■Sundown / Gordon Lightfoot (Reprise / ワーナーパイオニア)
1970年代前半に世界的なブームとなったシンガーソングライターの存在の中には、えっ!? この人がチャートトップの大ヒットをっ!?
という驚きで知るミュージシャンのひとりが、本日ご紹介の「Sundown」を自作自演したゴードン・ライトフットです。
結論から言えば、その「Sundown」こそが1974年のアメリカにおけるチャートトップ曲であり、ゴードン・ライトフットは既に1960年代から職業作家として、例えばピーター・ポール&マリーが十八番の「朝の雨 / Early Morning Rain」等々を提供する実績はあったのですが、さりとて自身が出していたレコードは、それまで決して売れていたとは言えないでしょう。
その要因はスバリ、地味~なフォーク歌手という印象に集約されていると、後追いで聴いたサイケおやじは思うばかり……。
ところが、この「Sundown」には摩訶不思議な魅力があって、基本的にはアコースティックギターのリズムを前面に出した、あまりメロディアスではない曲調でありながら、バックのエレキギターやベース、そしてドラムスが軽快にして強いグルーヴを作り出しているのですから、今風の表現を借りれば、フォーキー&ソウルフル♪♪~♪
ちょいと妙なモードに支配されたアシッド系の歌と演奏には、何かしら麻薬的な中毒性が感じられ、中間部のギターソロにしても、これが延々と続けられたら最高だろうなぁ~~♪
と、思わず強い希望を抱いてしまうほどなんですよっ!
さらに言えば、グレイトフル・デッドあたりがやってくれそうな、あのイキそうでイカないエクスタシー寸前の快楽ジャムに発展させられるであろう、なかなか嬉しい予感に満ちているんですねぇ~♪
ただし、これが本当にチャートトップになった歌?
なぁ~んて自問自答したくなるほど、常識的なヒット性には欠けていると思うんですが、いかがなもんでしょう……。
まあ、そこにはヒットチャートなんてものが、本来は業界主導の情報であるという真相も含まれているわけですし、殊更アメリカではラジオでの放送使用回数がチャート順位の大切な要素でもある実情を鑑みれば、そこで当たったからといって、日本でも同じというはずもありません。
そして実際、「Sundown」が我国で売れたとか、あるいはゴードン・ライトフットが絶大な人気を集めたとかいう事は、少なくともリアルタイムからあったとは言えません。
しかもゴードン・ライトフットが出していたレコードをじっくり聴いてみると、この「Sundown」は何処かしら突発的な曲調であり、他は全く正統派のポビュラー系フォークソングみたいな感じの歌が多いんですから、それが自らの落ち着いた声質としぶといギターによって演じられていれば、地味~な中にもそれが個性と受け取られているのでしょう。
告白すれば、サイケおやじがゴードン・ライトフットのレコードを後追いで聴いていったのも、きっと「Sundown」と同じ味わいの歌と演奏がもっとあるはず! と思い込んでいたからなんですよ……。
それでも、おそらくはフォークロックやポップスのイノセントなファンにすれば、ゴードン・ライトフットは大切なひとりであるにちがいありません。
ということで、実はサイケおやじの好きな音楽の要素のひとつとして、アコースティックギターがメインのリズムにエレキのピート♪♪~♪ それが本日の主題でありました。
もちろん、そういう系統の歌や演奏を集めたカセットを作っては愛聴していた時期がありましたですねぇ~♪ 例えばドゥービー・ブラザーズ、アメリカ、ネッド・ドヒニー等々、なかなか素敵なテープが出来上がること、請け合いですよ。
拙ブログでも、追々にそうした偏食はご紹介していこうと思います。