Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

俺たちフィギュアスケーター

2009-02-24 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2007年/アメリカ 監督/ウィル・スペック、ジョシュ・ゴードン
「意外と硬派なのか?と騙されてしまう徹底したおバカ演出」

男子フィギュア・スケート界の2大スター、チャズとジミー。激しいライバル心を燃やす2人は、世界選手権の表彰台で大乱闘を繰り広げ、金メダル剥奪、永久追放の憂き目に。それから3年半後、前代未聞の男子ペアとしてペア競技に出場することを思いつくが…。


大体「股間をつかんでリフト」なんて馬鹿げた発想からしてお下品だってのは、予想が付いていたんですけれどもね。あんまり、みんなが下品下品って言うもので、私はダメかと思ってましたが、あらら面白いじゃないの。許容範囲です。この「下品」の許容レベルって、本当に個人差があると思うんですよね。だから、一種の賭けみたいなもんです。「馬鹿馬鹿しくて見なきゃ良かった」になるか、「意外と爆笑できた」ってなるかは、蓋を開けてのお楽しみってことで。今回は賭けに勝ったような気分です。

ただ、子供と見るのは無理です。その点はしっかりお伝えしておきます。「スキージャンプ・ペア」が好きな小学生の息子と見ようかと思いましたが、止めて正解でした。

男子ペアの大技演技はどれもこれも爆笑させてもらいました。あんなものをクソ真面目に作っている製作者魂は凄い。着ぐるみが燃えたりするセンスは、河崎実監督を彷彿とさせるのですが、バカ道は貫けても、エロバカ道になると、日本で面白いものを製作するのは難しいです。どうしても、おネエちゃんのオッパイとか幼稚な方に走ってしまうのが頂けない。

お下劣よりも、むしろ私が驚いたのはブラックさでしょうか。確かに北朝鮮のビデオには度肝を抜かれます。しかし、セックス依存症、ストーカー、加熱するスポーツ中継、睡眠薬をもどすマリリン・モンローなど、アメリカを代表する現象が次々と笑いの対象になっている辺り、意外と硬派な作品ではないかとすら思わされるのです。まあ、それもこれもクソ真面目な作り込みのなせる技かも知れません。特典映像まで徹底したおバカ演出。恐れ入りました。