うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

播種ギボウシの苗

2012年10月21日 06時56分42秒 | ぎぼうし栽培日記

 ギボウシの播種について、ここでは一例として キャプテンクック、 マルバタマノカンザシ、アルポピクタ を紹介する。
 わたしの場合のギボウシの採実方法は自然交配で、新しい品種作出のための花粉を人工的に自家受粉や交雑を目的とした他家受粉をおこなっていない。したがって、ハナバチ類、アブによる授受粉に頼っていることになるだろう。それゆえに高度な経験と技術を持つ育種家のように、戻し交配や品種選抜の操作などは時間や技術面の上でできない。ただ単に、わたしは効率よく種子繁殖が可能な多量栽培向きのようにユーティリティのある品種を探しあてることをめざしている。

 一般的にギボウシの種子は原種や原種に近いと開花しても実を結び空莢(カラサヤ)にもならず、その種子を播くと発芽の可能性が高い。つづけて育成していくとその株(母株)の特性が子株に引き継がれる。しかし系統分類的に見ていくと、選抜品種は別にして、人工的に株分けや組織倍養したり交雑した品種またその過程であらわれた突然変異種にはその特性があらわれにくい。ちなみにそれらが市場に出回って新しい園芸品種ということになる。


■フォーチュネイ系
学 名: Hosta(属)― Bryocles(亜属)― Helipteroides(節)― sieboldiana ― var.fortunei
原産地: なし 
 レンゲギボウシ(Fortunei)の系統。フォーチュネイ系は、園芸種を便宜的に分類するための系統で自生種はない。したがって、形態的な特徴をあげても個々にバラバラでありそれほど意味がない。具体的な育種履歴・栽培経験で見ていく。これは、オオバギボウシの突然変異種などを交配したもので、19世紀後半以降に欧米でつくりだされた品種が多く、形態は小型、中型種である。斑入り種・青葉種とも存在する。花の色はすべてラベンダー色になる。
 一般的にこのフォーチュネイ系には、一部に後暗みの徴候が見受けられるが、季節による斑の変化は少なくそのまま秋まで美しいものが多い。ここでは キャプテンカーク(クック) と アルポピクタ があてはまる。

 下の画像では左から右へ 昨年播種のキャプテンクックの2年生、 今年播種のマルバタマノカンザシ1年生、 昨年播種のアルポピクタ2年生 の品種だが、どうやら今の幼い苗の段階では マルバタマノカンザシ は親株の特徴を受け継いでいるが キャプテンクック と アルポピクタ 葉の斑入りは見受けられず、シンプルな青葉である。植物の世界では‘先祖返り’という現象だが、先祖の形質にもどるものらしい。
 また、近いうちに、ここ4年間のギボウシの各品種ごとの種子繁殖のあれこれについて、試行錯誤の痕跡をわたしなりに公開していきますのでギボウシのコレクターはご期待ください。

 
 なお、写真上で左クリックすると画像を拡大して見ることができます(タイトルバーの横の⇦ボタンで元に戻る)。

撮影日時:平成24年1015日(月曜日)14:00頃
        

●キャプテンカーク(クック)Hosta‘Capten Kirk’
(中型大葉・クリーム色葉・濃緑覆輪・白色花・花茎;中・結実;○発芽率;良・・・芽出し;中・成長度;早・伸長時期;春~初夏)Δ---フォーチュネイ系。ゴールドスタンダードの芽変わり。H20.6.27.入手。
【販売予定:数量・価格⇒ 6株・900円】 

●丸葉玉の簪(マルバタマノカンザシ)Hosta plantaginea
学 名:Hosta(属)― Hosta(亜属)―plantaginea Aschers(節)―var. plantaginea
英 名:Plantain Lily Funkia  中国名:玉簪
(大型大葉・淡緑色・白芳香花 ・花茎;長大・結実;○:発芽率 良:芽出し;早・成長度;早・伸長時期;春)★----タマノカンザシ系野生種?中国北部原産。タマノカンザシより全体にボリューム感あり。葉幅が広い。新芽が黄緑色。H21.9.26.入手。
【販売予定:数量・価格⇒ 6株・1,000円】

●アルポピクタ(黄中斑レンゲギボウシ)Hosta fortunei‘Albopicta’
(中型中葉・黄覆輪黄緑色・濃紫色系白色花・花茎;中・結実;○・・・芽出し;中・成長度;中・伸長時期;春)---フォーチュネイ系。H21.8.23.入手。
【販売予定:数量・価格⇒ 2株・680円】

 ※今までのギボウシの育成や栽培については、このサイト左側の、カテゴリー [ギボウシ栽培日記] などをクリックするとご覧になれます。

 ※ほかの品種のギボウシの単価・購入方法については、その内容が長文になり恐縮ですが、どうぞ 6/4付けブログ記事9/3付けブログ記事をご覧ください。

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