■青いペッド / Sonia Rosa (東芝)
ソニア・ローザは昭和44(1969)年頃、日本にやってきたブラジルの歌手で、十八番はもちろんボサノバ♪♪~♪
その経緯としては、今や有名な小野リサの父親である小野敏郎氏の存在も大きいようですが、既にブラジルでレコードデビューしていただけあって、恐らくは我国で活動した最初の本格的なボサノバ歌手だったのかもしれません。
ご存じのとおり、ボサノバが日本で流行したのは、スタン・ゲッツ(ts) やアストラッド・ジルペルト(vo) の世界的な人気よりは、そういうブームを直輸入してくれた渡辺貞夫(as) の功績が大きいわけですから、ソニア・ローザとのコラポレーションで作ったアルバムも当時は発売されていました。
そして当然ながら、日本で活動する外タレである以上、歌謡曲のレコードも出すのが、ひとつの成功の証でしょう。
本日掲載したシングル盤は、まさに昭和45(1970)年春に発売された、ソニア・ローザの本邦デビュー曲「青いペッド」をA面にした裏傑作!
まあ、こういうものが好きだと言うと、本格的なボサノバファンからの顰蹙は当たり前なのが日本の状況であって、逆に言えば、それだけ日本人はボサノバが好きなのでしょう。
ただし、あえて言ってしまえば、サイケおやじは本物のボサノバよりも、ボサロックや歌謡ボサノバの方が好きなんですよねぇ~♪
しかし、ソニア・ローザの才能は完全な本物であって、そのリズム感や節回しの上手さは最高だっ! ということが、リアルタイムで出演していたテレビ番組、多分「ミュージックフェア」や「11PM(イレブン・ピーエム)」だったと記憶していますが、とにかくその中で歌ったボサノバの名曲群の鮮やかさには、一発でイチコロにされましたですよ♪♪~♪
さて、そこで肝心の「青いペッド」なんですが、これは作詞:山上路夫、作編曲:鈴木邦彦というコンビが書いた、ソフトロック調の歌謡ボサノバということで、彼女は持ち味のロリータボイスを絶妙に使いながら、要所で不思議なコブシを披露するという、なかなかのテクニックが使われていると感じます。
しかもニクイのは、それがイヤミになっていないところであり、イントロのハミング&スキャットは短いながらも、ソニア・ローザならではのリズム感の良さが堪能出来るのですから、たまりません♪♪~♪
残念ながら、大ヒットには至りませんでしたが、今も時折に有線で流れていることもありますから、人気曲になっている事は確かでしょう。
またソニア・ローザの人気も局地的ではあっても、まさに不滅!
作られたレコードは多いとは言えませんが、とにかく機会があれば、皆様には今の季節なればこそ、楽しんでいただきたい作品ばかりです♪♪~♪