Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ハケンの品格

2009-02-01 | TVドラマ(日本)
<働きマンドラマ比較 vol.3>

★★★★★ 2007年/日本テレビ 
「オリジナル脚本の勝利 」

ちょうど関西地区で再放送が始まりました。やっぱり面白い。

当初は実際の派遣社員の方々からクレームが絶えなかったようです。こんな極端な設定じゃ「派遣として会社にいづらい」と。しかし、テレビドラマなんて、話題になってナンボじゃないでしょうか。スポンサーの意向を気にして、枠からはみ出さないようなドラマばかり作っていてもダメでしょう。まあ、とにかく大前春子というキャラクターはとてもよくできています。脚本を書いた中園ミホがうまいです。松方弘子のように原作ファンが存在する場合は、マンガと似てるだとか、マンガの雰囲気じゃないとか、とかく物語以外の先入観が入ってしまいますが、オリジナル脚本ですから、何の縛りもなく大前春子は生き生きと輝いています。賛否両論あれど、「仕事道」としての道筋がしっかり立っている。それが、大変清々しいです。大前春子のセリフはいちいち立ち上がって「そうだ、そうだ!」と拳を突き上げたくなりますね(笑)。篠原涼子は取り立ててすごくうまい役者とは思いませんけど、大変自由にやっています。迷いがないのがいいです。

そして、問題定義+コメディ+ラブストーリー。このバランスが抜群。「ホッチキス対決」なんて、驚くほど馬鹿馬鹿しい脱線ぶりなんですけどね。ちゃんと1話の物語として収束しています。そして、「とっくり」というあだ名。これは、うまいこと考えましたねえ。まさにアイデアの勝利でしょう。この言葉が登場してからというもの、洋ちゃんが「あの、とっくり!」と怒る度におかしくてたまりません。

そして、ラブの要素です。問題定義型ドラマと言えば「女王の教室」なんかが思い出されますが、あれにはラブがありません。なんだかんだ言って、恋バナになった方がやっぱり楽しい。第3話ですでに洋ちゃんがチューしちゃってますので、意外と早く恋バナになるんです。これは意外でした。そして、王道の三角関係へ。私は里中主任派でしたが、結末は書かないでおきます。

加藤あい、小松政男、安田顕など脇の役者陣も適材適所です。本作に、松方弘子ならぬ松方弘樹が出演しているのは、ちょっとしたシャレなんでしょうか。「2」の要望も高いらしいですけど、このご時世、再び話題になるのは間違いないんではないでしょう。ぜひ、やって欲しいです。