Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

イーグル・アイ

2011-06-24 | 外国映画(あ行)
★★★ 2008年/アメリカ 監督/D.J.カルーソー

「アメリカ、アメリカってうるさい」

AppleTVで見ようかな、と思っていたら、地上波放送をしていたので鑑賞。

いわゆる「巻き込まれ型」作品だけど、この手の作品は巻き込まれる人間にどれだけ感情移入できるかってのが、最大のポイントなんだろうと思う。しかし、ジェリーにもレイチェルにも全く感情移入できないからつまらない。謎の犯人に操られるのが男女である場合、大抵恋に落ちてあっさり逃亡中にキスの1つでもするのがハリウッド流なんだけど、やっぱりスピルバーグは作品の中に安いラブを持ち込まない。それはそれでいいんだけど、じゃあなぜこの2人の組み合わせなんだろうってこと。「できない弟」と「できない妻」が「できる自分」になるってのは、わかるけど主人公を2人にすることで、観客はどっちつかずになってしまったと思う。スピルバーグがシャイアをお気に入りなのかも知れないけど、女性主人公に絞って、言うこと聞かないと息子が殺されてしまうという恐怖に絞っても良かったんじゃないかな。自分が友だちと飲んでる間に子供が誘拐されたってのは女性陣は結構身につまされるはず。

それに、アメリカアメリカってうるさいんだよね。叛乱を起こすのはアメリカのコンピュータで、狙われるのはアメリカ大統領で、クライマックスにはアメリカ国歌。ちょっとウンザリ。アメリカの中だけでパニックが起きても、もはやスケール感がないのよ。アンタらだけで騒いどきな、って感じで。先日見た「X-MEN ファーストジェネレーション」がすばらしくて、そりゃもうワールドワイドで人物の心理描写が繊細で。アメリカの大作映画は、アメリカから脱出しないといけない時代になったんだってことを両作品を見て痛感した。アメリカで収めるんだったら、極めてローカルなストーリーにしないとダメなんだよね。