マッタリ風景

散歩写真と戯れ言のブログ

『ひらいたトランプ(Cards on the Table)』

2017年03月19日 | 散歩写真





It was bit different between videos and novels.
「少し差がありました」

少しだけブリッジのルールを予習してから、ポワロの『ひらいたトランプ』を読みました。
実は、この作品は先に名探偵ポワロシリーズのビデオを見て、それから本を読みました。
本を読んだのは、今回が初めてです。

推理小説の犯人というと、予想外の人を疑うと、結構犯人だったりします。
『ひらいたトランプ』は、いわゆる密室殺人物で、犯人は密室と言える部屋で、ブリッジをプレイしていた4名に限られる出だしでした。
私は最初、後から予想外の犯人が登場するのではと少し想像しましたが、前提条件は最後まで変わりませんでした。

ポワロ物のお約束事で、原則、犯人は原作でもビデオでも変わりはありません。
当然のことながら、ビデオの場合は、映像化のために、原作をそれなりに変更するケースが多いと感じます。
今回も、原作とビデオは、途中の流れが違っていました。
原作では、ブリッジの最中に行われた殺人の後、2件の殺人事件が発生しましたが、ビデオでは1件に変更されていました。
後、ビデオでも省略されていない方の殺人は、入れ替わりがありました。
素人考えですが、ビデオの方は、殺伐とした殺人事件のあと、少しですがハッピーエンドの要素を強調したかったのかなと感じました。

この物語は、密室殺人、犯人は4人の内の1人、決定的な証拠はなし、これは心理面から攻める、ポワロの真骨頂を発揮する場面です。
心理面の推理を展開する上で、ブリッジの得点表が大きな役割を果たしていました。
登場人物の1人、ロリマー夫人が、得点表を元にポワロに語るブリッジの経過は、ブリッジのルールを予習していたので、楽しめました。
完璧ではないにしろ、少しでも分かっているだけでも、違うなと感じました。

でも、ポワロが犯人を追い詰める決定的シーンは、原作もビデオもちょっといただけないなと思いました。
もしかすると、この手のトリックは裁判となった場合に、通るのかなと疑問を感じたからです。
まあ、そこまで言い始めたら、推理小説は成り立たないことになるので、結末はあれで良いのかもしれませんが。

『ひらいたトランプ』で、アリアドニ・オリヴァ夫人(アガサ・クリスティーの分身だと言われていますが)が始めて登場します。
名探偵ポワロでは、ゾーイ・ワナメイカーが演じていますが、これははまり役だと感じました。

今日、ポワロ最後の事件である、カーテンを読み終わって、ビデオを見終わりました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする