■ソーダ水のむこうに / ゴールデン・ペア (日本コロムビア)
本日も女子プロレスネタなんですが、サイケおやじがそんな彼女達が出した歌の中でも特に好きなのが昭和53(1978)年に発売されたゴールデン・ペア=ナンシー久美&ビクトリア富士美のシングル盤A面曲「ソーダ水のむこうに」です。
クイーン・エンジェルスの稿でも触れましたが、当時の全日本女子プロレスはひとつの頂点にあり、人気絶頂のビューティ・ペア=ジャッキー佐藤&マキ上田と悪玉のブラック・ペア=池下ユミ&阿蘇しのぶの抗争で盛り上がっていたんですが、さらにファンをヒートアップさせるべく企画されたのが、このゴールデン・ペアとシルバー・ペア=赤城まり子&シルバーサタンが参戦するリーグ戦(?)みたいなシリーズ展開でした。
もちろん、ビューティ・ペアとゴールデン・ペアはベビーフェイスのストロングスタイル、一方のブラック・ペアは凶器攻撃も得意な反則技優先の大ヒール、そしてシルバー・ペアはテクニシャンでありながら、ダーティな試合運びも躊躇しないという、これがなかなかプロレス的な味わいが深いチームであり、しかもシルバーサタンは覆面レスラー!
その正体はビクトリア富士美の実姉だったそうですが、サイケおやじとしては確証が持てないので、実名はあえて記しません。
で、肝心のゴールデン・ペアなんですが、ジャケ写後ろ側に立つナンシー久美は説明不要、パワー派の美形レスラーでしたし、前位置のビクトリア富士美は空手の心得もある格闘技系のレスラーでありながら、当時は「女金太郎」とまで呼ばれた事もあった可愛らしさがありましたから、相当に人気を集めており、だからこそビューティ・ペアのような芸能活動を目論んでのレコードデビューも必然性あったのでしょう。
そしてもちろん、ゴールデン・ペアもビューティ・ペア同様、歌は決して上手いとは言えません。
皆様ご存じのとおり、実はナンシー久美はこれ以前に自身のソロデビュー曲として「夢見るナンシー」を出しているんですが、そこでも滲みまくった曖昧なリズム感が、この作詞作曲:小泉まさみ&編曲:馬飼野俊一が提供した「ソーダ水のむこうに」では良い方向へ作用したというか、なかなか素敵なアイドル歌謡ポップスになっているんですねぇ~~♪
ゴールデン・ペアは後にアップテンポのイケイケ歌謡「ミステリー・ラヴ」を局地的にヒットさせたんですが、サイケおやじとしては「ソーダ水のむこうに」がずぅ~~っと好きでしたので、この路線の楽曲を続けて望んでいたんですが、今や歴史とはいえ、冒頭に述べた軍団抗争の流れから、ナンシー久美は「アマゾネス軍団」、ビクトリア富士美は池下ユミが率いる「ブラック軍団」に加入する等々の反逆的(?)行動があっては……。
しかし、だからこそ、ゴールデン・ペアは輝き続き、この「ソーダ水のむこうに」が甘酸っぱい記憶を女子プロレスファンに刻んだんじゃ~ないでしょうか。
う~ん、女子プロレスの魅力って、そんなこんなの儚い眩しさにあるのかもしれません。
ということで、サイケおやじは一時期、女子プロレスラーのレコードを蒐集していたんですが、もちろん完遂はしておりません。
再度挑戦してみようかなぁ~~~♪