敵は殆ど残っていなかったが
ラムセスの地位を羨む者はいた
取って代わろうとする人間達が放つ刺客も

美しく成長したディアンに惹かれる男としての心を抑えようと
ラムセスはディアンの相手探しを試みる

ディアンはラムセスが勧めるどの男にもその瑕疵をあげつらう

「どのような男なら気に入る」

「我が心は幼き日よりずっと一人の御方にとらわれております」

ディアンのラムセスに向けた心 その想い
この男らしくもなく戸惑う
「お傍にいられないなら死にます!」

愚かなほどひたむきな心 その愛
ただただ一途に

その花のような娘にどうして抗えよう

ラムセスの片翼のようにディアンは寄り添う

寄り添いすぎてラムセスを狙った毒矢に射られた

「御身の代わりとなれて幸せです
どうか命ながらえ その夢をかなえて下さいまし
人々が安心して暮らせる平和で美しい国を・・・」

花は散った この世から消えた
ラムセスがその生涯において最も激しく愛した乙女は


本当にいたのか

確かにいた

それなのに

躯は冷たくその唇は もう何も語らない





さてラムセス一世の息子セティ一世は王妃のミイラと共に2000年にアメリカのアトランタで発見され その後2002年にアメリカからエジプトへの帰国を果たしたそうです

そしてラムセス2世はヒッタイトと和睦を結び ヒッタイトの王女を妻としたとか


ピラミッドとスフィンクスの国エジプトの歴史は想像(妄想も)を誘う材料がいっぱいです

ピラミッドといえばミイラ男だし










それなりの・・・お盆です

2018-08-14 08:25:32 | 子供のこと身辺雑記
お盆もどんどん手抜き傾向にある私

仏壇の脇に置いた花には お盆には必ず鬼灯を入れるようにしていて・・・花瓶にさすのに使えないから切った下側にある鬼灯の実を玄関の下駄箱の上に置いています



ご先祖様への明かり代わりに・・・





お供えもどんどん「ぞんざい」になっていっています





気は心ーよねと 届いたお供えを並べ 母の好きだった西瓜をでんと置き 庭でとれた南瓜を

やっと主人が今日・明日は盆休みなので この二日間は私は姑の家に行かなくていいです

自分が姑の家にいるから大丈夫ーと主人が自信を持って言っておりますし お任せしましょう

お供えは揃えておいたし 主人が買ってきていた野菜は皮をむいて切っておいたから・・・・・
あとは主人が自分が好きな「謎料理」をつくればいいし・・;
そこは深く考えない 想像しないように・・・しておこう




忘れてて・・・後から置いた胡瓜と茄子のインチキなおうまさん^^;
ご先祖様 ごめんなさいーと思いつつ

「華麗なる激情」(1965年 アメリカ映画)

2018-08-13 20:15:26 | 映画
華麗なる激情 [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



ミケランジェロの作品は美術の教科書や百科事典で眺めることができる

怪物ゴリアテに石を投げようとする若者・ダビデ像
ピエタ

そしてシスティナ礼拝堂の天井画


教皇ユリウス2世はミケランジェロに命じて描かせた


彫刻家 絵は素人というセリフが映画の中で出てくる

同じ時代には大天才のレオナルド・ダ・ヴィンチもラファエロもいた


フレスコ画を描くのは大変で・・・・
ユリウス2世との関係も良いとは言えず 描き始めても何かすっきりせずいたミケランジェロは酒場のおやじの言葉に天啓を得る

新しい開けたばかりの酒樽でも腐っているなら捨てるのだーと樽を壊す店の主人

ミケランジェロは素人目には悪いできとは思えない せっかく描いた絵を削りそぎ落とすように消す

そして逃亡

石切り場で体を動かしている
何かを求めて

教皇の命令でミケランジェロを捕えに兵がやってくる

逃れてさまようミケランジェロ

そうして遂に描くべきものを見出した

教皇に構想を話し下絵のスケッチも見せる

戦争中だった教皇はミケランジェロに護衛をつけておくらせる
仕上げる前に戦いに巻き込まれ死なれては困るから


報酬をめぐって 天井画が仕上がる時について 幾度も幾度もユリウス2世とミケランジェロはやりあう

物別れに終わり もう他の者に任せる クビだ!

こんな仕事はやめてトルコに行って橋をつくる!


ミケランジェロを男として愛する女性コンテシナ(ダイアン・シレント)の助言

若い頃ミケランジェロはコンテシナを愛しているつもりだった

また違う時には美しい娼婦に恋したつもりだった
どうでもいい詩も贈った 書いた


だがー今もミケランジェロの愛を求めるコンテシナに ミケランジェロは言います
男女の愛をこえたもの

ミケランジェロはそれでみたされている
彼の心は もっと違う次元のものに向いているのです



天井を見上げ続けて描くということ

顔は絵具まみれ 筆の軸を絵具は垂れ落ち

描いても描いても完成しない


教皇は苛立ち完成を催促


徹夜して描き続けるミケランジェロは遂に体を壊します


このままでは完成しない

他の者(たとえば台頭する若き天才ラファエロ)にまかせようか


冷たくも聞こえる教皇の言葉

しかしそれはミケランジェロを奮い立たせるための計算

その言葉通りミケランジェロは再び絵筆を持ちました



ラファエロ(トーマス・ミリアン)は自分にはミケランジェロのようには描けないと
ミケランジェロでなければー



またユリウスが危篤になった時には 今度はミケランジェロがユリウスにはっぱをかけるのです
そして一旦はユリウスは無理矢理元気に・・・・

思えば戦い続けた教皇ユリウス2世でした

その晩年において漸くユリウス2世とミケランジェロは互いを理解しあうのです



長い年月の末に漸くこの天井画が完成します

ある場所の壁画の修復をミケランジェロに依頼する教皇ユリウス2世

ミケランジェロは教皇の霊廟が先だと

さからうーというユリウスですが己の体調を鑑み やはり霊廟が先だと



ユリウス2世の存在あってこそ完成した後世に残る大作

ミケランジェロは深い教皇の心に気付き 心からその前に膝まずきます




教皇ユリウス2世は必ずといっていいほど言葉の最後に「MY SON」(マイサン 我が息子よ)とつけます


ミケランジェロを演じるのはチャールトン・ヘストン
教皇ユリウス2世を演じるのはレックス・ハリソン

この二人の演技合戦も見ものです


私がこの映画を観ながら思い出したのは もう一つのミケランジェロ
宝塚歌劇団・花組トップスター愛華みれさんの退団公演「ミケランジェロー神になろうとした男」
ミケランジェロを愛するコンテッシナ・メディチに大鳥れいさん

途中で死ぬ少年役を後に花組トップスターになられた蘭寿とむさんがを演じています
(新人公演での主役も蘭寿とむさん)


1枚の画用紙に描くのすら大変です

それが上を向いて高い場所でずうっと描き続ける
どれだけの体力と忍耐力が必要なのか


芸術というもの


かくも広い場所を埋めつくすおおいつくす画


凄い!

どれほど首が痛かっただろう
腕が重かっただろう

あれこれ思えば ただただ圧倒されます

ところで同じ時代のレオナルド・ダ・ヴィンチと彼にまつわる人物が登場する舞台がこの秋 宝塚歌劇団の宙組によって公演されます
レオナルド・ダ・ヴィンチはチェザーレ・ボルジアとも交流があった人物です

このチェザーレ・ボルジアについて書かれた塩野七生女史著「チェザーレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」
とても好きな作品です

一つの映画で一冊の本で 舞台で興味が拡がり世界がひろがる
それはとても素敵な事だと思います



お目付けランちゃん

2018-08-12 17:09:01 | ペット
水撒きしてるとホースにからむ ホースを踏む
果ては勢いよくかけてきて胸に飛びついてくる

犬の水入れの水を替えていると 前足をつっこみかき混ぜる 顔をつっこんで首をぷるぷる振るマリー

「邪魔!」と私が叱ると さ~~注意!とおしおき!とラン(秋田犬)が近づいてくる

むかって吠えるマリー(ランお姉ちゃんコワイけど 負けへんもん 負けへんもん)

しかしその時点で君は負けている

更にランが近付いてくると







大急ぎで手近な場所にある犬小屋の中

それも一番古くて小さいのに逃げ込む


ランが怖いのなら喧嘩売らずに大人しくしていればいいのに



近寄らんといてコワイやんーと言いたげなマリー







マリーを相手にはせず ただただ呆れ顔のラン


たまには堂々とジャーマン・シェパードらしいマリーを写そうと思ったのに 


ランは私が庭に下りても用事をしている時は少し離れた場所から見ていて マリーがあんまり私の邪魔をするようなら 
マリーに睨みをきかせに おっとりとしかし圧はマリーに与えつつ近づいてまいります

生まれて一年 麦丸クン

2018-08-12 17:01:03 | ペット
庭に出た私を家の中からカーテンに上ったりして見ていた麦丸

私が部屋の中に戻り落ち着いたら 安心したのか 丸まって眠りました







それはいいのだけれどね
麦丸よ

君が眠っているのって・・・テーブルの上

ちょっと厚かましくないかい

遠慮なし
傍若無人の麦丸です
(躾けがなってない 行儀が悪いとも言うーー;)

盆間近 夏の緑を 惜しみつつ

2018-08-12 16:49:05 | 子供のこと身辺雑記
姑の家に行かなくてもいい日曜日は家の中と庭とを出たり入ったりしています

汗が引く 
庭に出る

この繰り返しです

足と顔と手をじゃぶじゃぶ洗って
出掛けない日は化粧してないから そのままざぶざぶ子供みたいに顔を洗えるのが嬉しい

でもって収穫



いっぱいのミニトマト

どうしようか悩んだ南瓜さん





迷った時は収穫どきーとばかりにとってきて洗いました





で トマト
先日 真っ赤になるまで置いていたら 既にへたってしまっていたので 
もういいや!ととってきたの



仏壇前に置いています


埋めた生ゴミから育つ良いコ





もしも何か実ればめっけもの~~~と思って時々水やりなどしております^^;





何よりも 私を見てと 猫の言ふ

2018-08-11 19:38:15 | ペット
夕方 姑の家に行く時 珍しく長男もついてきた
お盆前 お仏壇に手など合わせてお線香あげて

私が姑の食事の支度をするのを やや珍しそうに眺めていた


そして帰宅後・・・・・
着替えてから夕飯を長男の居る隣の部屋に置きにいったら















長男が好きなサッカー・チーム・(ヴィッセル神戸)の応援でテレビ観戦

そのテレビの上に瑠奈がいた・・・・・


長男いわく「テレビより自分を見てーって事やないかな」

瑠奈 どんだけ長男の事が好きやねん・笑