絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

越谷宿の歴史ある家たちプラスα  33  納屋にしている蔵 A・B

2013-07-17 17:06:24 | 絵画

この家の蔵は納屋として農機具などの収納に使っているようです。

下の絵も同じ納屋を別の方向から描いたものです。

今まで描いてきた歴史ある家たちは主に商家でした。

この家は街道にも面していないし、奥まった場所にありますから

昔から農家だったと思われます。

戦後の土地改革で多くの農地は小作人に払い下げられました。

大地主の農家はほとんどの土地を取り上げられて

自分が耕作していた土地のみが残りました。

山林とか宅地はこの改革には会わなかったから、

都会の大地主と山林王はそのまま財産を保有できたのです。

戦後のドサクサに紛れて随分荒っぽいことをやったものです。

GHQの威光でやれたことでしょうが、農地だけを狙い撃ちにした

片手落ちの施策でした。

おそらくこの農家も農地改革の荒波に飲み込まれて

多くの農地を失ってしまった事でしょう。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  32  黒板塀と白い蔵 黒板塀と大木

2013-07-16 18:04:13 | 絵画

この上下二枚の絵は同じ場所を描いています。

長い塀が大きくカーブした道に沿って建っています。

この道は昔のままの幅で拡幅されていないのだと思います。

道は一方通行になっていて、私も時々使っています。

有瀧家の土地だと思います。

久伊豆神社傍のアリアキ植物園の旧所有者と関係があるのでしょうか?

大きな木は市の文化財に指定されている樹木です。

私が描いた後、重機が入ってなにやら作業していましたから、

今後どうなってしまうのか心配です。 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  31 二階が張り出した家

2013-07-15 19:23:42 | 絵画

この家は街道に面していますが、正面が看板で覆われていたため

前回のシリーズでは割愛したのです。

しかし二階が張り出していて面白い構造になっていますから

今回は描いてみました。

土地の有効利用のためにこうゆう構造にしたものと思われますが、

他の家ではこの張り出し構造は見かけませんから、この家を造った人は

他県に旅した折にこのような家の構造を見て取り入れたのかも知れません。

張り出した部分は広く使えるだけでは無く、雨を遮ってくれますから

通行には便利ですから一石二鳥の効果があります。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  30 アイボリー壁の家

2013-07-14 23:01:16 | 絵画

 アイボリー壁の家は奥にマンションと蔵のある家を

逆方向から描いたものです。

それで同じ30の数字を付与してあります。

表題に入っている番号は地図上の場所を表しているので

同じ建物は同じ番号にしてあります。

前掲の「奥にマンションと蔵のある家」では奥に小さく描かれた蔵が

この絵では手前に描かれています。

 蔵をうまく住まいに転用しているのが分かります。

古いものをこうして活用し命を与えているのを見ると嬉しいです。

単なる遺物としての価値しか与えていないなら。

早晩その建物は邪魔者扱いされて姿を消してしまうでしょうから・・・・

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  30 奥にマンションと蔵のある家

2013-07-13 22:44:54 | 絵画

私が描きたかったのはマンションの右手に小さく見える蔵ですが、

手前に二軒家があり、近づいて描くことが出来ません。

「歴史ある家たちプラスα」という表題ですから「α」という部分に入るかと思い

手前の家も後ろのマンションも描き込んだ絵になりました。

何年か経ってこの絵を見たら、案外越谷の歴史を語る貴重な?

資料になっているかも知れません。

とにかく今のご時世は、簡単に古い物は取り壊して、味も素っ気も無い

画一的な建物に替えてしまうからです。

日本全国何処の街でも同じような建物が建っています。

プレハブメーカーのカタログでこの形を、と言う建築が主流だからでしょう。

昔は家の外壁にしても関西では縦羽目板、

関東では横羽目板にするのが習いでした。

今ではそんな区分は無くなっています。

 

 

 

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   29  明治から大正・昭和の家たち

2013-07-12 14:35:35 | 絵画

3棟の家が描かれています。

一番古いのは右側にある蔵で、明治か大正に建てられた物でしょう。

道路側の壁だけが板壁になっていて他は白塗りの土壁です。

土蔵は防火を目的として作られる建物ですから

道路側だけ板壁というのは解せません。

おそらく後世に壊れたのを応急修理したままになって居るのでしょう。

真ん中の平屋は昭和初期の建て方です。背後にある大きな建物は

最近作られた物でしょう。

こうして各時代の建物が共存しているのは嬉しいです。

私の住む地域でも最近二軒続けて建て替え工事が行われました。

まだ築30年も経たない家です。勿体ない事だと思います。

我が家も同じ頃に作っていますが、未だに何処も不都合なところは

ありません。

建付もちゃんとしているし雨漏りなどもありません。

耐震強度もおそらく問題ないと思います。

もし地震が来たら建物は壊れなくても、必ず発生するであろう

火災には耐えられません。

大災害の時に消防活動は期待できませんから

身の安全を確保するのが第一です。

地震に遭遇したら、家や家財は地震保険に任せて

我が身大事と逃げ出すのが最良の選択です。

農協の地震保険は農業従事者で無くても加入できます。

保険金の支払いも減価償却された時価評価では無く、

同じ物を建て替えた場合の金額で補償されます。

私はJAの回し者ではありません。

1000円の出資金を払って準組合員になっています。

貴方も検討なさってはいかがですか?

 

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   28 三角屋根三連

2013-07-11 23:32:48 | 絵画

右に土蔵の切り妻屋根、真ん中には屋根を大きく取って

合掌作りのようなデザインの屋根、

左には普通の立て方のやはり切り妻の三角があります。

歴史ある家としては右の土蔵造りだけなのですが、

三連の屋根が構図として面白いので新しい家も取り入れました。

三つの屋根の持ち主さんが同じ方なのか

全部別の方なのかは分かりませんが、

意図して三連の三角屋根を作ったわけでは無いでしょうが、

結果として面白い形になりました。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   27  木下半助商店

2013-07-10 19:38:36 | 絵画

木下半助商店は私の大好きなお店です。

金物で無い物は無いという品揃えで、昔使われていた品物まで揃っています。

私がバネでネズミを捕まえる器具を買いに行ったら、

おばあちゃんの元看板娘が即座に取り出してきてくれました。

奥の倉庫の何処にな何があるか、全部頭に入っているようです。

木下家も奥に長い構造の敷地で裏庭に大釜があります。

これは売り物では無いと思われますが、欲しいと言えば

売ってくれるかも知れません。

とにかく大きな釜で、これは五右衛門が茹でられた釜だ、

と言われたら信じそうな大きさです。

差し渡しは1.2Mくらいはあります。

煮炊きするには大きすぎますから、五右衛門風呂に

使っていた物かも知れません。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   26  商工会館隣の家

2013-07-09 19:06:51 | 絵画

左側にぼんやりと描いてあるのが越谷商工会館です。

この絵は会館との間にある細い隙間を通って裏側から描いています。

かなり瓦もずれているし壁も傷んでいますが、現住されておいでのようです。

お住まいの方には、裏から覗き込むなんて失礼だ、

とお叱りを受けるかもしれませんが、

越谷には良い建物がまだこんなに残っているのだ、

ということを多くの方に知ってほしいという気持ちで描いているので

お許しいただきたいと思います。

屋根の形も入り組んでいて興味深い建て方です。

屋根の隅が90度ではなくもっと開いた形というのも珍しいと思いました。

もっとよく見える場所があればその面白さを

ちゃんとお伝えできる絵になるのですが、

何しろ狭い場所で体を斜めにしていなければ描けないような場所ですから

このよな構図で描くのが精一杯なのです。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   25  小泉家隣の家

2013-07-08 17:03:44 | 絵画

この家は小泉家と地続きです。

おそらく同じ家だったのだろうと思います。

もしかしたら今でも小泉家なのかもしれませんが、

手入れがおざなりで屋根に草が生えています。

クリーニング店の看板がありますが営業はしていないようです。

きちんと手入れをすればまだしっかりした建物ですから

後世に残せる立派な遺産だと思うのですがこのままでは

朽ちてしまいそうで心配です。

草が屋根に生えると根が屋根瓦の下へ伸びます。

草が枯れるとそこに水が浸み込んで屋根を支える材木が腐り始めます。

まず草を抜いて穴を漆喰で固めるだけでも崩壊の危険度は

かなり低くできると思うのです。

持ち主さん、お願いですから早く手入れを始めてください。

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα   24  小泉家

2013-07-05 09:33:44 | 絵画

小泉家もいつも雨戸が閉まっていて中がどうなっているのだろうか?

と気にかかって居ました。

雛巡りなどの行事に協賛して下さったのか、

雨戸が開いているのを見て嬉しくなりました。

その折の絵を改めて描かせて戴きました。

小泉家は煉瓦のうだつがあり、重厚な構えの家をさらに引き立てています。

保存状態も良好のように見えます。

 

下の絵は雛巡りの折の物です。

うだつを手前にして描きました。


越谷宿の歴史ある家たちプラスα 23  鍛冶忠商店

2013-07-04 17:03:04 | 絵画

鍛冶忠商店は前回は正面からの構図のみでしたが今回は隣にあ

新しい建物も入れたのも描きました。

前回描いたときは、折角の歴史ある建物を赤や黄色の壁を入れて

改造しているのが私には不満でした。

でもよく観察すると意外に古い物と新しい物が

マッチしていることに気付いたのです。

右隣も鍛冶忠さんのビルのようです。

こうして新旧のビルを一緒に眺めると

赤と黄の壁が両者を一体化するのに役立っているのです。

古い物をそのまま保存するのも大切なことですが、

新しい物を取り入れて活用するというのも一つの行き方だと思いました。

京都タワーが出来たとき、なんと醜悪な物を古都に建てたのだろうと

不快に思った物でしたが、今になってみるとそれなりに

様になっていると思えるようになりました。

パリのエッフェル塔も建設当時は不評だったそうですが、

今ではパリのシンボルですからね。

 

 

 

 

 

 

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα 22 黒板塀の家 むくり屋根の玄関

2013-07-03 23:28:04 | 絵画

この家ははじめは隣の河内屋旅館の一部かと思っていましたが、

別のお宅でした。

黒板塀に囲まれていて玄関の屋根はむくり屋根になっています。

むくり屋根の玄関は昭和の初期に流行った建築様式で、

私の生まれた家もむくり屋根の玄関を構えていました。

今は大工の腕が落ちたのか、建築費を節約するためか、

こうゆう優雅な曲線の屋根は民家ではあまり見られなくjなりました。

むくりの曲線は暖かく柔らかな感じになります。

むくり屋根の反対はそり屋根でこちらは城郭や寺院・神社などに

多く見かけます。

反り返っていると、人間も同じですが威張っている、お高くとまっているという

感じになります。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  21 蔵と黄色壁の家

2013-07-02 23:00:16 | 絵画

この家は蔵と黄色い壁の部分が接続されていますから、

同じ所有者の家だろうと思います。

少し傷んだ白壁の蔵と隣の黄色いモルタルの壁の対比が面白いと思います。

蔵の一階には差し掛けの屋根があってそこは物干し場になっています。

日本では戸建て住宅の場合、大抵は庭かベランダに洗濯物を干します。

イタリアのナポリなど南部に行くと、道路の上が物干し場になっています。

道の反対側の家と自分の家の間にロープを張り

そこに洗濯物を干しています。

商店街の大売り出しの時に出す万国旗のように

色とりどりの洗濯物が通行人の頭の上ではためいています。

美観を損なうと言って目くじらを立てる人も居ますが、

私はこのアッケラカンとしたイタリア人のやり方は好きです。

美観を損なっているのは日本の蜘蛛の巣のように張り巡らされている

電線の方がよほど目障りです。

 

 


越谷宿の歴史ある家たちプラスα  20 中村硝子店

2013-07-01 10:36:02 | 絵画

中村硝子店は旧街道に面しているのですが、

ご覧のようにトタンの看板に遮られて屋根の下にわずかに見える

木組みから、歴史を感じられだけです。

それで前のシリーズでは描かなかったのですが、

今回は描くことにしたのです。

少しでも見えるならば、描き残しておかないと

いつ無くなってしまうか分からないという危惧があるからです。

このブリキにペンキを塗った看板を取り除いて

木製の手を掛けた看板にしてくれたら

お店の雰囲気も、通りの雰囲気もとても良くなると思うのですが、

行政も新しい箱物には予算をふんだんに使いながら

古き良き物への配慮はなされません。

後になって失った物の大事さを悟っても取り返すことは出来ないのに・・・・