He is alive in the our mind forever.
「心の中で生きています」
『カーテン』は、ポワロ最後の事件簿です。
この作品、私が推理小説を良く読んでいた若い頃には、まだ出版されていませんでした。
有名な話ですが、この作品は、アガサ・クリスティーが存命中に書かれて、彼女の死後に出版されることになっていました。
でも、結局は色々あって存命中に出版されましたが、彼女は直ぐに鬼籍に入ったので、ほぼ死後出版と言っても良いと思います。
私は、先月この本を図書館から借りてきて読み終えました。
そして、昨日の午後、以前録画しておいた名探偵ポワロのビデオを見ました。
原作を読んでから、ビデオを見たことになります。
本人を死亡させてシリーズを終わらせる場合、どんな終わり方にするのか、興味津々でした。
事前に、こんな感じになるかなとパターンを考えていましたが、結果的には大きく外れませんでした。
背景となった事件は、犯人をポワロが知ってはいるけど、証拠が全くなしでした。
原作は、犯人を追い詰めてゆく迫力を欠いていたように感じました。
ビデオの方は、言葉や音の効果を使えるので、映像のほうが楽しめるかなと思います。
主題は、いわゆる教唆ですが、アガサ・クリスティーといえども、読者を納得させるストーリーを作るのは、難しいかなと言うのが、私の結論です。
結果的に、二つの殺人事件が発生して、物語のケリがつきました。
片方は意図しない殺人、片方は意図した殺人、片方の犯人は意外性があって、こちらはさすがアガサ・クリスティーと思わせました。
ポワロ物ですので、最後はしっかりとヘイスティングズ大尉へのポワロの種明かしで物語はカーテンが引かれました。
それも、如何にもポワロらしい律儀さで。
作者本人が亡くなったので、シャーロック・ホームズのように、読者の熱意でポワロが復活することはありません。
区切りがついて、後は読者の心の中で生き続ける方が良いのかなと思います。
ちなみに、原作とビデオの流れは、ほぼ同じだったと感じました。
今日の新潟は、三連休の中で、一番空模様が良かったかなと思います。
上の写真は、豊栄図書館の野外読書席を撮影したものです。
今日の天候は、野外読書席で本を読みたい気分の陽気でした。