習近平国家主席が言い出した「共同富裕」の実態は「共同貧困」である。つまり、「文化大革命」を強行した毛沢東時代に戻ることだと宮崎正弘氏。
中国では、貧困階層が 6億人以上と推定され、地方の生活は苦しくなるばかりだ。都会へ出稼ぎに出たのはいいが、あちこちの建築現場は工事中断となっている。
せっかく大学を卒業しても、月給3000元(約 5万円)では、アパートの家賃も払えない。若者は未来への希望を失い、最低限の生活を送るだけの「寝そべり族」が急増した。結婚も子供づくりも諦めた。
一方で、不動産価格が高騰し続け、北京の都心ではマンションが2億円と東京より高い。大もうけをしたのは共産党幹部たちだった。
金持ちからカネを吐き出させる格好の標的は富裕層。だから、習氏の「共同富裕」に、富裕層が戦々恐々となる。
もうかっている企業は寄付キャンペーン競争を開始し、映画スターは脱税を問われる前に外国籍取得に走る。学習塾が経営難に陥り、家庭教師の失業は200万人とも300万人ともいう。
「デジタル人民元」の普及は全国民を監視する。「治安が良くなるから社会が安定し、社会主義に戻ることは賛成だ」と共産党の宣伝に乗せられた庶民が多いのには驚かされると宮崎氏。
マネーロンダリング、不正送金を防ぐために「ビットコイン全面禁止」、ついでマカオの「カジノ規制」を強行した。
香港の民主化を弾圧したため、従来の国際金融都市の機能は顕著に低下した。香港の優位を失う危機も顧みないのであると。
このような、浅知恵による「すり替えの世論操作」は世界に見透かされている。持続的安定が不可能な、中国の体制矛盾がもたらすものとは何か。
約 6億人の国民は月に 1万7000円以下で暮らしているが、金持ちは豪邸に住み、自家用飛行機を持ち、愛人を囲っている。富裕層への憎悪を他に振り向けるため、台湾への軍事侵攻を煽る。
「不都合な真実」を隠蔽することは得意な全体主義にも脆弱性がある。党内の不満による「見えない脅威(=クーデターの脅威)」を人事で抑え、敵対矛盾にすり替えて体制維持しようとするのが当面の作戦だろうと宮崎氏。
しかし、国民の不満は爆発寸前であると。
果たして、第二の「文化大革命」に立ち上がる勢力は出てくるのでしょうか。歴史上、独裁者は必ず倒されるのですが如何。
# 冒頭の画像は、習近平主席
この花の名前は、スイフヨウ
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【断末魔の中国】「共同富裕」は第二の「文化大革命」 富裕層が標的の内部矛盾…国民の不満は爆発寸前、習政権によるすり替えの世論操作か - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2021.10.14
毛沢東時代は「みんなが均等に貧乏」だった。その時代を理想とするわけでもないだろうが、習近平国家主席が言い出した「共同富裕」の実態は「共同貧困」である。つまり、「文化大革命」を強行した毛沢東時代に戻ることだ。
中国では、貧困階層が6億人以上と推定され、地方の生活は苦しくなるばかりだ。都会へ出稼ぎに出たのはいいが、あちこちの建築現場は工事中断となっている。
せっかく大学を卒業しても、月給3000元(約5万円)では、アパートの家賃も払えない。若者は未来への希望を失い、最低限の生活を送るだけの「寝そべり族」が急増した。結婚も子供づくりも諦めた。
一方で、不動産価格が高騰し続け、北京の都心ではマンションが2億円と東京より高い。大もうけをしたのは共産党幹部たちだった。
だから、習氏の「共同富裕」に、富裕層が戦々恐々となる。まさに内部矛盾である。
金持ちからカネを吐き出させる格好の標的は、企業経営者や映画俳優、歌手、学習塾、ゲーム産業となった。もうかっている企業は寄付キャンペーン競争を開始し、映画スターは脱税を問われる前に外国籍取得に走る。学習塾が経営難に陥り、家庭教師の失業は200万人とも300万人ともいう。
「デジタル人民元」の普及は全国民を監視する。「治安が良くなるから社会が安定し、社会主義に戻ることは賛成だ」と共産党の宣伝に乗せられた庶民が多いのには驚かされる。
マネーロンダリング、不正送金を防ぐために「ビットコイン全面禁止」、ついでマカオの「カジノ規制」を強行した。香港の民主化を弾圧したため、従来の国際金融都市の機能は顕著に低下した。香港の優位を失う危機も顧みないのである。
このような、浅知恵による「すり替えの世論操作」は世界に見透かされている。持続的安定が不可能な、中国の体制矛盾がもたらすものとは何か。
約6億人の国民は月に1万7000円以下で暮らしているが、金持ちは豪邸に住み、自家用飛行機を持ち、愛人を囲っている。富裕層への憎悪を他に振り向けるため、台湾への軍事侵攻を煽る。
「不都合な真実」を隠蔽することは得意な全体主義にも脆弱(ぜいじゃく)性がある。党内の不満による「見えない脅威(=クーデターの脅威)」を人事で抑え、敵対矛盾にすり替えて体制維持しようとするのが当面の作戦だろう。
しかし、国民の不満は爆発寸前である。
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■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『日本人が知らない 本当の路地裏中国』(啓文社書房)、『中国が台湾を侵略する日』(ワック)など多数
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毛沢東時代は「みんなが均等に貧乏」だった。その時代を理想とするわけでもないだろうが、習近平国家主席が言い出した「共同富裕」の実態は「共同貧困」である。つまり、「文化大革命」を強行した毛沢東時代に戻ることだ。
中国では、貧困階層が6億人以上と推定され、地方の生活は苦しくなるばかりだ。都会へ出稼ぎに出たのはいいが、あちこちの建築現場は工事中断となっている。
せっかく大学を卒業しても、月給3000元(約5万円)では、アパートの家賃も払えない。若者は未来への希望を失い、最低限の生活を送るだけの「寝そべり族」が急増した。結婚も子供づくりも諦めた。
一方で、不動産価格が高騰し続け、北京の都心ではマンションが2億円と東京より高い。大もうけをしたのは共産党幹部たちだった。
だから、習氏の「共同富裕」に、富裕層が戦々恐々となる。まさに内部矛盾である。
金持ちからカネを吐き出させる格好の標的は、企業経営者や映画俳優、歌手、学習塾、ゲーム産業となった。もうかっている企業は寄付キャンペーン競争を開始し、映画スターは脱税を問われる前に外国籍取得に走る。学習塾が経営難に陥り、家庭教師の失業は200万人とも300万人ともいう。
「デジタル人民元」の普及は全国民を監視する。「治安が良くなるから社会が安定し、社会主義に戻ることは賛成だ」と共産党の宣伝に乗せられた庶民が多いのには驚かされる。
マネーロンダリング、不正送金を防ぐために「ビットコイン全面禁止」、ついでマカオの「カジノ規制」を強行した。香港の民主化を弾圧したため、従来の国際金融都市の機能は顕著に低下した。香港の優位を失う危機も顧みないのである。
このような、浅知恵による「すり替えの世論操作」は世界に見透かされている。持続的安定が不可能な、中国の体制矛盾がもたらすものとは何か。
約6億人の国民は月に1万7000円以下で暮らしているが、金持ちは豪邸に住み、自家用飛行機を持ち、愛人を囲っている。富裕層への憎悪を他に振り向けるため、台湾への軍事侵攻を煽る。
「不都合な真実」を隠蔽することは得意な全体主義にも脆弱(ぜいじゃく)性がある。党内の不満による「見えない脅威(=クーデターの脅威)」を人事で抑え、敵対矛盾にすり替えて体制維持しようとするのが当面の作戦だろう。
しかし、国民の不満は爆発寸前である。
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■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『日本人が知らない 本当の路地裏中国』(啓文社書房)、『中国が台湾を侵略する日』(ワック)など多数
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中国では、貧困階層が 6億人以上と推定され、地方の生活は苦しくなるばかりだ。都会へ出稼ぎに出たのはいいが、あちこちの建築現場は工事中断となっている。
せっかく大学を卒業しても、月給3000元(約 5万円)では、アパートの家賃も払えない。若者は未来への希望を失い、最低限の生活を送るだけの「寝そべり族」が急増した。結婚も子供づくりも諦めた。
一方で、不動産価格が高騰し続け、北京の都心ではマンションが2億円と東京より高い。大もうけをしたのは共産党幹部たちだった。
金持ちからカネを吐き出させる格好の標的は富裕層。だから、習氏の「共同富裕」に、富裕層が戦々恐々となる。
もうかっている企業は寄付キャンペーン競争を開始し、映画スターは脱税を問われる前に外国籍取得に走る。学習塾が経営難に陥り、家庭教師の失業は200万人とも300万人ともいう。
「デジタル人民元」の普及は全国民を監視する。「治安が良くなるから社会が安定し、社会主義に戻ることは賛成だ」と共産党の宣伝に乗せられた庶民が多いのには驚かされると宮崎氏。
マネーロンダリング、不正送金を防ぐために「ビットコイン全面禁止」、ついでマカオの「カジノ規制」を強行した。
香港の民主化を弾圧したため、従来の国際金融都市の機能は顕著に低下した。香港の優位を失う危機も顧みないのであると。
このような、浅知恵による「すり替えの世論操作」は世界に見透かされている。持続的安定が不可能な、中国の体制矛盾がもたらすものとは何か。
約 6億人の国民は月に 1万7000円以下で暮らしているが、金持ちは豪邸に住み、自家用飛行機を持ち、愛人を囲っている。富裕層への憎悪を他に振り向けるため、台湾への軍事侵攻を煽る。
「不都合な真実」を隠蔽することは得意な全体主義にも脆弱性がある。党内の不満による「見えない脅威(=クーデターの脅威)」を人事で抑え、敵対矛盾にすり替えて体制維持しようとするのが当面の作戦だろうと宮崎氏。
しかし、国民の不満は爆発寸前であると。
果たして、第二の「文化大革命」に立ち上がる勢力は出てくるのでしょうか。歴史上、独裁者は必ず倒されるのですが如何。
# 冒頭の画像は、習近平主席
この花の名前は、スイフヨウ
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