■Wes Montgomery In Europe 1965 (Imro-Jazz = DVD)
これはかなり以前にゲットしていたブツですが、なんかタイミングが合わなくてご紹介していませんでした。
内容はウェス・モンゴメリーが1965年に訪れた欧州巡業の日々の中、出演したテレビ番組をふたつ収録しています。
そのメンバーはウェス・モンゴメリー(g) 以下、ハロルド・メイバーン(p)、アーサー・ハーパー(b)、ジミー・ラブレイス(ds) という当時のツアーバンドですから、纏まりの良さは文句無し!
☆1965年3月25日、イギリスでのテレビショウ (約29分)
01 Yesterdays
02 Jingles
03 'Round Midnight
04 Twisted Blues
05 Full House
このパート以前から何度も商品化されている有名なセッションで、例えば最近でも「Wes Montgomery All Stars Live In Hamburg 1965 」に収録されていました。
画質や音質のリマスターも大差は無いと思いますが、まあ、このあたりは十人十色の好き嫌いかもしれません。
もちろん演奏はモダンジャズの王道を行く極上の展開ですよ。特にグルーヴィなワルツビートがイカシている「Full House」は、何度観ても最高ですねぇ~♪
☆1965年3月末頃、ブリュッセルでのテレビショウ (約24分)
06 Impressions
07 Twisted Blues
08 Here's That Rainy Day
09 Jingles
10 The Girl Next Door
こちらは詳細なセッションデータが特定されていないようですが、演奏メンバーは前半と同じスタジオセッションのモノクロ映像で、このブツの本命です。
私は初めて観ました。
まず、何んと言っても期待してしまうのが、初っ端の「Impressions」でしょう。
そして結果は強烈なアップテンポでブリブリに弾きまくるウェス・モンゴメリーの神髄! オクターブ奏法やコード弾きはもちろんのこと、単音フレーズでの運指の秘密もしっかりと確認出来ますよ。それと躍動的なリズム隊、特に疑似マッコイ・タイナーを演じるハロルド・メイバーンが憎めません。全く4分に満たない演奏時間が恨めしい!
ちなみに画質は「A-」程度ですが、音質のリマスターはなんら問題の無いレベルだと思います。
ですから、「Twisted Blues」や「Jingles」という、ロンドンセッションとのダブリ曲にしても、聴き&観較べが実に楽しいところなんですよ。それは演奏そのものばかりではなく、カメラワークや照明の味わいも含めてのものですから、画質や音質はロンドンセッションに軍配が上がるものの、演奏に関しては甲乙つけ難い充実度です。
ただし「Twisted Blues」はテンポが幾分上がっている所為でしょうか、こちらの方がバンド全体に前向きな勢いが漲っている感じですし、「Jingles」ではアドリブソロに入る順番がウェス・モンゴメリーとハロルド・メイバーンで逆になっていること、そしてジミー・ラブレイスのドラムソロがあることで、ウェス・モンゴメリーのソロパートが短くなっているブリュッセルのバージョンに荒っぽさが顕著!?! つまり瞬発力がジャズ本来の瞬間芸へとダイレクトに繋がるエネルギーとなって、ここに記録されているように思います。
また「Here's That Rainy Day」は、お目当てのボサノバ風の演奏ですから、ジミー・ラブレイスの気持の良いリムショットをバックに、スピーディなアドリブを披露するウェス・モンゴメリーの魔法のギターが楽しめますよ♪♪~♪
う~ん、映像のカメラワークで指使いが確認出来ますから、思わずコピーしたくなって、きっと私は挫折するでしょうねぇ。もちろんハロルド・メイバーンの選ぶコードも全篇で興味深いと思います。
ですからオーラスにしっとりと演じられる「The Girl Next Door」の味わいは、番組そのもののクロージングとして用いられている所為もあり、また格別♪♪~♪
ということで、映像作品としては時代性もあり、貴重度が優先されるものかもしれませんが、演奏だって凄いものが楽しめるのは言わずもがなでしょう。
実はウェス・モンゴメリーのこの時の巡業には、まだまだブートでしか出回っていない映像が幾つか残されています。そのあたりはネットを徘徊すれば、今では簡単に接することが出来るとはいえ、やはりオフィシャルとしてパッケージ化されるのが望ましいでしょうねぇ。お金を払う価値が、まちがいなくあるのですから!
最後になりましたが、今週の私は韓国への往復出張に明け暮れ、ご推察のように掲載していたプログ紹介記事はストックの流用でした。現実的には、ほとんどレコードやCD&DVDを鑑賞する時間も無くて、些かストレスが溜まっています。
ちなみに今の韓国は怖い緊張感がリアルに感じられますよ。
原因は、例の国際問題です。
我国もトップの妄想虚言や往生際の悪い言い訳、仲間割れなんかに拘っていないで、はっきりと現実に対処して欲しいものですねぇ……。
とにかくジャズでもエロスでも、楽しめる時に楽しんでおきましょうよ。